多くの子どもにとって、おそらく初めての式典となる保育園入園式。七五三を迎える前に行われる節目となる行事で、全国にある保育園の約半分近くが入園式を行っています。
「子どもの晴れ舞台!」と張り切るパパママも多いかもしれませんが、事前に準備するものや持ち物について、こんな疑問はありませんか?
「服装自由というところもある中で、入園式にはどのような服装で臨めばいいんだろう?」
「2歳ぐらいであればまだしも、0歳や1歳の子どもはどんな格好をすればいいの?」
そこで今回は、入園式の目的や準備、当日の流れ・マナーについて、ひかる先生にインタビューしました!子どもたちが笑顔で保育園生活をスタートできるよう、しっかり準備をしておきましょう。
ひかる先生
幼いころからなりたかった保育園の先生になり二十数年間、市立の幼稚園、認定こども園、企業主導型保育園に勤務し、担任や主任を務めています。”Going my way”をモットーに、自分らしく保育の仕事を楽しんでいます!
目次
保育園の入園式の目的
初めまして!学生ライターの山田です。まずは。保育園の入園式の目的について教えてください。
保育園入園式とは、保育園に新しく入る子どもと保護者たちが入園する際に行われる式のことです。
入園式は、これから一緒に生活していく先生や他の園児たちとの顔合わせのために行っています。小学校や中学校の入学式のように、堅苦しいイメージのものではありません。実際の式では泣いてしまうお子さんもいるので、職員一同、和やかな雰囲気で行えるように心がけています。
式というと堅苦しいイメージがあったのですが、楽しい生活が始まることを感じてもらえるよう、工夫してくれているのですね。
保育園の入園式の日取りと当日の流れ
入園式の日取りや、当日の流れについて教えてください。
入園式は4月が一般的
式は4月に実施する保育園がほとんどですが、日にちはバラバラで、4月の初旬~下旬までさまざまです。引っ越しや他の保育園からの転園で途中入園される方の場合は、翌年の進級の際に行ったり、歓迎会として別の形で行ったりすることもあります。
園によっては3歳未満児の入園式は行わずに、年少さんに上がった際に行う園もあるようです。
入園式の当日の流れ
入園式の実施時間は、子どもたちが落ち着いて参加できる時間を考慮し、およそ30分~1時間程度です。まず、新しく入る子どもと保護者たちが入場してから、園長先生や理事長のあいさつがあります。
その後、来賓などの祝電や祝辞を披露し、職員紹介を行います。保育園にすでに通っている園児たちが、歌やお遊戯などの発表で出迎える場合もあります。子どもと保護者たちが退場し、入園式は終了です。
保育園の入園式の一般的な流れ
- 入園する子どもと保護者の入場
- 園長や理事長のあいさつ
- 来賓あいさつ、祝電・祝辞の披露
- 職員紹介
- 園児による歌やお遊戯発表
- 入園する子どもと保護者の退場
園によっては一旦退場し、子どもたちをクラスごとに集め、集合写真を撮る場合もあります。その時、保護者に一緒に写真に入っていただくケースもありますし、近くに待機してもらうこともあります。
入園式の準備
入園式の準備については、どのようなことに気をつければよいでしょうか?
まず、式の日程をしっかり確認しましょう。また、式に必要な子どもたちの制服や保護者の服装などを用意することも忘れずに行ってください。園のご案内を見て、あらかじめ参加人数を確認しておくことも大切です。
入園式の服装
入園式の服装はどのようにすべきでしょうか?
保護者の服装
入園式は服装自由と書いてある場合が多いです。しかし、実際に参加するとわかりますが、ほぼ全員がフォーマルなスーツを着用されています。
お祝い事ですので、女性はパールのアクセサリーを身に着けたり、コサージュを胸に刺したり、綺麗な色のパンプスやバッグで華やかさを出していらっしゃいます。お父さんも、バッグやネクタイなどを明るめの色にしてみるのもよいかもしれないですね。
子どもの服装
お子さんの格好はどのようなものが最適でしょうか?
園児は年齢によって恰好が変わります。
0~1歳児の服装
0~1歳児は、なるべく普段着に近い服装をおすすめします。
この年齢のお子さんは、人見知りや場所見知りをすることが多いです。普段と違う格好をすると、それだけでイヤになってしまう子もいるので、日常的な恰好をすることで、落ち着いて入園式に参加できると思います。
ただ、やはり式典なので、「少しはおしゃれな恰好をさせたい」と思う保護者もいらっしゃるでしょう。その場合は動きやすいものを選び、ヘアクリップや柄物のネクタイなどの小物で工夫してみてください。
ロンパースも、最近はデザイン性が高いものも多く販売されています。フリルやレース付きのもので華やかにするのもよいでしょう。
2歳児以上の服装
2歳児以上のお子さんには、大人と同じようにジャケットやベスト、ブラウスやワイシャツ、ワンピースといった、普段着よりお出かけ用のフォーマルな感じのものを選ぶとよいです。
4月は比較的過ごしやすい時期ではありますが、寒い日の場合は、羽織れるものがあった方が何かと便利です。
毎年、黒やグレー・茶色やベージュなど落ち着いた色でまとめているお子さんが多いです。こちらもカチューシャやネクタイなどの小物で飾ると、より式典らしさを出すことができます。
入園式当日にこころがけること
入園式当日に気をつけた方がよいことはありますか?
会場には早めに到着
保育園の入園式は、和やかな雰囲気の中で子どもたちの入園を祝う行事です。お子さんが会場に慣れるためにも、早めに会場に到着して、式が始まる前までに静かに座席につきましょう。
式中は、子どもたちが泣いたり走り回ったりすることもありますが、お子さんに強く注意する必要はありませんので、堅苦しくならなくても大丈夫です。
なるほど、気軽な雰囲気で楽しめるように心がけますね。他に注意すべきポイントはありますか?
子ども・保護者同士のコミュニケーションの場に
入園式は、子どもたちや保護者同士の最初のコミュニケーションの場でもありますので、「こんにちは」「はじめまして」と自然に挨拶ができるよう、リラックスを心がけましょう。
無理にフォーマルな態度を取らなくてよいです。周囲にあいさつをすることで今後のコミュニケーションが円滑になりますので、忘れずに行いましょう。
入園式当日の持ち物
入園式当日に、必要な持ち物はありますか?
① スリッパと袋
入園式は、室内で行われることが大半です。もちろん土足厳禁ですので、スリッパや上履きなどを必ず持参しましょう。
園によってはスリッパを用意してくれているところもありますが、その後の参観日などでも使うことになるので、ご用意されておくと後々も安心です。
入退場や入園式の後に説明会があるなど、移動が多い場合はスリッパを袋にしまえた方がよいので、袋も一緒に持っていきましょう。
② 大きめのバッグ
保育園の入園式では、園から保護者様にたくさんの書類や資料をお渡しする可能性が高いです。ノートパソコンが入る程度の少し大きめのバッグを持っていくと重宝します。
③ 筆記用
入園式の最中は、あまりメモをとる場面がないかもしれませんが、その前後では連絡を伝達することも予想されます。さらに、書類に記入する場面もあるかもしれません。メモ帳、ボールペン、シャーペン、消しゴムなど、最低限必要な筆記用具は持っていきましょう。
④ オムツの替えとおしりふき
小さなお子さんの場合は特に、普段と違う雰囲気に緊張してしまうことも多いです。オムツの替えとおしりふきは必ず持参してください。
⑤ ビニール袋
ごみを捨てたい時や、子どもの気分が悪くなった時に役立つのがビニール袋です。万が一のために、必ず2枚ほど持っていきましょう。
⑥ 撮影機器
入園式の会場は狭いため、ビデオカメラ自体の持ち込みは許可されていても、三脚はお断りしているケースが多いです。
もしビデオカメラを購入予定であれば、ハンディタイプで軽量のものがよいでしょう。ただ、今はスマートフォンのカメラを使用されている方が多い印象です。
園によっては撮影自体が禁止となっている場合もあるので、撮影に関しては事前に園からの案内を確認しましょう。
⑦ 子どもが好きなもの
普段と違う慣れない状況で、落ち着きがなくなって泣き出すお子さんもいらっしゃいます。そんな時のために、お子さんのお気に入りのおもちゃや絵本などをいくつか持ってくると役立ちます。
保育園に入ってから園に持ち込むのは禁止の場合もありますが、入園式の際にはお持ちするのもよいかと思います。
園長先生からメッセージ
保育園入園式について、大変参考になりました。最後に、園長先生からのメッセージをお願いします。
保育園入園式は、子どもにとっても保護者にとっても、保育園生活をスタートするための大切な式です。子ども以上に保護者がドキドキするかと思いますが、保護者の方の普段と違う様子が子どもにも伝わるので、保護者の方々がまず楽しんで参加してください。
また、保育園での生活が始まってからも、保護者の方々が明るくお子さんを送り出していただけると、こちらもありがたいです。
まとめ
「初めての式典は、準備万端にして臨みたい」と思われている保護者の方が多いはずです。今回は、園長先生に保育園の入園式についてお話を伺いました。
入園式は、子どもたちが保育園での生活をスタートするための大切な式です。不安なこともあると思いますが、ぜひ前向きな気持ちで子どもたちを応援してあげましょう!
保育園での生活が始まってからも、親御さんが保育士とのコミュニケーションを積極的にとっていただければ、きっと普段も安心して預けることができると思います。ぜひ、保育士や他の保護者の方との交流を大切にしてくださいね!
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この記事を書いた人
長野県立大学グローバルマネジメント学科2年の学生ライターです。こどもについてもっと知っていきたいです!