「栄養満点のご飯を作ってあげたいけど、時間がとれない…」
「お菓子ばかり食べて、ご飯を食べてくれない」
このような、おうちご飯の悩みにお答えします。
食事は子どもの成長や健康に不可欠ですから、バランスのとれたご飯を作ってあげたいものです。
しかし、忙しい毎日では、3食きっちり考えて作るなんて至難の業。頑張って作っても子どもが食べてくれない時には、こちらが泣きたくなってしまいますよね。
そこで今回は、一般社団法人 日本キッチン育児協会 代表理事の大口知子さんに、おうちご飯のポイントについてお聞きしました。
この記事を読むと、次の5つがわかります。
- 食事のバランスは「なんちゃって食育」で考える
- 忙しい朝におすすめのメニュー
- 子ども用メニューを大人と同じにするタイミング
- 好き嫌いへの対処法
- お菓子を食べてご飯を食べない時に試したいこと
大口知子さん
職業:(一社)日本キッチン育児協会代表理事、フードコーディネーター、ライター、簡単レシピ研究家、ゆめママキッチン店長、サポママ@ながの共同代表
食を大事にすることで自分を大事にできる子どもと大人が増えると、社会がもっと明るく幸せになるに違いないという思いで仕事をしている。
目次
キッチン育児とは
キッチン育児とはなんですか?
子どもが自力で自然と料理できるように、講座を開いて保護者の方に教えている協会です。実践は、各家庭でしてもらっています。
食を通して親子関係を良くし、子どもの自己肯定感を育むことです。
子どもが自力で自然と料理ができるように、保護者向けに講座を開いてお伝えしています。そして、おうちに帰ってお母さんに実践していただいています。
※キッチン育児は、日本キッチン育児協会が独自に作った造語です。
時間が取れない時の料理
毎日しっかりとしたご飯を作ってあげたいのですが、なかなか時間が取れず大変です。何かコツはありますか?
働いている方はもちろん、介護をしている方、お子さんが2人以上いる方など、なかなか料理に時間を割けない方が多いと思います。
そんな時は、一週間単位で考える「なんちゃって食育」を実践してみて下さい。
食事のバランスを1日ごとに考えるのではなく、一週間トータルで見て「魚を食べた、肉も食べた、野菜も食べた。だからOK」と考える方法です。
こうすると、気持ちを少し楽にできます。私も、自分の子どもが小さい時から、なんちゃって食育をしています。
「一汁三菜」の食卓は作った方が良いのか
「一汁三菜」のように、毎日の食卓をしっかり充実させなきゃいけないと思うと、かなりのプレッシャーがかかります。どうしたらいいでしょうか?
時間がなく料理ができない方や、料理が苦手な方は、無理して作らなくていいと思います。なぜなら、作り手にストレスが溜まってしまうからです。
充実したメニューを作りたい方や、実際に作れる方はやってもいいと思いますが、そうでなければできる範囲で構いません。
出前や惣菜など他者の力を借りてもいいので、気持ちを楽にすることが大切です。
子どもの朝ごはんとメニュー
朝は特に忙しく、ご飯作りが大変です。おすすめメニューはありますか?
せっかく頑張って朝食を作っても、起きたばかりの子どもに食欲がなく、なかなか食べてくれない場合があります。そうなるとお母さんも悲しいですよね。
そんな時は、シリアルがおすすめです。シリアルは栄養バランスに優れていますし、朝食に出すのも簡単です。
寒い時期でしたら、にゅうめん(温かいそうめん)がいいと思います。スープだけ作ってそうめんを入れればすぐにできます。ツルツルとして食べやすいですよ。
子どもによって、朝の食欲には差があります。「食べられない」「食べてくれない」とお互いストレスになるよりも、食べられるものを食べるのが一番です。
同じものを一生毎朝食べるわけではないので、気を楽にして、簡単にできるものに頼って下さい。
幼児食から大人と同じメニューに切り替えるタイミング
乳幼児期は離乳食なので、子ども用の食事を大人とは別に作りますが、大人と同じメニューを与えてもいいタイミングはいつごろですか?
子どもがある程度、何でも食べられるようになった頃です。
その時期におすすめしているのが、大人用と子ども用を無理に分けて作るのではなく「薄味に作っておいて、味付けは各自でする」という方法です。
調理の段階ではうんと薄味に作り、調味料セットを使って各自仕上げをします。例えば、子どもは薄味のままで、がっつり濃い味が食べたいパパはソースをかける、といった具合です。
これは子どもにとっても味覚の勉強になります。この料理に醤油をかけたらおいしかったとか、逆にこれとこれは合わなかったといった経験が、舌を鍛えます。
とはいえ、カレーなど辛いものに関しては、別々に作ったほうがいいと思います。
子どもの好き嫌いの対処方法
子どもの食べ物の好き嫌いはどうしたらいいでしょうか?
成長とともに自然と食べられるようになることもあるので、細かく気にする必要はありません。長い目で見てあげて下さい。
好き嫌いなく色々なものを食べられるのは、確かにいいことです。しかし、無理に嫌がるものをあげて子どものテンションを下げてしまうよりも、楽しい食卓にしてあげる方が大切です。
私の子どもは小さい頃トマトが苦手でしたが、大きくなったら食べられるようになりました。
当時、トマトは嫌いでもケチャップは好きだったので「トマト食べられないわけじゃないじゃん」と言ってあげました。
その一言で、「僕はトマトが嫌いだ」という思い込みをなくすことができ、成長した後にトラウマにならずに済みました。
親も子もストレスを溜めないようにして下さい。
子どもがお菓子を食べてご飯を食べない時の対処
お菓子を食べてしまってご飯を食べない時は、どうしたらいいでしょうか?
「お腹が空いたけどご飯の時間じゃない」という時に、お菓子ではなくおにぎりをあげてみて下さい。
お菓子ばかり食べてご飯を食べないというのは、おやつの時間にお菓子を食べすぎてご飯が入らない、ご飯を食べないからおやつの時間にお腹が空いてしまう、という悪循環が原因です。
3時のおやつの時間におにぎりを食べたら夕飯のお米は食べられないかもしれませんが、その時はおかずや汁物を飲んだらOKと考え、「1日3食決まった時間にしかご飯を食べちゃいけない」という固定観念を変えてみて下さい。
また、子どもに自分が食べるご飯を作らせてあげるのも一つの方法です。
「自分で作ったから」「自分で米を研いで炊いたご飯だから」という理由で食べるようになった子もいます。
お菓子のせいにするのではなく、ご飯を食べるような工夫をすると、お菓子の量が自然と減っていくはずです。
また、例えばポテトチップスなら「ポテトチップスはジャガイモだから、野菜を食べている」と考え、ちょっと気持ちを軽くしてみるのもいいと思います。
先生からのメッセージ
子育て中のお母さんたちは、日々いっぱいいっぱいで大変だと思います。
だから、「栄養あるものを作らなきゃ」とか「朝ご飯もちゃんと作らなきゃ」と気負うのではなく、「一週間の中であれもこれも食べられたからOK」「好き嫌いがちょっとくらいあっても大丈夫」と、少し気持ちを楽にできたらいいなと思います。
まとめ
ここまで、一般社団法人 日本キッチン育児協会 代表理事の大口知子さんにお聞きしたことをお伝えしました。
改めてまとめると、以下の通りです。
・食事のバランスは1日ごとではなく一週間単位で考える
・朝はシリアルなど簡単なメニューに頼ってもいい
・大人と分けるのではなく、同じメニューを薄味で作り、仕上げは各自で
・好き嫌いは長い目で見て、深刻に考えすぎない
・お菓子を食べてご飯を食べない時は、おやつにおにぎりをあげる
・作り手のストレスフリーが一番。笑顔で食卓を囲むのが大事
子どもの成長と健康のために、ぜひ参考にしてみて下さい。
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