赤ちゃんはどう言葉を覚える?全体像を言語聴覚士が教えます!

「赤ちゃんはどうやって言葉を覚えるの?」

「赤ちゃんに言葉を教えるとき、気をつけたほうがいいことはある?」

このような疑問にお答えします。

かわいい赤ちゃんと、1日も早くおしゃべりしてみたいですよね。

では、赤ちゃんは一体どのような言葉の覚え方をしていくのでしょうか?

今回はそんな疑問に応えるべく、言語聴覚士の北山先生に「赤ちゃんと言葉について」のインタビューを行いました。

この記事を読むと次の5つのことが分かります。


・赤ちゃんはどのような言葉の覚え方なのか

・赤ちゃんが言葉を話すようになるまでの経過

・赤ちゃん言葉を使ってはいけないのか

・赤ちゃんに言葉を教える時に気をつけること

・子どもをバイリンガルにする方法

ぜひ、参考にしてみてください。

言語聴覚士 北山先生
長野県出身。大学より小児医療分野に関わることを目指して言語聴覚士の資格を取得。実習では小児分野を多く経験し現在は脳外科に勤務しながら子育てポケットに参画している。2児の母。

赤ちゃんはどのように言葉を覚えるのか

荻野

赤ちゃんはどのように言葉を覚えるのでしょうか?

北山先生

まず、親が話している言葉や、「それは◯◯だよ〜」といった周りの人たちの会話を聞いて、まだ言葉を話せない段階でも、徐々に脳を日本語に適応させていっています。特に、親がよく使う言葉は潜在的に聞き分け、記憶していくのです。身体が成長して、脳や口周りの筋肉など言葉を話す土台が出来てくるにつれ、段々と使う言葉の数が増えていきます。

赤ちゃんが言葉を話すようになるまでの経過

荻野

赤ちゃんが話し始めるまでにどのような経過をたどるのでしょうか?

北山先生

はい、これには段階があって、

 

・生後1ヶ月

泣いて自己表現をする

 

・生後2〜3ヶ月

クーイングと呼ばれる「クゥクゥ」という音を出せるようになる

 

・生後4ヶ月

「喃語(なん語)」と呼ばれる「あ〜」「う〜」という意味を持たない音を出せるようになる

(母音が中心の喃語)

 

・生後6ヶ月

「マーマー」など連続した喃語が出せるようになる

 

・生後10ヶ月

身振り手振りを伴って言葉が理解できるようになってくる

 

という経過をたどります。

荻野

この目安から外れている場合は子どもに何か問題があるのでしょうか?

北山先生

あくまで目安だと思ってください。1歳で全く話さないケースもよくあることです。もし何か気になる点があれば、検診の時に先生に聞いてみるとよいでしょう。また、各自治体に相談窓口があり、保健師さんが対応してくれるので検診時以外にも利用することができます。

赤ちゃん言葉を使ってはいけないの?

荻野

赤ちゃんとお話する時に赤ちゃん言葉を使うのはよくないという意見を聞いたことがあるのですが、実際のところはどうなのでしょう?

北山先生

私は、赤ちゃん言葉を使うことを逆に推奨します。

 

まず、そもそも「赤ちゃん言葉」とは何かというと、「高い声で、ゆっくりと、語尾を伸ばした単純な言葉」のことを言います。

 

確かに少し前までは、「赤ちゃん言葉は言葉を覚える際、2度手間になるのでよくない」と言われていました。しかし、最新の研究結果では赤ちゃん言葉をどんどん使ってよいという考え方が主流になっています。

 

赤ちゃんは、様々な音やモノに触れて刺激を受けて成長していきます。その中で興味がある刺激かどうかが、習得のカギになります。
 
赤ちゃん言葉は、赤ちゃんに伝わりやすく、楽しい気分になりやすいというメリットがあります。また興味も惹きやすいです。米ワシントン大学とコネチカット大学の共同研究では、赤ちゃんは赤ちゃん言葉で話しかけられた方が早く言葉を覚えるという結果が出ました。両親から赤ちゃん言葉で話しかけられていた子は、2歳になった時点でそうでなかった子より3倍近く多い語彙量を獲得していたようです。

荻野

赤ちゃんが興味を持てば持つほど、たくさんの言葉を覚えるということなのですね。

赤ちゃんに言葉を教える時に気をつけること

荻野

赤ちゃんに言葉を教える時に気をつけたほうがよいことはありますか?

北山先生

言語を習得させるためのコツは、6つあります。
 
1つ目は、赤ちゃん言葉で話しかけることです。先程もお伝えしましたが、ちょっと高い声でゆっくりと喋るのがコツです。その方が、赤ちゃんが聞き取りやすくて興味を持ってくれます。
 
2つ目は、赤ちゃんが話した言葉を否定しないことです。当然、言葉を間違えてしまうことはよくあります。もし「ネコ」を「イヌ」と呼んでしまったとしても、「これもワンワンかなぁ?」など軽く流してしまいましょう。
 
3つ目は、できるだけ赤ちゃんに目線を合わせて聞いてあげることです。何を言っているか分からなくても、きちんと聞いている姿勢を見せてあげるとよいでしょう。
 
4つ目は、笑顔で赤ちゃんに接することです。できる限りで大丈夫です。

 

5つ目は、赤ちゃんの気持ちを代弁してあげることです。代弁というと難しく聞こえるかもしれませんが、「楽しいね〜」とかそんなやり取りで大丈夫です。泣いている時は、「泣いてるね〜」とか「悲しかったのかな〜」という風に気持ちを汲み取ってあげると効果的です。赤ちゃんが「あ〜」と指差しをする段階があるのですが、興味があって「これは何?」と言っています。赤ちゃんが言えなくても大人が指さしたものを代わりに言ってあげると、言葉の学習に繋がります。

 

6つ目は、話しかけたり、絵本の読み聞かせをしたりすることです。赤ちゃんが好きな絵本を何度も読み聞かせてもよいですし、新しい絵本を読み聞かせるのもよいでしょう。赤ちゃんは口にモノを入れて学習する時期がありますので、布絵本といった口に入れても大丈夫なおもちゃを活用するのもオススメです。
 
多くのことを伝えてしまったので、「そんなに沢山の事をするのは大変だな…」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれません。言葉を教えるときに大切なのは親が頑張りすぎないことです。子どもにとって幸せな育児をしていくため、親が無理をしすぎるのは禁物です。話しかけが大切ということは先ほどお伝えしましたが、自分が疲れている時は、EテレやYouTubeなどを活用してください。特にEテレは、優秀な番組が数多く放送されているのでオススメです。

子どもをバイリンガルにしたいです

荻野

子どもをバイリンガルにしたい場合はどうすれば良いでしょうか?

北山先生

生後7〜8ヶ月目までの赤ちゃんには、世界中のあらゆる言語を聞き分ける能力が備わっています。そこから冒頭でお話した通り、日本語を聞き分ける脳にカスタマイズされていきます。その理由として、最も多く赤ちゃんの耳に入ってくる言語が日本語だからです。
 
自然にバイリンガルに育つには、家庭内で使う言語が2つ以上あって、それが常態化していることが条件となります。

荻野

それはかなり難しそうです。

北山先生

はい。確かに家庭でその環境を作り続けるのはハードルが高いと思います。例えば、インターナショナルスクールに通う等も一つの手段です。日常的に母国語以外の言葉が聞こえてくる環境に身を置くことが出来れば、その言語が身につく可能性が上がります。

 

「言語習得の臨界期」という、子どもが言葉を習得しやすい期間があるのですが、これが2歳〜12歳の間と言われています。そして、一般的に小学生くらいの子どもが第2言語を習得するまでに必要な学習期間が7年と言われていますので、2歳〜12歳の間にインターナショナルスクールに通わせることが出来れば、習得しやすくなると思われます。

 

しかし現実問題費用もかかりますし、結局お家に帰ってからずっと日本語で生活していれば必ずしもバイリンガルに育つわけではないと思います。

北山先生

また、親と一緒に学習すると子どもの習得度が上がったという研究結果もあります。これは、動画教材との比較で行われたもので、親と子どもが興味を一致させて学習したことにポイントがあります。

 
例えば、親が好きな英語の歌を流して一緒に歌ったり、親がディズニー好きであれば、ディズニーの英語教材を活用したりして一緒に学ぶなど、子どもが第二言語に興味を持つ環境を作ることが重要になります。

まとめ

ここまで、言語聴覚士の北山先生に赤ちゃんの言葉の覚え方について伺ってきました。

改めてまとめると次の通りです。

・赤ちゃんは親の言葉を聞いて学習し、脳や身体の成長に伴って言葉を発するようになっていく

・赤ちゃん言葉を積極的に使うことで、赤ちゃんは早く言葉を覚え、語彙量も増える

・バイリンガルになるためには、日常的に2つの言語が聞こえてくる環境でないと難しい。その環境がない場合はインターナショナルスクール等、日常的に第二言語を使うような環境で生活させる

言葉の発達には、身体や脳、感情などの成長が欠かせません。

赤ちゃんは、常に刺激を受けて学習しているようなものなのですね。

皆さんも、北山先生のアドバイスを参考に赤ちゃんに接してみて下さい。

この記事を書いた人

荻野
大学時代は法律を学んでいたため児童発達分野は全くの素人。
専門家さん達の話を楽しくうかがいながら日々勉強中のライター・・・

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