この記事では、1歳〜4歳までのお子さんがいるお母さんに、今抱えている悩みを伺い解決方法を専門家に伺ったことをお伝えします。
悩みに答えて下さるのは、長野県立大学 健康発達学部 こども学科 准教授の金山美和子先生です。
この記事を読むと、次の4つが分かります。
- 食べ物の好き嫌いが多い子どもの対処方法
- 子どもに自分から身支度をしてもらう方法
- 子どもにゆとりを持って接する方法
- 子育ての相談ができる場所を見つける方法
上記に1つでも思い当たる点がある場合は、具体的な解決方法やヒントが見つかるはずです。このまま続きを読み進めてみて下さい。
こども学科 准教授
金山美和子先生
上越教育大学大学院 学校教育研究科幼児教育専攻修了 修士(教育学)大学卒業後、新潟県内の私立幼稚園に11年間勤務。
上越市女性相談員、上田女子短期大学専任講師、長野県短期大学講師を経て2018年より現職。
食べ物の好き嫌いが多い子どもの対処方法
子どもの好き嫌いがとても多く、野菜もお肉も食べません。好きなものは野菜ジュレで、そればかり食べてしまいます。
嫌いなものは全部投げたりひっくり返したりして怒り、「食べない」「嫌だ」ばかり言っています。
生の野菜や、茹でるなどの料理した野菜を食べさせないと、栄養バランスが崩れていくのではと不安になります。
私たち大人にも食べ物の好き嫌いがあるように、好き嫌いがあるお子さんは決して珍しくありません。
極端に食事内容が偏ったり長期的に偏食が続いたりすると、健康を害するおそれもありますが、まだ1歳です。
過度に心配せず、離乳食から幼児食に移行する途中で、色々な味や食感の食べ物に出会う機会をたくさん作ってあげて下さい。
食事をおいしく食べるための工夫も大切です。
「空腹は最高の調味料」と言われるように、たくさん遊んで気持ちがスッキリしお腹も空いている状態だと、普段食べない物を食べたり、量をたくさん食べたりすることもあります。
また、幼稚園や保育園などで集団生活が始まると、給食で他の子がおいしそうに食べている姿に刺激を受けて家では食べない物を食べたり、園の先生に励まされて食べたりするお子さんもたくさんいます。
焦らずゆっくり、長い目で成長を温かく見守ってみて下さい。
子どもに自分から身支度をしてもらう方法
保育園に行くまでの、出掛ける支度にとても時間が掛かります。
前日の夜にカゴの中に一式用意して置いておくという工夫もしてみましたが、ダメでした。
準備してあるのに「なんで支度をしないで他のことに目が行くんだろう?」と思います。どうしたら自分から動いて準備や支度ができるようになりますか?
朝は親も忙しいのに、いちいち言わなければ着替えができないのはストレスが溜まってしまいますよね。
まずは、お子さんがしっかり目が覚めている状況を作りましょう。充分睡眠をとって、朝すっきり起きるのが重要です。
寝不足のままだと、大人でもボンヤリしてゴロゴロしたくなってしまいますよね。子どもも寝不足にならないようにして下さい。
支度では、何をどの順番ですべきか目で見てわかる「身支度ボード」を活用するのがおすすめです。
身支度ボードは市販もされていますし、100円ショップに売っている文房具で手作りもできます。
ボードのマグネットを裏返して準備できた項目がわかるタイプや、クリアした項目をボードから外していくタイプなど、色々なタイプの身支度ボードがあります。
お子さんが好きな物を取り入れてみて下さい。
朝の支度を含め、生活習慣が身に付くことは「やった」「できた」という達成感や、「できるようになった」という自己肯定感を育むことにも繋がります。
ぜひ、朝の習慣をお子さんと一緒に作ってあげて下さい。
子どもにゆとりを持って接する方法
上の子に対して“まだ4歳”なのに“もう4歳”と思ってしまい、「なんでこれくらい出来ないの」とあたりがきつくなってしまいます。
どうしても「お姉ちゃんなんだから」と言ってしまいます。
先日、娘に「お母さん怒らないで」と言われてしまいました。子どもにゆとりを持って接したいのが、今の悩みです。
お子さんから「お母さん怒らないで」と言われると、イライラしている自分に対して反省してしまいますよね。
反省の気持ちも大切ですが、それよりも、毎日逃げたり投げ出したりせずに家事もしながら子どもと向きあっている自分自身を「よく頑張っているね」とたくさん褒めてあげて下さい。
それに、ついイライラしてしまうのは、ママに掛かっている負担が大きく耐えられないというサインかもしれません。
我慢をし続けてイライラした感情をお子さんにぶつけてしまう前に、早めに気分転換や休息を取り入れるようにして下さい。
家事も育児も一人で担うのは負担が大きすぎます。日頃から家族と家事や育児を分担できるようにするのが大切です。
同じように、下の子の誕生をきっかけに突然お姉ちゃんになってしまった上の子にも「よく頑張っているね」と声を掛け、ぎゅーっと抱きしめてあげて下さい。
先に生まれた子は、本人の気持ちに関わらず、下の子が生まれると自動的に上の子になってしまいます。
本人が自然に「自分はお兄ちゃんになったんだから」「お姉ちゃんなんだから」と自信や励みに思えるようになるまで、ゆっくり待ってあげて下さい。
子育ての相談ができる場所を見つける方法
子どもが生まれた時は、ちょうど1回目の緊急事態宣言が出た直後でした。
母親学級などにも行けなかったため、ちょっとした悩みを気軽に相談する場所がありません。
新しい生活様式が始まってから1年以上経ちますから、今小さいお子さんを育てている方の多くは、同じ悩みを抱えていると思います。
そんな時は、ぜひお住まいの自治体の子育て支援を活用してください。
子育て支援センターや子育て広場には専任のスタッフがいて、子どもを遊ばせながら気軽に色々なことを相談したり聞いたりできます。
また、支援センターや広場を利用する他の親子の様子を見たり、他のママと話したりすることで「自分だけじゃなくて良かった」「他の子もあんな感じなんだ」と、子育てのヒントをたくさん得られます。
感染症対策を徹底して運営していますので、ぜひ活用してみて下さい。
出掛けるのが不安な時は、オンラインを活用してみてはいかがでしょうか。
自治体の中には、オンラインでの子育て講座やおしゃべり会、助産師や保健師などの相談会を開催しているところがあります。
お住まいの自治体のホームページ等をチェックしてみてください。
私の所属する長野県立大学こども学科でも、オンラインの子育て講座やオンラインおしゃべり会をやっています。よかったらご参加ください。
まとめ
ここまで、長野県立大学 健康発達学部 こども学科 准教授の金山美和子先生に伺ったお話をお伝えしました。
食べ物の好き嫌いが多い子どもの対処方法は、次の通りです。
・色々な味や食感の食べ物に出会う機会をたくさん作る
・たくさん遊んでお腹がすいた状態を作る
子どもに自分から身支度をしてもらう方法が次の通りです。
・十分な睡眠を取りすっきり起きられる状態を作る
・身支度ボードを活用してみる
子どもにゆとりを持って接するには、次の3つを意識してみて下さい。
・お母さんが自分自身をまず褒めてあげる
・気分転換や休息を取り入れる
・家事や育児を家族と分担して手伝ってもらう
子育ての相談ができる場所を見つける方法は、次の通りです。
・近くの子育てセンターや広場を利用してみる
・出かけるのが不安な時はオンラインを活用してみる
子育て中の疑問や悩みを解決する参考にしてみて下さい。
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