二人目育児中に見られる、上の子の“赤ちゃん返り”。
生まれて間もない赤ちゃんの世話と日々の家事に加え、上の子の対応にも気を配るとなると、ママとパパは息つく暇もありません。
そこで今回は、上の子の赤ちゃん返りの原因や、子どもへの接し方について、保育士の高田先生に教えていただきました。
この記事を読むと以下の3つがわかります。
- 赤ちゃん返りの特徴
- 赤ちゃん返りする原因
- 赤ちゃん返りする子どもへの接し方
子どもの気持ちを知り、赤ちゃん返りの原因を理解して、心に余裕を持って子どもと関わってみましょう!
やよい先生
みらいくに入職して5年。2人の子育てをしながら働いています。自身の子育てに悩みは尽きませんが、かわいいみらいくの子どもたちに癒されながら、毎日愛情120%!!楽しく過ごしています。
目次
赤ちゃん返りとは?
長野県立大学で保育を学ぶ学生です。上の子の“赤ちゃん返り”に悩んでいる保護者さんのために、赤ちゃん返りについて詳しく教えてください。
赤ちゃん返りとは、弟や妹が生まれたことや、親の職場復帰など、環境の変化をきっかけに子どもが実年齢より幼い行動をとるようになることを言います。
例えば、このような変化が起こります。
- 甘えん坊になる
- 今までしなかったのに指しゃぶりをする
- わがままになる
- 下の子にいたずらをする
- 夜泣きする
- 不機嫌になったりぐずったりする
- 今までできたことができなくなる
産後でママも不安定な時期に、突然このような変化があると戸惑ってしまいますね。
なぜ赤ちゃん返りするの?
子どもはなぜ、このような行動をしてしまうのでしょうか?
赤ちゃん返りは、子どもの不安な気持ちの表れです。子どもは周囲の変化に敏感で、特に兄弟が生まれるということは、とても大きな出来事です。
上の子と下の子で同じ愛情を注いでいるつもりでも、やはり生まれたばかりの赤ちゃんの方が、ママが関わる時間が長くなりがちです。そのため、上の子は今までより自分への愛情が減ったと感じてしまい、不安やストレスを抱えてしまうのです。
赤ちゃん返りの行動の裏には、「親からの愛情を確かめたい、独り占めしたい」という思いがあるようです。
なるほど。以前のようにママやパパからの関心が失われたと感じてしまっているのですね。
ですが、実際に親からの愛情が足りないわけでもないですし、子どもも親を困らせたくてこのような行動をしているわけではありません。赤ちゃん返りは、子どもが親との絆を確認しながら成長していく一つの過程であり、どの家庭でも起こることなのです。
赤ちゃん返りした子どもへの接し方
不安を抱える子どもに対して、どのように接すればよいのでしょうか?
赤ちゃん返り自体は悪いことではありません。子どもの心に寄り添い、安心させてあげることが大切です。以下で4つの方法をご紹介しつつ、よくある質問にもお答えしていきますね。
1.スキンシップをたくさんとる
子どもは抱きしめられることでリラックスし、たっぷりと愛情を感じることができます。普段、ママの腕の中は赤ちゃんに占有されがちです。だからこそ、意識して上の子を抱きしめてあげる時間を増やしましょう。
赤ちゃんを抱っこしている時、上の子に「抱っこ!」と何度もせがまれたらどうしたらよいですか?
抱っこができない状況で抱っこをせがまれると困ってしまいますよね。抱っこができない時は、手をつないだり頬に触れたりなど、日頃から十分なスキンシップをとることで、抱っこの欲求が収まることもあります。
2.独り占めできる時間をつくる
上の子がママとパパを独り占めできる時間を作ってあげると、その特別感から不安な気持ちが収まることもあります。親族に協力してもらったり、地域のファミリーサポートセンターなどのサービスを利用して下の子を預け、上の子と1対1で関わる時間を作ってみるのも良いでしょう。
また、ママやパパのどちらか一方と二人きりで思い切り甘えられる時間を意識して作るだけでも、上の子の気持ちは満たされます。
二人目の子が産まれてから、上の子の寝つきが悪くなり、寝かしつけることが大変になって困っている、という場合はどうしたらいいでしょうか?
その場合も、上の子が寝る前に、1対1で過ごす時間を作ると安心して眠れるかもしれません。お気に入りの絵本を読んだり、抱きしめてあげたり、充分に気持ちを満たしてあげましょう。
3.要求にできるだけ応える
上の子にとっては、赤ちゃんにママを取られた寂しさや、「お兄ちゃんお姉ちゃんにならなくては」というプレッシャーがストレスとなっているかもしれません。「ママからもっと注目されたい!」という思いが幼い言動となって現れていると考え、わがままもとことん聞いてあげましょう。
「わがままを聞いてばかりでは、自分勝手な子に育ってしまうのでは…」と心配されるかもしれませんが、甘えたい気持ちを理解して満たしていけば、子どもの心も自立へと向かいます。
ママもパパも時々リフレッシュしながら、子どもの気持ちを受け止められるよう心がけていきましょう。
家事や授乳をしている時、上の子から何度も「見て見て!」と言われてしまったときは、どのように関わったらよいですか?
何度も言われるとついつい受け流してしまいがちですが、その都度”目”だけでなく”心”も向けてあげましょう。子どもはちゃんと見てくれたことで満足し、自分の遊びに戻っていきます。
4.幼いと思って接する
今まで出来ていたことができないと「お兄ちゃん・お姉ちゃんなのに」「今まで出来ていたのに」と怒りたくなってしまうこともあると思いますが、子ども達も不安やストレスの中でとても頑張っています。少しハードルを下げて、実際の年齢よりも幼いと思って接してあげると、お互いに気持ちが楽になるでしょう。
最近はあまりしていなかった「おねしょ」を再びするようになってしまった、という話も聞きます。
赤ちゃん返りによって、せっかく進んでいたトイレトレーニングが中断…、なんてこともあり得ます。おねしょやおもらしが増えることもあると思います。必要に応じておむつに戻すなど、お互いにストレスにならないように対応していきましょう。
ついわがままな行動やできなくなったことばかりに目がいってしまいそうですが、「甘えたいのかな?」「寂しいと伝えているのかも?」と、その行動に至る子どもの気持ちに寄り添ってあげるとよいのですね。
まとめ
子どもは変化に敏感だからこそ、兄弟の誕生という大きな変化に対し不安になってしまうのはごく当たり前のこと。上の子は、その不安を赤ちゃん返りとして私たちに伝えてくれています。
赤ちゃん返りが見られたら、スキンシップをとったり、ママやパパを独り占めできる時間を作ってあげたり、なるべく要求に応えてあげましょう。もうお兄ちゃん・お姉ちゃんなのに…と思わず、まだ幼いと思って接してあげると、子どもも安心して少しずつ自立の方向に戻っていきます。
今は家族の信頼関係を築く時間だと考え、温かく見守っていきましょう。
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この記事を書いた人
長野県立大学健康発達学部こども学科1年の学生ライターです。大学では日々保育について勉強中。少しでも子育ての役に立つような情報をお届けしたいと思っています!