【津波ごっことは?】保育士に聞く!遊びを通じて学ぶ緊急時対応

近年、日本全国で大小さまざまな地震が頻発しています。「自分が近くにいない時に、地震や津波に子どもが巻き込まれるのではないか?」という保護者の恐怖は、計り知れません。

ですが、正しい知識と準備があれば、子どもたちが自分で自分を守る行動を起こすことができます。

最近、子どもたちの遊びの一つに「津波ごっこ」というものがあることをご存じでしょうか?

「不謹慎では?」と思われるかもしれませんが、子どもたちが自然災害に対する興味や知識を持つことは大切です。

そこで今回は、学生ライターの山田が現役保育士の林部先生に、遊びを通して子どもに地震や津波の危機感や初動を学んでもらう方法についてインタビューしました!

ゆうき先生
みらいく早苗町 副主任
林部ゆうき
2歳児クラスの担任をしています。 子どもの目線に立ち、それぞれの思いを受け止めたり、共有することを大切にし、後ろ向きな感情にも一緒に向き合いながら寄り添う保育をしています。 日々子どもたちに刺激をもらいながら、楽しく保育をしています。

子どもがごっこ遊びをしている時の心理

yamada

先日、公園で子どもたちが楽しそうに「ごっこ遊び」をしている姿を見て、微笑ましく感じました。子どもたちはごっこ遊びを通して、どのようなことを学んでいるのでしょうか?

ゆうき先生
林部先生

子どもたちは「ごっこ遊び」を通して、普段の生活で感じたことや知ったことを再現し、社会的なルールや人との関わり方、感情の伝え方など、さまざまなことを学びます。

相手の気持ちを感じ取る練習や、自分の思いを上手に伝える力を育てる場として役立ちます。

また、不安やストレスを、遊びを通して表現することも大切な経験となります。

yamada

子どもたちがごっこ遊びをする中で、大人たちが手助けできることはありますか?

ゆうき先生
林部先生

まずは子どもたちの遊びに心から関心を持ち、子どもの興味や好奇心による行動を温かい気持ちで見守ることが大事です。

ただ、安全面や他の子どもたちとの関わりにおいて注意が必要な時は、適切にサポートしてあげましょう。

例えば、子どもたちが高さのある遊具を利用してごっこ遊びをしようとしている時、その危険性を理解していない場合があるため、保護者または保育士は適切な使い方や安全に関するアドバイスをしてあげるべきです。

ゆうき先生
林部先生

また、子ども同士の関係でトラブルが発生した場合、適切な距離を保ちつつ、助言や対話を通じて問題を解決の方向へ導くサポートが必要です。

yamada

子どもたちの遊びに込められた意味や学びを深く理解し、適切な場面でサポートすることが大切なのですね。

「津波ごっこ」とは?子どもに伝えるべきポイントもご紹介

yamada

「津波ごっこ」をする親と子どもを見かけたことがあるのですが、一体どのように遊ぶのでしょうか?

ゆうき先生
林部先生

遊びの導入としては、大人が「津波が来るよ!」という合図を出して、子どもたちに高い場所、例えば遊具の上や段ボールで作った山などへ素早く避難するように指示します。

お家の中であれば、家の中で一緒にどこが一番安全か避難場所を探します。

例えば、窓から離れた場所や、丈夫な家具の下などです。

yamada

遊びを通じて経験することで、子どもたちが実際の津波の際にどのような行動を取ればよいか、自然と身に付けられそうですね。

ゆうき先生
林部先生

その通りです。大切なのは、早く、そして安全に避難することです。

この基本的な意識を「津波ごっこ」を通して育てていくことが、子どもたちの命を守る第一歩となります。

yamada

保護者は、地震や津波といった危機的状況を想定した遊びを通して、具体的に子どもたちにどのような知識を伝えるべきでしょうか?

ゆうき先生
林部先生

「津波ごっこ」を通じて、特に以下の3つのポイントを伝えることが重要です。

1.高い場所への避難すること

津波は低い場所を襲いやすいため、高い場所へ逃げることが命を守る鍵となります。

2.すぐに避難すること

地震を感じたら、すぐに避難行動を開始することが大切です。

3.家の中の安全地帯の事前確認

家の中でも津波の影響を受ける可能性があるため、安全な避難場所を知っておく必要があります。

子どもたちへの効果的な情報提供の仕方とは?

yamada

では、子どもたちに地震や津波に関する情報を伝える際、どのように説明すると効果的でしょうか?

ゆうき先生
林部先生

以下の点に気を付けて説明すると効果的です。

1. わかりやすく、具体的に

子どもたちは抽象的な表現よりも、具体的な例を挙げた方が理解しやすいです。

例えば、「地震が来たら頭を守ってテーブルの下に隠れる」と明確に伝えるとわかりやすいです。

2. 恐怖を煽るような表現は避ける

子どもたちは情報をそのまま受け取りやすく、恐怖を感じることが大人よりも強い場合があります。

恐怖心を持ってしまうと正確な行動が取れなくなってしまう可能性がありますので、「大きな津波が来て家が壊れるかも」といった恐怖を煽るような表現は避けましょう。

ゆうき先生
林部先生

「津波が来たら、高い場所に逃げる」といった具体的な行動を中心に伝えるとよいでしょう。

3. 実際に遊びながら繰り返し伝えることで、身に付けさせる

情報を一度だけ伝えるより、遊びを通して何度も繰り返し伝えることで、子どもたちはその知識を身体感覚と共に身に付けやすくなります。

「津波ごっこ」などの遊びを取り入れて、日常的に練習することがおすすめです。

yamada

具体的なアクションを伝え、日々遊びを通して練習させることで、子どもたちがイメージしやすく、実際に行動する際も迷わないで済むのですね。

まとめ

今回は保育士の林部先生から、「津波ごっこ」という遊びを通して、震災時・津波時の初動を子どもに学ばせる方法について教えていただきました。

ごっこ遊びは、子どもたちにとってただ楽しい時間というだけではなく、生きる上での大切な知識や価値観や自己表現方法を学ぶ機会でもあり、さらには緊急時の対応を訓練できる場でもあるのですね。

私たち大人ができることは、子どもたちの遊びに興味関心を持って温かく見守ることと、安全面で危険がありそうな時はすぐにフォローすることだということもわかりました。

子どもたちが安全で楽しい環境で学び、災害時も素早く行動ができるよう、日々サポートしていきましょう!

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この記事を書いた人

yamada
山田怜奈
長野県立大学グローバルマネジメント学科2年の学生ライターです。こどもについてもっと知っていきたいです!

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