クーイングしないのは大丈夫?言語聴覚士に聞く乳幼児の言葉の発達について

生後3か月を過ぎたのに、赤ちゃんがなかなかクーイングしなくて不安になっていませんか?

一般的に個人差が大きいと言われる子育て。とはいえ、周りの赤ちゃんと比べて焦ったり、病気の可能性が浮かんで心配になったりすることもありますよね。

そこで今回は、言語聴覚士の北山先生に「クーイングしない理由」「クーイングを促す方法」について教えていただきました。疑問を解消して、子どもとの時間を楽しみましょう!

言語聴覚士 北山先生
長野県出身。大学より小児医療分野に関わることを目指して言語聴覚士の資格を取得。実習では小児分野を多く経験し現在は脳外科に勤務しながら子育てポケットに参画している。2児の母。

そもそもクーイングとは?

山岸

北山先生、以前は「喃語(なんご)」について教えていただきありがとうございました。パパママたちから、「不安が和らいだ」という声も届いています。

山岸

以前の「喃語」は、発声の第二段階ということでしたね。今回は、第一段階である「クーイング」について詳しく教えてください!

北山先生

はい!よろしくお願いします。
クーイングとは、唇や舌を使わずに発する声のことを言います。「coo(クー)」には“鳥の鳴き声”という意味がありまして、音がハトの鳴き声に似ていることからその名前が付きました。

言葉は意思を伝える方法ですが、クーイングは一種の発声練習のようなもの。初めの頃はあまり意思や意図はなく、赤ちゃんがリラックスしているときに発することが多いです。

山岸

クーイングと喃語の違いは何ですか?

北山先生

クーイングと喃語は似ているようで、実は全然違います。 先ほどおっしゃっていたように、クーイングは発声の第一段階で、喃語は発声の第二段階になります。

クーイングは喉からそのまま発せられるもので、柔らかな声で「あー」「うー」「んー」などの声が出ます。
一方、喃語は唇や舌を使って発するもので、鼻濁音も入ってきます。「だーだーだー」などの長い声や「ばぶー」など、一般的によくイメージされるいわゆる赤ちゃんらしい声が出せるようになります。

体の成長に伴い、喃語の方がはっきり声を出せるでしょう。喃語が出せると、次は言葉を話すようになります。

北山先生

生後3~6か月くらいから、クーイングが喃語に移行し始めます。

山岸

なるほど!クーイングと喃語は全く違うのですね!クーイングが始まる時期はいつ頃ですか?

北山先生

クーイングの始まりは、おおよそ生後2か月ごろです。声帯が発達することで、声が出やすくなります。赤ちゃんによっては1か月で始まることもあり、個人差が大きいです。

山岸

生後0か月でクーイングが始まる子もいると聞きました。なぜでしょうか?

北山先生

通常よりも早いと戸惑いますよね。発達が早い子の場合、1か月前(3~4週目の0か月)にクーイングが始まることもまれにあります。赤ちゃんの成長は母子手帳通りではなく、やはり個人差が大きいのです。

最初のクーイングは赤ちゃんが声を出そうとしているのではなく、たまたま息を出すときに声が出たことから始まるケースもあります。
偶然出たクーイングに、周囲にいる親や兄弟が「すごいね」「ん?嬉しい?」など反応することで、クーイング頻度が増えることもありますね。

なかなかクーイングしないけれど大丈夫?

山岸

一方で、生後3か月が経っても赤ちゃんがクーイングしなくて不安、という親御さんの声も聞きます。

北山先生

通常よりも早いと戸惑いますよね。発達が早い子の場合、1か月前(3~4週目の0か月)にクーイングが始まりますが、中にはクーイングをしない子もいます。クーイングを一切しない子が、いきなり喃語を発することもあるので、問題はありません。ご安心くださいね。

時々クーイングの声がとても小さく、近くにいないと聞こえないケースもあります。耳を澄ましていると「っん」「くぅー」など、かわいい小さな声が聞こえるかもしれません。

北山先生

クーイングをしないこと自体は問題ではありませんが、コミュニケーションに応答があるかどうかはチェックした方がよいでしょう。

例えば、あやしたら泣き止む、子守唄を歌うとじっと聞く、話しかけたら笑うなどの反応があるようなら、発達の遅れは心配ありません。

けれども、反応が薄くて気になるようであれば、小児科で医師に相談しましょう。発達障がいが心配でしたらこちらの記事もご覧ください。

山岸

「クーイングし始めたと思ったら、全然しなくなりました」という声もあります。なぜでしょうか?

北山先生

2つ理由が考えられます。
1つは「クーイング期間がとても短い子」のケースです。クーイングをしない子や、期間がとても短い子もいます。

2つめが、「反応がないのでやめる」ケースです。クーイングをしても親や周囲の大人が一切反応をしないと、つまらなくてクーイングをしなくなることも考えられます。「あー」と赤ちゃんがクーイングしたら、周りの大人が以下のように反応してあげるとよいでしょう。

  • 「あー」と同じ言葉を繰り返す
  • 「そうなのね」「うん、うん」と声を出してリアクションをする
  • 「すごいね」「上手だね」と褒める
北山先生

単純に繰り返すだけでも構いませんので、赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しみましょう。

山岸

クーイングを増やすためにはどうしたらよいですか?

北山先生

まずは積極的に話しかけてください。「いい天気だね。ぽかぽかで気持ちいいね」「すっきりしたね。キレイキレイだね」など、コミュニケーションを増やすことで促せます。

話しかける際には、ゆっくりと穏やかな声で抑揚をつけましょう。そうすることで赤ちゃんが聞き取りやすくなるため、マネもしやすいです。

北山先生

クーイングはご機嫌なときやリラックスしているときに出ることが多いので、赤ちゃんにマッサージをしながらの会話もおすすめです。

クーイングが多い赤ちゃんの特徴

山岸

クーイングが多い赤ちゃんは、将来おしゃべりになるのでしょうか?

北山先生

クーイングの量がそのまま将来の性格に結びつくわけではありません。クーイングが少ない子がおしゃべりな子になることもあり、その逆もまたしかりです。

クーイングすることで周りの大人が反応してくれるから、赤ちゃんも頻繁に発しているのかもしれませんね。

まとめ

もし3か月を過ぎてクーイングしなかったとしても、焦らなくて大丈夫です。コミュニケーションに赤ちゃんが反応するのなら、まったく問題ありません。

発声の第一段階のクーイングを通らず、第二段階の喃語から始まる子もいます。他の子と比べて不安になることもあるかもしれませんが、子育ては個人差が大きいので、焦らずにどっしりと構え、赤ちゃんのペースで成長を見届けましょう。

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この記事を書いた人

山岸裕始
子育てポケット編集長。
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