乳歯も大事!虫歯の原因と予防法を保育士に聞いた

多くの人は、「乳歯はいずれ抜けるから、虫歯になってもそこまで心配しなくても大丈夫だろう」と思いがちです。しかし、このような考えは、実はお子さんの将来のお口の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

そこで今回は、子どもの虫歯がなぜ深刻な問題となるのか、保育士の高田先生にお話を聞きました。

乳歯の健康は、永久歯の健康に大きく影響を及ぼし、お子さんの健やかな成長に不可欠です。

この記事を通して、子どもの虫歯や予防に対する理解を深め、お子さんの口内環境を守りましょう!

やよい先生
みらいく高田副主任
高田やよい先生
みらいくに入職して5年。 2人の子育てをしながら働いています。自身の子育てに悩みは尽きませんが、かわいいみらいくの子どもたちに癒されながら、毎日愛情120%!!楽しく過ごしています。

そもそもどうして虫歯になるの?

高田先生、虫歯がどのようにして起こるのか、教えていただけますか?

やよい先生
やよい先生

虫歯は、主に口内に存在する細菌が食べ物から糖分を摂取し、それをに変えることから始まります。

この酸が歯の表面、特にエナメル質を徐々に溶かし、最終的には穴が開きます。

小川

それでは、虫歯の主な原因には何があるのでしょうか?

やよい先生
やよい先生

虫歯の原因はいくつかありますが、大きく分けて3つ挙げられます。

虫歯の原因

  • 食生活
  • 口内環境
  • 遺伝的要素

まず、食生活ですね。甘い飲食物を多く摂ると、細菌が酸を生産しやすくなります。

次に、口内環境があります。例えば、十分な唾液がないと、酸を中和する力が弱まり、虫歯リスクが上がります。

やよい先生
やよい先生

そして、遺伝的要素も関係しています。歯質が弱い、あるいは唾液の質が悪いというのは、遺伝的に決まることもあるのです。

小川

食生活、口内環境、遺伝的要素、それぞれが虫歯のリスクに影響を与えるのですね。

子どもが大人より虫歯になりやすいのはなぜ?

小川

子どもは大人に比べて虫歯になりやすいと聞きますが、具体的な理由はなんですか?

やよい先生
やよい先生

いくつかの要因が組み合わさって、子どもたちは虫歯になりやすい状況にあります。

食事やおやつの回数が多いため

やよい先生
やよい先生

まず、子どもは甘いものを好むことが多いですし、食事やおやつの回数も多いですよね。

これが糖分を好む細菌、特にミュータンス菌などの餌となり、酸を生成して歯のエナメル質を溶かし、虫歯を引き起こします。

小川

細菌の影響がそんなに大きいのですね。

やよい先生
やよい先生

はい、その通りです。さらに、唾液が重要な役割を果たしています。

唾液は口内のpHバランスを保ち、食べかすを洗い流すことで再石灰化を助けます。

ですが、就寝前に甘い飲み物を摂ることで夜間の唾液の分泌が減り、酸の影響を受けやすくなります。

口内ケアが難しいため

小川

乳幼児期の口内ケアの難しさも関係していると聞きましたが?

やよい先生
やよい先生

乳幼児は自分できちんと歯を磨くことが難しいですし、親が手伝うにしても、子どもが嫌がることがあります。

加えて、親から子への細菌の移行も、子どもの虫歯リスクを高める一因となります。

小川

なるほど、子ども特有の食生活や生活習慣、そして乳幼児期の口内ケアの難しさが虫歯につながるわけですね。

ミュータンス菌を減らして虫歯を予防しよう

小川

先ほどのミュータンス菌についてよく耳にしますが、これは具体的にどのような菌で、なぜ虫歯予防において問題とされるのでしょうか?

ミュータンス菌とは?

やよい先生
やよい先生

ミュータンス菌は虫歯の主要な原因菌で、糖分が口内にあると活発に増殖し、酸を生成します。

この酸が歯のエナメル質を溶かして虫歯を引き起こすのです。

ミュータンス菌は大人から移ることがある

特に重要なのは、赤ちゃんは生まれたときにはこの菌を持っていませんが、大人からの口移しやキスを通じて移されることがあること。

従って、ミュータンス菌の量が多いほど虫歯リスクが高まります。

小川

つまり、親が子どもに無意識のうちにミュータンス菌を移してしまう可能性があるのですね。

やよい先生
やよい先生

そうです。

そのため、親自身の口内環境のケアも子どもの虫歯予防には非常に重要になります。

正しい口内ケアが重要

正しいブラッシング技術の習得や、フッ素を含む製品の使用、そして定期的な歯科検診がミュータンス菌の量を減らし虫歯を予防するための鍵となります。

歯科医院での検診やクリーニングでは、初期の虫歯を見逃さず、またミュータンス菌の活動を抑えることができます。

子どもにとっては、歯科医院を定期的に訪れる習慣をつけることが、一生のお口の健康につながります。

小川

フッ素は使わない方がよいという記事を見たことがありますが、どのようにお考えですか?

やよい先生
やよい先生

フッ素に関しては、確かにさまざまな意見があります。

フッ素は適切に使用すれば、歯質を強化し、虫歯の予防に役立つと言われています。

しかし、過剰に摂取するとフルオローシス(フッ素中毒)を引き起こす可能性があり、この点が懸念されることがあります。

特に小さな子どもの場合は、使用する量や濃度に注意が必要です。ですが、歯磨き粉の適量使用や、専門家の指導の下でのフッ素塗布など、適切な方法であれば虫歯予防に非常に効果的です。

やよい先生
やよい先生

重要なのは、フッ素を安全に使用するための正しい知識と方法を理解することです。

フッ素に関して不安があれば、使用前に必ず歯科医師に相談することをお勧めします。

詳しくはこちらの記事でも歯科医師さんが説明しているのでご覧ください。

小川

正しいブラッシング、フッ素使用、そして定期的な歯科検診がミュータンス菌を減らし、虫歯を予防する鍵となるわけですね。

乳歯の虫歯が多いとどうなる?

小川

乳歯に虫歯が多い場合、永久歯にどのような影響があるのでしょうか?

また、乳歯の健康が全体の口内健康にどう関わってくるか教えてください。

やよい先生
やよい先生

乳歯の虫歯は、見た目の問題だけでなく、実は子どものお口の健康全体に大きな影響を与えます。

乳歯に虫歯が多いと、その痛みや不快感が食事や話すことへの影響を及ぼすだけでなく、永久歯の発育にも悪影響を及ぼす可能性があります。

まず、乳歯の虫歯が永久歯に与える影響ですが、虫歯が進行し乳歯が早期に失われると、永久歯が生えるスペースが狭くなり、歯並びの問題が発生することがあります。

また、虫歯の感染が深部に広がり、永久歯の芽を傷つけることもありえます。

やよい先生
やよい先生

健康な乳歯は、正しい発音の習得やかみ合わせの形成にも必要です。

乳歯が健康であれば、子どもは適切に食事を摂り、言葉をしっかり発することができ、これらはすべて子どもの健康と密接に関連しています。

やよい先生
やよい先生

だからこそ、乳歯の段階から適切な口内ケアを行うことが、子どもの健康な成長にとって非常に重要なのです。

小川

乳歯が虫歯になることの影響の大きさがよくわかりました。乳歯のケアの重要性を、改めて認識することができますね。

子どもの虫歯予防の大切さ

小川

最後に、日常生活でできる子どもの虫歯予防策について教えていただけますか?

やよい先生
やよい先生

虫歯予防は、実はとてもシンプルな日常生活の中での行動によって大きく改善できます。

まず大切なのは、食生活です。糖分の摂取を控えめにし、特に就寝前の甘い飲食物の摂取を避けることが重要です。

バランスの取れた食事を心がけ、食後は水を飲むことで口内を清潔に保ちましょう。

次に、正しい歯磨きの指導です。

子どもが自分で歯を磨く習慣をつけることは大切ですが、特に小さいうちは親がしっかりと仕上げ磨きをすることが必要です。

正しいブラッシング方法を教え、楽しい時間にすることで、子どものモチベーションも上がります。

やよい先生
やよい先生

そして、定期的な歯科診察の利用も忘れずに。専門家による早期発見・早期治療は、虫歯の進行を防ぐ上で非常に効果的です。

また、高濃度のフッ素塗布といった予防処置も受けることができます。

健康な口内環境を保つことで、子どもは快適に食事ができ、正しい発音が容易になり、自信を持って笑顔を見せることができます。

このように、子どもの虫歯予防はただ歯を守るだけでなく、子どもの全体的な健康と幸福に直接影響します。

小川

食生活の管理、正しい歯磨きの指導、そして定期的な歯科診察が虫歯予防の鍵となるのですね。そして、それが長期的な健康の保持につながるわけですね。

まとめ

今回は、虫歯の原因から、子どもが虫歯になりやすい理由、さらには予防策に至るまで、保育士の高田先生にお話を伺いました。

子どものお口の健康は、ただの一時的な問題ではなく、その後の生活全般にわたって影響を及ぼします。

早期から正しいケアを心がけ、子どもたちが健康な歯を保てるようサポートしていきましょう。

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この記事を書いた人

小川愛海
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