イヤイヤ期にお悩みの親御さん必見!保育士が教える寝ない子どもの対処法

イヤイヤ期に入った子どもが、寝る時間になってもなかなか寝てくれない・・・。

そんなお悩みを持つ親御さんは多いのではないでしょうか?子どもが寝る前にイライラしたり泣きわめいたりすると、親御さんはストレスですよね。

しかし、このイヤイヤ期の寝かしつけには、意外とシンプルな原因や対処法があるのです。そこで今回は、イヤイヤ期の子どもが寝てくれない原因や、効果的な対処法、状況に応じたアプローチについて、保育士の近藤先生にインタビューしました!

子どもの成長に合わせた対処法を身につければ、親子で安心して眠れる日々が訪れることでしょう。

近藤みき先生
中野みらいく保育園 施設管理者
近藤みき先生
地元の公立園で10数年勤務し、みらいくに入職。
保護者の方の気持ちに寄り添い、大切なお子さまの成長を共に喜び合いながら日々保育をしています。

イヤイヤ期と子どもの寝つき

yamada
山田

保護者の方から「イヤイヤ期」のお子さんが寝ないというご相談をいただきました。そもそもイヤイヤ期とは、何歳くらいの時期のことを指すのでしょうか?

近藤みき先生
みき先生

イヤイヤ期とは、1歳半~3歳ごろに自己主張が激しくなる時期のことを指し、行動する前に「イヤ!」ばかり言うことから、イヤイヤ期と呼ばれています。

ピークは2歳頃であることが多く、「魔の2歳児」と言われることもありますが、正式名称は「第1次反抗期」です。自我が芽生え、自分という存在を認識し始めた証なので、とても大切な成長過程の1つです。

近藤みき先生
みき先生

イヤイヤ期が訪れたということは、「健全な成長発達をしている」と言えます。

yamada
山田

すぐ寝なかったり、寝ても夜中に起きてしまったり、イヤイヤ期のお子さんを持つ保護者の方は大変そうに思えるのですが、しっかりと育っている証でもあるのですね。日本だけでなく世界中の子どもたちもそうなのでしょうか?

近藤みき先生
みき先生

そうですね。呼び名は国によって異なるかもしれませんが、世界中の2歳児が第一反抗期を経験します。そして、第一反抗期に奮闘する保護者の姿もまた、世界中で共通して見られます。

yamada
山田

そうなのですね。

では、イヤイヤ期の子どもがなかなか寝てくれないのは、寝るのが嫌だからなのでしょうか?

近藤みき先生
みき先生

寝ること自体が嫌というよりは、もっと遊びたい気持ちがあるとか、眠る環境が自分の望み通りに整っていないなど、子どもなりの事情があるのだと思います。

子どもが寝てくれない時の対処法

yamada
山田

子どもが寝てくれない時の対処法を教えてください。

①寝る前の準備編

近藤みき先生
みき先生

まずは、寝る前の準備編です。以下の3つを実践してみてください。

1.テレビを消して、照明の明かりも落とす

これは大人に対しても言われることですが、明るい光や音の刺激を寝る直前まで浴びてしまうと、脳が活性化して興奮状態となり、寝つきが悪くなります。子どもは大人以上に影響を受けやすいので、寝る前には刺激を受けないようにしましょう。

近藤みき先生
みき先生

リラックスするために静かな音楽を流すのもよいですね。

2.寝る前のルーティーンをつくる

「これをしたら寝る」というルーティーンをつくることで、それが寝るための合図になります。

ルーティーンには、スキンシップにもなる絵本がおすすめです。リラックスできるようゆっくり読んであげてください。ただし、「何冊まで」などルールを決め、興奮しないように時間は短くしましょう。

近藤みき先生
みき先生

このように毎日行う入眠儀式があると、心も身体も「もうそろそろ寝るんだ」という準備ができ、寝つきが改善されるでしょう。

yamada
山田

寝る時だけではなく、寝る前から眠れるような環境づくりをすることが大切なのですね。

近藤みき先生
みき先生

そうですね。大人も子どもも、急に「寝なさい」と言われても難しいものです。寝る前から「そろそろ寝る時間ですよ」と教えてあげることで、身体も心も準備をすることができるのです。

3.寝る前の運動は控える

近藤みき先生
みき先生

入眠前は体を動かしすぎるもダメですね。

yamada
山田

子どもが寝る何時間前くらいから、運動を控えるとよいでしょうか?

近藤みき先生
みき先生

寝る1~1時間半前以降の運動は、控えるとよいでしょう。

眠りに入る時編

yamada
山田

次に、眠りに入る時の対応を教えてください。

近藤みき先生
みき先生

以下の2つを試してみましょう。

1.子どもの背中や頭を撫でる

スキンシップは子どもに安心感を与えます。背中や頭を優しく撫でたり、手を繋いだりするのもよいでしょう。また、足の裏を軽く揉んだり手で包んだりして、足を温めてあげるのも効果的です。

近藤みき先生
みき先生

実は、寝るためには体温を下げることが重要なんです。

これはサーカディアンリズム(生物学的な24時間リズム)の一部で、体温の変動は睡眠と覚醒を調整しています。足の裏を温めることで、体全体の熱が放出されやすくなり、結果的に体温を下げて眠りを誘うことができます。

近藤みき先生
みき先生

この体温の下降が、深い眠りに入るための身体的な準備となるのです。

2.子どもと一緒に寝る(もしくは寝たふりをする)

保護者が子どもの隣で一緒に寝ることで、子どもは安心して眠ることができます。

そのまま一緒に寝てもよいのですが、子どもが寝た後に用事をしたい場合には寝落ちしないように注意しましょう。隣で寝たふりをするだけでも、それを見た子どもは眠ろうとすることが多いです。

yamada
山田

なるほど、大好きな保護者が一緒にいてくれると、子どもも落ち着いて眠りやすいのですね。

近藤みき先生
みき先生

その通りです。自我が芽生え始めているとはいえ、まだ甘えたいと感じている年頃です。”イヤイヤ”と言えるのも、頼りになる保護者が側にいるからこそ。だから、思う存分甘えさせてあげてくださいね。

子どもが何度も起きてしまう理由と対処法

yamada
山田

せっかく寝付いたのに、そのあと子どもが何度も起きてしまう、というお悩みをいただきました。子どもが就寝後、何度も起きてしまう理由は何でしょうか?

近藤みき先生
みき先生

以下の3つの可能性を考えて、対応してみてください。

1.お腹がすいている

個人差がありますが、1歳半頃というのは卒乳する子どもも多いので、今まで夜中に飲んでいたミルクや母乳がなくなり、お腹がすいて起きてしまうことがあります。

近藤みき先生
みき先生

この場合は、卒乳に慣れるまでの辛抱ですので、泣くからといって母乳やミルクを再開せず、抱っこなど他の方法で再び眠れるようにしましょう。

また、夕食が足りずお腹がすいて起きてしまうこともあるので、食事量が足りているかどうかも確認しましょう。

2.昼寝をしすぎている

子どもはどんどん体力がついてくるので、今まで通りの昼寝をしていると寝すぎている場合があります。昼寝をしすぎると夜に十分な睡眠が必要なくなり、何度も起きてしまう原因になるので、昼寝の時間を短くしたり早めに起こしたりするようにしてみましょう。

3.疲れすぎている

夜に寝てほしいからと昼寝をさせなかったり、たくさん動いて疲れさせようとしたりする保護者の方がいますが、やりすぎると逆効果になってしまいます。疲れすぎると交感神経が優位になり、眠りを妨げてしまうために何度も起きてしまうのです。

近藤みき先生
みき先生

子どもの体力以上に疲れさせないように気をつけましょう。

yamada
山田

疲れすぎると逆に眠れなくなるというのは驚きました。何事も適度が大切なのですね。

近藤みき先生
みき先生

子どもの成長に伴って、適度というのも変化していきます。今までのやり方では合わなくなってきたと感じたら、臨機応変に変えていくことも大切ですね。

子どもに必要な睡眠時間と適切な就寝時間は?

yamada
山田

子どもがなかなか寝てくれなかったり、逆に寝すぎて起きなかったり・・・という悩みもあると思いますが、子どもにとって必要な睡眠時間と適切な睡眠のタイミングはどのくらいなのでしょうか?

近藤みき先生
みき先生

睡眠は心と身体の成長・発達において、決して欠かすことのできない重要な要素です。しっかりと睡眠を取ることができていないと、子どもはイライラして我慢ができなくなり、集中力や記憶力が低下し、思考力が育つことを妨げてしまうなど、心と身体の両方にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。

厚生労働省の「未就学児の睡眠指針」によると、子どもの睡眠時間に関しては、以下の内容が推奨されています。

  • 1歳未満の子どもは13〜20時間
  • 1〜3歳の子どもは11〜12時間程度
  • 3〜6歳の子どもは10〜11時間の睡眠

出典:厚生労働省「未就学児の睡眠指針

yamada
山田

睡眠は本当に重要なのですね。こちらとしても早く寝かせて子どもにしっかりと睡眠を取らせたいけれど、なかなか寝てくれないと焦りを感じてしまいます。

近藤みき先生
みき先生

その通りですね。しかし、確かに睡眠時間の確保はとても重要ですが、イヤイヤ期の子どもたちはなかなか思う通りにはいきません。

保護者の方が焦って不安を感じると、それが子どもに伝わり、さらに眠りづらくなってしまうこともあります。ですから、あまり神経質にならずに「この時間くらいまでに寝てくれたらいいな」という程度の柔軟な目安を持つことをおすすめします。

大変なイヤイヤ期を上手に過ごすポイント3つ

yamada
山田

子どものイヤイヤ期を上手に過ごすポイントはありますか?

近藤みき先生
みき先生

以下の3つのことを大事にしてみてください。

1.子どもが反抗しているわけではないと理解する

近藤みき先生
みき先生

イヤイヤ期は正式には第1次反抗期と呼ばれますが、これは子どもが親に意図的に反抗しているわけではありません。この時期の子どもは自我が芽生え、「自分で物事を成し遂げたい」という欲求が増していきます。

しかし、自分の思う通りに物事が進まないという葛藤や、まだ十分に言葉を使って自分の意見を伝えられないという不満から、「イヤ!」という反応を示すことが多くなります。

子どもが「イヤ」と言うたびに途方に暮れる気持ちや、自分が否定されているように感じることもあるかもしれません。

近藤みき先生
みき先生

しかし、それは子どもがあなたに反抗しているわけではないと理解することで、子育てをより楽しく、気持ちよく進めることができますよ。

2.できるだけ客観的な視線を持つよう心掛ける

近藤みき先生
みき先生

イヤイヤ期の子どもと直接対立すると、保護者自身も疲れてしまい、視野が狭くなりがちです。

他人の子どもに対しては冷静に接することができますが、自分の子どもに対してはついつい感情的になってしまうものです。

そこで、できるだけ客観的な視点を持つように意識することをおすすめします。

近藤みき先生
みき先生

そのようにすれば、少し落ち着いて子どもと向き合うことができるようになります。

3.子どもの感情を言葉にしてあげる

近藤みき先生
みき先生

保育園で子どもたちを見ていると、イヤイヤ期は子どもが自分の思いを言葉で伝えられるようになると自然に終わりを迎えます。

つまり、単に「イヤイヤ」と言って泣くのではなく「自分の願望を言葉で伝えることができるようになる」ということです。しかし、すぐに言葉が出てくるわけではありません。日々のコミュニケーションが重要になってきます。「自分で靴を履きたかったんだね」や「もっと遊びたかったんだね」と、子どもの気持ちを理解し、共感する言葉をかけてあげましょう。

近藤みき先生
みき先生

そうすることで、子どもは「わかってもらえた」と満足し、徐々に自分の気持ちを言葉で表現することを覚えていきます。

yamada
山田

毎日のことなので、保護者の方々は本当に大変だと思います。私だったら、「イヤ」を言う子どもにすぐに反発してしまいそうです。子どもと一緒になって理解し、寄り添っていくことが大切なのですね。

近藤みき先生
みき先生

その通りですね。全てが上手くいくわけではなく、失敗することもあるでしょう。しかし、保護者の方々は自分自身を責めて反省するのではなく、褒めてあげることも大切です。保護者がイライラすると、それは子どもにも伝わってしまいます。だからこそ、子育て中も適度にリフレッシュする時間を持つことが重要なのです。

まとめ

今回は、保育士のみき先生にインタビューし、イヤイヤ期の子どもがなかなか寝てくれない時にどう対処すれば効果的かを教えていただきました。

寝る前の準備と眠りに入る時の対処法が重要であること、さらに何度も起きてしまう場合の解決策や、適切な就寝時間と必要な睡眠時間についても詳しく知ることができました。

これらの対処法や睡眠に関する知識を活用しながら、子どものイヤイヤ期をうまく過ごして、親子共に安心して眠れる夜をお過ごしください!

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この記事を書いた人

yamada
山田怜奈
長野県立大学グローバルマネジメント学科2年の学生ライターです。こどもについてもっと知っていきたいです!

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