赤ちゃんが大きくなってくると、「保育園や幼稚園に預けようか…、どうしよう?」と、パパとママにとって新たな悩みが生まれます。
産休中であれば復職のタイミングで自然と入園時期は決まりますが、出産を機に一旦仕事を辞めて再就職する場合は、保活や仕事探しがスムーズにいかないこともあります。
「1歳から保育園は早すぎる?」
「早いうちから預けるのは子どもがかわいそう?」
「3歳までは母親が家庭で子育てをした方がよいと聞いたことがあるけど、実際どうなの?」
色々と考えて不安になってしまいますよね。
また、0歳からと比べて、1歳から保育園に入れるのは難しいと聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。
そんな皆さんの悩みや疑問に答えるべく、1歳からの保活の現状、保育園へ通わせるメリット等を、保育士のしおり先生に伺いました。
しおり先生
埼玉の保育園に6年間勤め、結婚を機に長野へ移住。みらいく県町に勤めています。
子どもたちの気付き・発見に寄り添い、思いを受け止めながら、笑顔溢れる楽しい日々を過ごせるよう保育に努めています!
この記事を読むと以下のことが分かります。
- 1歳からの保活が大変と言われる理由
- 3歳までは母親が見るべきという説は本当なのか
- 1歳から保育園に通わせるメリット・デメリットと対処法
- 1歳からの保育園で体験できること
- 入園後に親が気をつけること
目次
1歳からの保活が大変と言われる理由
子育て中のママから、こんな質問を頂きました。
『子どもがもうすぐ1歳になるので、保育園に預けて働こうと考えています。そのことについて不安が色々あるので、教えてください。』
1歳というのは大きな節目なので、パパとママが今後の生活プランを考えていく大事な時期ですよね。初めての子育てならなおさらです。
1歳から保育園に入れるのは大変、とよく耳にします。
保育園の「1歳児クラス」に入れることは簡単ではない、という意味だと思いますが、そもそも「1歳児クラス」とは何ですか?
「1歳児クラス」とは、その年度の4月1日の時点で満1歳(1歳0カ月~11カ月)の子どもたちを集めたクラスです。1歳になりたての3月生まれの子どもから、すぐに2歳になる4月生まれの子どもまでが在籍しています。
なるほど、1~2歳の子どもたちが集まるクラスなのですね。
1歳から保育園に入れるのが大変というのは本当ですか?
確かに、0歳から保育園に預けるよりはハードルが上がるかもしれません。
なぜなら、0歳児から持ち上がりするお子さんもいるので、1歳児クラスの定員は「当初の1歳児クラスの定員-0歳児クラスからの持ち上がり人数」となり、募集枠自体が少なくなってしまうからです。
地域にもよりますが、0歳、1歳は共に待機児童は多い傾向にあります。
そうなのですね。そもそも預けられるかが心配になりますね。
自治体によっても事情が変わります。
1歳児の場合、国の配置基準では「子ども6人に対し保育士を1人配置する」と定められていますが、市町村によっては「3人に対し1人を配置」と独自に定めているところもあります。
少子化の時代になぜ待機児童?と思っていましたが、自治体によって独自の基準を設けているのも理由のひとつなのですね。納得しました。
認可外の保育施設であれば柔軟な受け入れができる可能性もあります。
認可園のみの対応になりますが、一時保育等を活用する手段もありますので、一人で悩まずに、地域の保育課などに相談してみてくださいね。
1歳から保育園に預けるのはかわいそう?3歳までは母親が見るべき?
保育園に入れようと決めても、「子どもを預けて働きたい」という気持ちと、「1歳から保育園に通わせるのはかわいそう…?」という気持ちで揺れ動いてしまうパパやママもいるようです。
実際に、私の友人のママがまさにその悩みに直面しています。
なるほど。ご友人はもしかして、家族や親戚から「3歳までは母親がしっかり子どもを見るべき」と言われたことがあるのでは?
そうです!義母が専業主婦だったこともあり、ご主人から「できる限り子どもは家で育ててほしい」と言われているようです。
赤ちゃんのときは基本ママとずっと一緒にいますから、いざ離れるとなると不安がありますよね。
親戚からも、「一番子どもが可愛い時期なのにもったいない」とか「1歳で母親から離れるのが一番子どもにとって負担が大きい」などと言われ、自分の決断に自信が持てないようです。
子どもが成長して少しずつ意思疎通がとれるようになり、ママ自身の中にも子どもと離れがたい気持ちがあり、なかなか前に進めないようです。
多くの人と関わることは子どもの成長にはプラス
祖父母世代を中心に「三歳児神話(3歳までは家庭で母親が育てるべきという考え方)」が根付いているのは確かです。ですが、実は「三歳児神話」には全く根拠がないということはご存知ですか?
もちろん、生まれたばかりの子どもが、育ててくれる人と愛着を形成することは大切なことなのですが、それが必ずしも母親でなければならない、というわけではないのです。
父親でも、祖父母でも、保育士でも問題ありません。
実際、海外の研究では、生後母親と一緒に過ごした期間の長さが子どもの将来に影響を与えていないことがわかっています。
※ 厚生労働省発行の『厚生白書』(平成10年版)にも、「大切なのは育児者によって注がれる愛情の質(中略)三歳児神話には少なくとも合理的な根拠は無い」と記載されています。
言われてみると、母親だけと長く過ごすより、多くの人と関わりながら過ごすほうが、子どもによい影響を与えられる気がします。
フランスでは、母親が育休を3年間取得できるようになった直後に生まれた子どもたちは、言語発達が遅れているという結果もあります。
家庭だけで子どもを育てると、子どもが多くの人に触れる機会が減るので、それが影響していると考えられます。
目からうろこです!子どもにとって大事なのは「しっかり愛情を受けること」であって、「母親と過ごすこと」ではないのですね。
1歳から保育園に通わせる2つのメリット
多くの人と関わりを持つことが大切、ということはわかりました。それ以外にも、子どもを保育園に通わせるメリットがあれば知りたいです!
はい、メリットをあと2つお伝えしましょう。
①家庭と保育園の二人三脚で子どもの成長を見守ることができる
1歳児は生活面でも大きく成長する時期なので、保育園では保育活動だけでなく、発達にあわせた見守りもしています。自分でご飯が食べられるように促したり、園によってはトイレトレーニングをすることを積極的に行ったりするところもあります。
食事や排泄については、家庭だけで取り組んでいると「これで正しいのかな?」と悩みがちなポイントです。保育園と家庭それぞれで成長を見守れることは、子どもだけでなくパパとママにもプラスになると思います。
家庭だけではできない経験を多く積むことができ、生活面でも先生と一緒に見守れるというのは、とても安心ですね。
私たち保育士も、常に最新の保育事情について勉強していますので、正しい知識のもと成長が見守れるというのは、パパ・ママにとって大きなメリットだと思います。
また、「一人で抱え込まなくていい」という側面もあるので、1歳児のパパ・ママには保育施設を上手に使ってほしいですね。
②バランスのとれた給食が食べられる
また、保育園は給食が出ます。栄養バランスの整ったご飯を食べられるというだけでも、パパやママが安心できるポイントだと思います。
家だとどうしても食べてくれるメニューに偏りがちという悩みもよく聞きます。
色々な食材に触れるチャンスができるのも嬉しいですね。
栄養士や調理師から「苦手な食材もこんな風に調理したら食べられました」と親御さんへお伝えしている保育園もあります。
家では食べないものも、保育園でみんなと一緒なら食べられる、ということもあるのですよ。
1歳から保育園に通わせるデメリットと対処法
保育園に通わせることのメリットがたくさんあることはわかりました。
一方で、デメリットについてはどうお考えでしょうか。
ネットの声では
- 集団生活で子どもが病気をもらいやすくなる
- 離れる時に泣かれて罪悪感に襲われる
主にこの二つをデメリットと感じている方が多いようです。
何か対処法があれば教えてください。
発熱等の急なお迎えに備え、職場や家族と連携を
確かに、同世代の子どもから大人までたくさんの人と触れ合うので、どうしても病気のリスクは高まりますね。
急な発熱や体調不良で家族に迎えに来てもらう状況も起こりえます。
そういった場合に、パパやママの職場が早退やシフト変更など柔軟に対応してもらえるところかどうか、または祖父母に迎えを頼めるか等は、入園前に確認しておきましょう。
預けることへの罪悪感は誰もが通る道
通い始めはほとんどの子が、パパやママと離れる寂しさから泣き叫んでしまいます。
そんな時に「ごめんね」「パパとママが悪いね」と悲しそうな顔をすると、子どもも余計に不安になってしまうので、笑顔でその場を離れましょう。
子どもが嫌がっているのに預けるなんて…、と罪悪感を抱いてしまいがちですが、どの親も通る道です。
慣れれば子どもも笑顔でバイバイするようになりますよ。
友人の子どもも、最初は声が枯れるまで泣き叫んでいたのに、保育園に通い始めて1ヶ月経った頃には自ら保育士さんに飛びついて行くようになったそうです。
それはそれで、ママとしては複雑…と嘆いていましたが(笑)
保育園が安心できる場所だと思ってもらえている証拠ですね。
\1歳から保育園に預けた保護者の声/
\まずは「慣らし保育」からチャレンジ!/
保育園の1歳児クラスで体験できること
保育園に1歳から預けると、園ではどんな体験ができますか?
保育園の方針にもよりますが、1歳児クラスでは以下の体験ができます。
- 歌
- お遊戯(表現遊び)
- 絵本
- 手遊び
- 制作
- 季節の遊び(プール・雪遊び)
- 異年齢児との交流 等々
さまざまな保育活動を経験する中で、1歳児は言語理解も進み、保育士の手遊びのまねも上手になります。
「お家に帰ったら知らない手遊びをしていて、成長を感じた」というパパとママの声をたくさん耳にします。
家で親と2人だけで長く過ごす場合と比べ、お出かけや遊びのバリエーションも増えそうですね。
パパやママと一対一で過ごす時間はかけがえない時間ですが、様々な人や機会に触れることができる保育園は、その分学べる言葉や遊びの種類が増えますよね。
家でさせてあげられないような経験ができるのは嬉しいですね。
\保育園での活動を動画で見て見よう/
一緒にいる時には親子の関わりをしっかり持つことが大事
1歳から保育園に通わせることについて、何か親が気をつけることはありますか?
離れている時間がある分、子どもと触れ合える時間を大切にして、しっかりスキンシップを取ることが大事です。
ポイントを3つに分けてお伝えしますね。
①保育園に行く前のスキンシップ
ポイントの一つ目は、「保育園に行く前にしっかりスキンシップをとること」です。
朝はゆとりあるスケジュールで見送ってあげてください。
慣れないうちはバタバタするかもしれませんが、保育士にパパとママが笑顔でやり取りするよう心がけましょう。こうすることで、
「パパとママは先生と仲良しなんだ」
「先生は味方なんだ」
「ここは安心な場所だ!」
と理解できます。
最初は子どもも寂しがってパパやママから離れない、泣いて嫌がるなど、かわいそうな気持ちになりますが、少しずつ慣れていき先生や友達に会うのが楽しみになり、笑顔で「行ってきます」と言えるようになります。
②保育園から帰ってきた後のスキンシップ
ポイントの二つ目は、「保育園から帰ってきた後にしっかりスキンシップをとること」です。
夕飯の準備で忙しいと思いますが、子どもも1日頑張ったタイミングです。
15分くらいの短い時間でもよいので、抱きしめたり、一緒に手遊びや絵本を読んだりして過ごしてください。
今日は何をして遊んだの?と保育園での出来事を聞いてあげるのもよいですね。
帰ってきた後にしっかり向き合う時間を作ると、子どもも安心できます。
③休日のスキンシップ
三つ目は、「休日に親子でスキンシップをとること」です。
家で手遊びをしたり絵本を読んだり、近所の公園に散歩へ行く等、パパやママと過ごせる時間を目一杯作り、楽しませてあげましょう。
大好きなパパやママと一緒にいられることは、子どもにとって大きな喜びです。
遊びの中でも、手を繋ぐ、ハグをするといった触れ合いを大事にしてください。
まとめ
ここまで、「1歳から保育園に預けるのはかわいそうなこと?」というパパとママの疑問に、保育士のしおり先生が答えてくれました。
改めてまとめると以下のようになります。
- 多くの人と関わりを持つ経験が子どもの成長につながる
- 1歳からの保活は認可外や一時保育等も視野に入れると探しやすい
- 保育園に通うメリット①家庭だけでは経験できない学びや遊びに触れることができる
- 保育園に通うメリット②家庭と保育園の二人三脚で子どもの成長を見守ることができる
- 保育園に通うメリット③バランスのとれた給食が食べられる
- 保育園に通うことで生じるデメリット2つと対処法
- 保育園に通わせていても家庭でのスキンシップを大切に!
まだ1歳のうちに離れることは、子どもだけでなくパパやママも寂しくなる瞬間があると思いますが、保育園に通わせるメリットもたくさんあることがわかりました。
子どもがかわいそうかな…と悩んでいたパパとママはぜひ参考にしてみてください。
保活を始める際は、自治体の窓口に相談したり、認可外の保育施設を探したりしながら、信頼できる保育園を見つけましょう!
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