言語聴覚士が教える!4歳児の言葉の成長と発達のサポート

子どもの成長を感じる瞬間は、親にとって驚きと喜びに満ちています。

特に言葉の発達は、その子の個性や知性を知る重要な方法となります。そして4歳という年齢は、言語能力が大きく成長する重要な時期です。

この記事では、4歳児の言葉の発達について、専門家である言語聴覚士の北山先生にお話を伺い、日常会話の理解から記憶力がどう発達していくか、模倣と学習のバランスまで詳しく見ていきます。

また、言葉の発達に遅れがある場合の原因と対処法、言葉が早い子どもへの適切な対応、そして言葉の獲得を親が支援する方法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

言語聴覚士 北山先生
長野県出身。大学より小児医療分野に関わることを目指して言語聴覚士の資格を取得。実習では小児分野を多く経験し現在は脳外科に勤務しながら子育てポケットに参画している。2児の母。

 4歳児のおしゃべりはどこまで成長するの?

小川

早速、4歳児の言語発達について教えていただけますか?

言語聴覚士

4歳くらいになると、語彙数は1500~2000語とも言われ、日常会話を理解し日常で起きた出来事を自分の言葉で伝えられるようになります。

また、簡単な物語を語ることも可能になってきます。

「か行」「た行」など発声しづらい発音もハッキリしてきます。

あと、数字に興味を持ち始めます。1から10まで数えられるようになるのも4歳くらいが多いです。

小川

そうやって成長していくのですね。日常会話の能力に加えて、記憶力の発展についてはどうでしょう?

言語聴覚士

「昨日○○したね」とか「明日○○するね」など過去や未来についての話もできるようになってきます。

また、「靴を履きながら歌を歌う」「話を聞きながら絵を描く」など、二つのことを一緒にできるようになってきます。

小川

では、言葉への好奇心や模倣と学習のバランスについてはどうでしょうか?

言語聴覚士

4歳以前も大人のマネをして言葉などを学ぶのですが、4歳児は語彙力も増えて新しい言葉に対して更に興味を持ち出します。

最初は意味がわからなくても使い始め、徐々にその意味を知りたがります。

好奇心を育み、言葉の学習を自然に促すためにも子どもたちとわかりやすい言葉で多くの会話をすることが大切です。

4歳児における言語の遅れの原因と対策

小川

続いて4歳児の言語の遅れに関する原因と対応策について伺いたいと思います。

まず、どのようにして4歳児の言語の遅れを見分けることができるのでしょうか?

言語聴覚士

遅れの原因としてはこちらも参考にしてみてください。

言語聴覚士

特に、4歳児さんにおける言語の遅れは、主に日常会話の能力や新しい言葉の学習能力において顕著になります。

例えば、年少さん、年中さんになると同年齢の子どもたちが使う基本的な文を理解したり話したりするのが難しい、または単語の発音(「か行」「た行」)が明らかに不明瞭なことも一つの指標にしてもらえるとよいと思います。

小川

そういった場合、親はいつ専門家に相談すべきなのでしょうか?

言語聴覚士

親が子どもの言語発達に懸念を持つ場合、子どもの自己肯定感が著しく下がり、おしゃべりが嫌いになる前に早めに専門家に相談することをお勧めします。

相談先はお住まいの自治体によっても違うので、園の先生、センターの発達相談窓口、保健師さんなどに相談してみてください。

小川

では、家庭環境が言葉の発達にどのような影響を与えるのでしょうか?

言語聴覚士

子どもは大人のマネをしながら言語を獲得するので、家庭環境は言語発達に非常に大きな影響を及ぼします。

親や兄弟姉妹との日常的な会話、読み聞かせ、そして言葉遊びなど、言語に富んだ環境が重要です。

子どもが言葉を使って遊び、新しい言葉に触れる機会が多ければ多いほど、言語能力の発達によい影響を与えることができます。

習得の早い4歳児の言葉の乱れ、どう対応する?

小川

言葉の獲得が早い子どもが言葉の乱れを見せる場合、どのように対処するべきでしょうか?

言語聴覚士

4歳のうちの言葉の乱れは、語彙力が増え、好奇心からいろいろな言葉を使っているだけなので、程度にもよりますが注意しすぎる必要はありません。

言って欲しくない言葉は優しく、「〇〇という言い方しようね」など違う表現を使うように促してください。

もし、使って欲しくないような強い言葉の場合は、その言葉を使われたら「嫌な気持ちになるよ」「〇〇ちゃんに使って欲しくないよ」と伝えるようにしてください。

また、間違った文法や表現を使った場合は、正しい文法などでさりげなく伝える程度でよいです。

小川

親がモデルとなる言葉遣いの重要性についてはどうでしょうか?

言語聴覚士

大人が子どもたちに対して正しい言葉遣いのモデルとなることは非常に重要です。

しかし、実際の生活場面において常にお手本となる言葉遣いをするのは大変だと思います。

まずは、初歩的なことでいうと挨拶や、ここだけは大切にしていきたいポイントを大人が考えて、お子さんの言葉遣いを考えるきっかけにできたらよいと思います。

楽しみながら言葉を育むための遊びと学びの融合

小川

楽しみながら言葉を育む、遊びと学びの融合についてもお話しいただければと思います。

まず、子どもの言葉の発達を促す遊びの重要性について教えてください。

言語聴覚士

遊びながら学ぶことは子どもの言語発達にとって非常に効果的です。

遊びを通じて子どもたちは新しい言葉を学んだり、会話のスキルを自然な形で練習したりします。

特に、言葉遊びやおままごとやストーリーテリングは、言語能力の向上につながります。

小川

記憶力や思考力を高める言葉遊びにはどのようなものがありますか?

言語聴覚士

例えば、パズルやブロックがあります。

言葉を使った遊びとしては言葉集めゲーム、同じ言葉(同音異義語)ゲーム、物語を作っていくようなゲーム、連想ゲーム、わたしは誰でしょうゲーム、答えを合わせようゲームなどがよいと思います。

4歳児に対しこれらのゲームは、子どもたちが新しい語彙を学び、論理的思考を養うのに役立ちます。

今回は有名なゲームをあげましたが、子どもたちと一緒に新しいゲームを作っていくのも効果的です。

好奇心旺盛で、たくさんの言葉を獲得し始めた4歳児にとって、遊びを通じて楽しみながら学ぶことが発達においてもよい影響があると言えます。

まとめ

今回のインタビューを通じて、4歳児の言語発達における基本的な知識を学ぶことができました。

言語の発達は、単に単語や文法を学ぶこと以上の意味を持ち、子どもの社会的、感情的、知的成長に密接に関連しています。

特に印象的だったのは、遊びを通じた言語学習の重要性です。遊びは子どもたちにとって自然な学習形態であり、言語能力の向上に効果的な手段となることが明らかになりました。

また、言葉の早い子どもや言語発達に遅れが見られる子どもへの対応についても、具体的かつ実用的なアドバイスを得ることができました。

言葉の発達は、子どもたちが世界を理解し、自分の感情や考えを表現する手段です。

子どもたちの言葉の成長をサポートするために、私たちはその手段を最大限に活用して、子どもたちの成長を支えていけるとよいですね。

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この記事を書いた人

小川愛海
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