言語聴覚士に聞く!コロナ禍でも楽しめる子どもの遊び方と遊び場

遊び盛りの子どもを持つ親御さんにとって、コロナ禍で子どもを外で自由に遊ばせることができないのはつらいですよね。実際に、子どもの遊び場や子育て支援センターの利用も、時間や人数が制限されているケースが多いです。

そこで今回は言語聴覚士の北山先生に、「コロナ禍でも楽しめるおすすめの遊び方と遊び場」について聞いてみました!

言語聴覚士 北山先生
長野県出身。大学より小児医療分野に関わることを目指して言語聴覚士の資格を取得。実習では小児分野を多く経験し現在は脳外科に勤務しながら子育てポケットに参画している。2児の母。

おうちでできるおすすめの遊び方は?

yamada
山田

コロナ禍で「子育て支援センターがなかなか使えない」というケースが出てきていると思います。おうちでできるおすすめの遊び方はありますか?

北山先生

おうちやお庭で過ごす場合、おすすめしたいのが「発達を意識した遊び」です。

感性や言語能力の発達を促す遊び

北山先生

例えば、遊びのひとつとして「一緒に料理をしてみる」のもおすすめです。

料理は、子どもが順序立てて物事を考えるようになるきっかけを作ることができます。他にも、炒める時の“ジュージュー”、温めたら“フワフワ”など、料理する過程をオノマトぺ(擬音語や擬態語)で表現してみせて、感性や言語能力の発達を促すこともできます。

北山先生

火や包丁を使うにはまだ幼い年齢の子どもの場合は、食材をチャック付きビニール袋に入れて混ぜる工程を手伝ってもらうなど部分的に経験させるだけでも、楽しい遊びや食育になります。

子どもと一緒に料理をすることは、家族にとって大事な時間であり、言語聴覚士の視点から見ても発達を意識した遊びができますので、おすすめです。

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運動能力の発達を促す遊び

「体を使った遊び」や「細かい手作業の遊び」は、日常にも取り入れやすいのでおすすめです。

北山先生

例えば、室内でお子さんと一緒に親子体操をしてみるのはいかがでしょうか?

親子体操はYouTubeにもあるので、一緒に見ながらやってみるのがいいでしょう。マンションやアパートの方は難しいかもしれませんが、ジャンプやダンスをすることもおすすめします。

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北山先生

手作業の遊びとしては、ビーズやブロック遊びなどがあげられます。うちの子は3歳くらいから指を使う遊びをしていて、器用にできるようになってきました。

使うおもちゃや道具の対象年齢が高い遊びの場合は、おうちの人がしっかりとそばで見守りましょう。ビーズのテグスを太いものにするなど、安全性を高めてからチャレンジさせるといいですね。

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北山先生

言語能力の発達と運動能力の発達は結びついているので、別々に考えなくても大丈夫です。

細かい動きが言語の発達につながりますし、逆もしかりという風になります。この機会に、おうちならではの経験をたくさんさせてみてはいかがでしょうか。

テレビやネットのゲームで遊ぶことはよいのでしょうか?

yamada
山田

おうち時間が長くなると、どうしてもテレビやネットのゲームをする時間が増えてしまうというご家庭も多いかと思います。ゲームに関しては、どのように考えるのが良いでしょうか?

視力低下やゲーム依存に注意

北山先生

ゲームで遊ぶこと自体は悪いことではありません。しかし、視力への影響に加え中毒性もありますので、長時間やってよいものではないと思います。

YouTubeなどの動画も同じで、禁止する必要はありませんが、見てよいものと見せたくないものを前もって選別しておいた方がよいです。

ゲームをさせないと子どもが大騒ぎするようになるほど依存したり、親が神経質になってゲームデータを一方的に消してしまったりするような状況はよくありません。

YouTubeだけでなく、“おかあさんといっしょ“、“しまじろう”などのテレビ番組もありますので、子ども番組を参考にしながら、うまく付き合っていくことが大事です。

ゲーム依存を防ぐためには

yamada
山田

子どもがゲーム依存にならないよう工夫できることはありますか?また、もし依存状態になってしまったらどうしたらよいでしょうか?

北山先生

まず、ゲームをしてよい時間をあらかじめ決めて、子どもに伝えておくことが大切です。

もし子どもが依存状態になってしまったら、ゲームに意識がいかないように他のことをすすめるなどの対応をしてみましょう。例えば、「ママはこれがやりたいな」「ゲームだけじゃなくて他のことをしようか」というように声かけをして、子どもが別の楽しいことに意識が向くよう促してみましょう。

こんな場合は要注意!

北山先生

生活の中心がゲームになってしまう場合は、早めに対処しましょう。

例えば、夜遅くまでゲームをしていてなかなか朝起きることができない状態になってしまったら、積極的に親が介入してもよいと考えます。

生活リズムが崩れているのであれば、最初は完全に禁止するのではなく、「ゲームをやってもいいけど、朝起きて学校行けるようにしよう」という風に、優先順位をつけて徐々に生活リズムを再構築していくことが大切です。

北山先生

子どもが大きくなると隠れてゲームをしたり、反抗的な態度になったりすることも考えられ、介入の仕方も難しくなります。しかし、親がゲームやYouTubeを一方的に悪者扱いせず、子どもに寄り添いながらコントロールしていくのがよいでしょう。

公園で遊ぶ際のポイント

yamada
山田

コロナ禍でも外遊びが楽しめる場所としては「公園」がありますが、公園で遊ぶ際のポイントについて教えてください。

北山先生

公園は、日常的に使いやすい遊び場ですが、近年は安全性が確保されていない遊具なども問題視されるようになってきています。

そこで小さいお子さんには、以下のような公園遊びがおすすめです。

  • 大きく体を動かす
  • よーいどんで走る
  • 小さな子供向けの遊具を活用する
  • 感覚遊びをする(砂や草木、木の実など自然の物など)

おすすめのお出かけスポット

yamada
山田

言語聴覚士さんならではのおすすめのお出かけスポットについて教えてください。

図書館

北山先生

まずは図書館がおすすめです。本に触れさせることは言語能力発達のためにもよいことですし、最近では子どもスペースのある図書館も増えています。

もし図書館で子どもが騒いでしまうことが気になる方は、お散歩がてら図書館に行って本を借りて、おうちでゆっくり読むという形にしてみてください。週一回、図書館に行き本を借りて、返却期限までに本を読み終えるという、一連の習慣をつけられるとよいですね。

北山先生

さらに図書館では、司書さんなど公共施設の人とのやり取りもするので、子どもに社会経験を積ませることもできます。

コロナ禍で人混みは避けたいですが、可能であれば図書館で子どもが興味関心を持ったものを実際に見に行く機会を作ってみるのはいかがでしょうか。実際に博物館や動物園、水族館に行って実物を見ることによって、さらに興味関心を促すことができます。

公園などでピクニック

北山先生

近くの公園などにピクニックのように子どもとご飯を食べに行くのもおすすめです。

夏場は親御さんと一緒に熱中症対策をする必要がありますが、おにぎりやサンドイッチを食べたり、自然に触れたりして、体を動かして帰ってくるということができたらよいと思います。

親御さんが大変でない程度に、子どもが体を動かして周囲とコミュニケーションを取って言語習得もできて、お昼寝もしてくれるようになるという、一連のルーティーンを作ってしまうとよいでしょう。

コロナ禍で大変なこと

yamada
山田

北山先生ご自身が子育てをされていて、コロナ禍で大変だったことや、必要だと思った子育て支援はありますか?

北山先生

コロナ禍で子どもが外で遊びにくかったり、イベントがなくなってしまったりと、様々な人に会う機会が少なく、おうちの中でこもりがちになってしまうことが気がかりでしたね。

また、私自身も子育てしていて何か困ったときに人に頼りづらい環境となってしまったので、Zoom、YouTubeなどの配信を使って、保護者の方が外の人と交流できるような支援があるとよいなと思いました。

実際に私は乳腺炎になってしまって、3日ほど動けないことがありました。コロナ禍で三人の子どもを連れて病院に行くことも難しく困っていたところ、出張訪問でマッサージをしに来てくれる助産師さんを見つけました。

治療してもらっただけでなく、日常の相談や色々なお話を聞いていただきました。普段は割とインドアで、あまり人と喋らなくても大丈夫な方なのですが、久々に大人と他愛のない雑談をして、気持ちが楽になりました。

北山先生

自覚していませんでしたが、意外とストレスはたまっていたとわかったので、大人同士で話を聞いてもらったり、聞いてあげたりすることは必要なのだなと感じました。意識して人とコミュニケーションを取ることができる場があるとありがたいですね。

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この記事を書いた人

yamada
山田怜奈
長野県立大学グローバルマネジメント学科2年の学生ライターです。こどもについてもっと知っていきたいです!

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