初めて子育てに取り組むパパは、「新生児のお世話はなんだか怖い」「自分にできる新生児の育児って何なのだろう」と感じることもあるかもしれません。
そんな新米パパたちに知っておいてほしいのは、“パパの方が向いている育児もある”ということです!ぜひこれを身につけて、ママからもお子さんからも頼られるパパを目指してみてはいかがでしょう。
そこで今回は、子育てのファーストステップとしておすすめの育児技術やポイントを、現役保育士のみき先生に教えていただきました。
みき先生
地元の公立園で10数年勤務し、みらいくに入職して3年目になります。 保護者の方の気持ちに寄り添い、大切なお子さまの成長を共に喜び合いながら日々保育をしています。
パパに向いている育児とは?
初めて子育てする新米パパからは、「新生児のお世話は怖いし、ママの方が上手だから……」とためらいの声をよく耳にします。
初めての子育てに不安や戸惑いは付き物ですね。
では、これから紹介する“パパの方が向いている育児”から挑戦してみてはいかがでしょうか?
パパの方が向いている育児とは、どういった育児なのでしょうか?早速教えてください!
新米パパにぜひやってほしい育児の中でも、①沐浴(生後1か月ごろまでのお風呂)②抱っこ③家事とお買い物を取り上げたいと思います。
この3つはは産後のママには負担の大きい、力が必要な育児です。
産後のママの身体は、全治2か月の交通事故と同じくらいダメージを受けていると言われています。
しかしながら、ママたちは自分の体を労わる暇なく、出産直後から強制的に子育てがスタートしてしまうのです。
見た目でわからなくとも、産後の痛みや疲労感を我慢しながら育児をしていることも少なくありません。
中でも沐浴や抱っこは、腰にも負担のかかる育児であるため、産後のママよりもパパが適任の育児と言えます。
それでは、①沐浴②抱っこ③家事とお買い物についてそれぞれ詳しくお伝えしたいと思います。
1. 沐浴(生後1か月頃までのお風呂)
沐浴は、赤ちゃん用の小さな浴槽を使い、生後1か月ごろまで行います。
赤ちゃんにはミルクの飲みこぼしや排泄物の汚れがついていることが多く、匂いや皮膚炎の原因になるため、丁寧に洗ってあげることが大切です。
大人と同じ浴槽ではダメなのでしょうか?
生後1か月までは、ベビーバスを使うのが適切です。
大きな浴槽にはレジオネラ菌などの雑菌が発生しやすく、皮膚のバリア機能が未熟な新生児はその影響を受けやすいという理由が一つです。
もう一つは、小さな浴槽の方が場所やタイミングを選びやすいため、新米パパにとっても赤ちゃんを洗いやすいのです。
沐浴にはさまざまな方法があるのですが、お湯の中で顔から全身まで洗う方法を紹介します。
準備物
【沐浴中に必要なもの】
- ベビーバス
- からだと頭を洗うためのせっけん
- 洗面器
- ガーゼ
- 沐浴布
【沐浴後に必要なもの】
- バスタオル
- オムツ
- 着替え(肌着・上着)
- 保湿剤
準備
- ベビーバスを洗浄する
- お湯をベビーバスの8割くらい入れる(お湯が少ないと洗いづらい)
- バスタオル・オムツ・着替えはすぐに着替えられるように広げておく
手順
- 衣服を脱がして、足からお湯に入れる
赤ちゃんを入れる前に、パパの肘をお湯につけて湯温の確認をするとよいでしょう。赤ちゃんのお腹に沐浴布をかけて、首の後ろとおしりを支えながらお湯に入れます。沐浴布はなくてもよいのですが、あると赤ちゃんが落ち着きやすいです。
2. 顔を洗う
おしりを支えていた方の手を外し、ガーゼをお湯に浸します。片手で首の後ろを支えたまま、目⇒おでこ⇒鼻の下⇒あご⇒顔全体と拭いていきます。
3. 頭を洗う
石鹸を手に取り、頭を洗います。水に浸したガーゼで石鹸を流します。最後に、よく絞ったガーゼで水分をとってあげると頭が寒くなるのを防げます。
4. 全身を洗う
首の後ろを支えながら、もう片方の手のひらに石鹸を手に取り、首から足の指の間までをなで洗いしていきます。首・手のひらの中・股部・しわなどは汚れや脂がたまりやすい上に、洗い忘れがちです。指の腹で丁寧に汚れを落としてあげましょう。
5. 背中を洗う
赤ちゃんをうつ伏せにして背中を流す方法もありますが、仰向けの状態のまま背中側に手を入れて洗うのでも十分ですよ。おしりはおむつかぶれになりやすいため、洗い残しがないようにしましょう。
6. お湯からあげて、水分をふき取る
沐浴布をどけて、首の後ろとおしりを支えながらお湯からあげます。広げて置いたバスタオルに寝かせます。
7. 保湿
乾燥した状態は、おむつかぶれ等皮膚炎の原因になってしまいます。お風呂の後はいつもより乾燥しているため、保湿までが沐浴と考えて必ず保湿しましょう。
ベビースイミングがあることからもわかるように、もし赤ちゃんが一瞬水に潜ってしまっても、一大事になることはありません。
うつ伏せにして背中を洗う時は、顔が沈んでいないか注意する必要がありますが、基本的にあまり怖がらずに沐浴に挑戦してみてください。
2. 抱っこ
実は、抱っこも重要な育児です。
言葉が話せない赤ちゃんにとっては、抱っこを始めとしたスキンシップが、パパやママと信頼関係を築くうえで大切なコミュニケーションだからです。
赤ちゃんは泣くのが仕事と言われるように、一日に何度も泣きます。しかし、産後のママが3キロ程の赤ちゃんを泣く度に抱っこしてあやすというのは大きな負担です。
そんな時にパパが抱っこしてくれて、さらには寝かしつけてくれたとなれば、ママもパパのことを心強い存在だと感じてくれるはずです。
抱っこには縦抱き・横抱き・肩抱き・ひざ抱きなどいろいろな方法があります。
肩抱きは首の座っていない新生児も安定しやすい抱っこです。横抱きは赤ちゃんの顔がよく見えるので、こちらもおすすめの抱っこの方法です。
肩抱き
① 赤ちゃんの頭が後ろに倒れないよう、片手で頭と首を支える
② もう片方の腕に赤ちゃんを座らせるようにして、おしりを支える
【ポイント】
- 胸に寄りかからせる
- 赤ちゃんの両足がМの形になるようにする
- 赤ちゃんの手が肩にかかるくらいの位置
赤ちゃんの体が伸びている状態だと、抱っこが安定しません。
背中が丸まっていて、両ひざがおしりより上の位置で曲がっている姿勢だと、泣き止みやすいですよ。
横抱き
① 赤ちゃんの頭を片方の肘で支える
② もう片方の腕で赤ちゃんのひざ下を支える
③ 腕で丸いカゴを作って、その中におしりがすっぽり収まるイメージで支える
【ポイント】
- 赤ちゃんの脚が両方とも伸びていない
- 背中がカーブしている
抱っこのし過ぎは、よくないのでしょうか?
一歳頃までは“甘やかしすぎる”“抱っこしすぎる”といった心配はいりません。
むしろ、赤ちゃんのうちにたくさんスキンシップを取り、受け入れてもらう経験を重ねることが、今後の安定した心の成長につながります。
また、この時期は何をしても泣き止まないということもよく起こります。
泣き止まない赤ちゃんをあやし続けるのは、心も体も消耗するものですので、ママとパパで交替したり静かな場所で休憩したりしながら上手く付き合っていけるとよいですね。
3. 家事やお買い物
洗濯やお風呂洗い等の家事も、産後のママにとっては大変ですよね。
そうですね。体力的な負担を考慮して、上手に家事を分担できるとよいですよね。
この時期のママは、赤ちゃんの夜間授乳によって睡眠不足に悩まされていることも多いです。パパが積極的に家事に取り組むことで、その分休む時間を確保できるということもあります。
また、お買い物はぜひパパにお願いしたいお仕事です。
特に赤ちゃんが生まれたばかりの頃は、赤ちゃんを連れて外出するというのがとても大変です。
ゴミ捨て場までごみを持っていくのでさえ赤ちゃんを連れていかなければいけないので、準備に大変手間がかかります。
お買い物をはじめゴミ捨て・郵便局やATMなどのちょっとした外用も、新米パパの重要な役割だと思います。
家事やお買い物は誰もが経験のあることなので、育児のファーストステップとして踏み出しやすいですね。
新米パパの育児上達のヒント
これまで、新米パパにぴったりな育児について教えていただきました。今後子育てをしていくにあたって、育児が上手くなるポイントはありますか?
新米パパから一人前パパを目指すなら、目標を決めてみてください。おすすめの目標は、「1日、赤ちゃんと二人でお留守番」です。
一日お子さんと過ごすとなると、オムツ替えや食事の用意・おもちゃで遊ぶ等、さまざまな育児をパパひとりの力でできるようになる必要がありますね。
そうですね。二人きりでお留守番と聞いてハードルが高いと思う方もいるかもしれませんが、その分、達成できると父親としてものすごい自信になります。
私の周りでも、赤ちゃんと二人で過ごすことができるパパが増えたと感じます。
私がママの立場なら、自慢したくなるパパですね。
また、ある程度赤ちゃんのお世話を覚えてきたパパも、一日一緒に過ごしてみると「お出かけの準備が何か足りない・・」「これは食べてもよいのかな?」とわからないことや新たな発見が多いはず。
他にも、「赤ちゃんと二人でおでかけができるようになる」「寝かしつけを極める!」など、ご自身の働き方や得意不得意に合わせて、目標を立ててみてくださいね。
このように少しずつ明確な目標をクリアしていくことで、新しいお世話にも挑戦してみようと思えるようになり、子育てスキルも磨かれていきますね!
まとめ
今回は、新米パパの育児を後押しするべく、“パパの方が向いている育児“を保育士のみき先生に教えていただきました。
初めての子育てで「ママの方がきっと上手だし・・」と育児に後ろ向きだったパパも、今回解説した【沐浴・抱っこ・家事やお買い物】といったパパが活躍しやすい育児に挑戦してみてください。
産後のママは、初めての育児で慣れない中、夜間授乳によって心身不安定なことも少なくありません。だからこそ、夫婦で協力して育児をしていけるとよいですね。
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この記事を書いた人
長野県立大学健康発達学部こども学科の学生ライターです。大学では日々保育について勉強中。少しでも子育ての役に立つような情報をお届けしたいと思っています!