1歳の子どもの日常的な遊びのひとつである「ボール遊び」。
1歳といっても、月齢によってできることが違ってきます。
「どんな風に遊ぶと楽しいのかな?」「ボール遊びをすることでどんな成長を期待できるのかな?」
そんな疑問を持つ保育学生が、保育士に詳しくインタビューしてくれました!
2人の子どもの子育ても大分手を離れ、また小さな子どもたちの成長を見守りたく、みらいくに入職して1年が経ちました。 1人ひとりの子どもに寄り添い、毎日とびきりの笑顔をもらえることに幸せを感じながら、楽しく保育をさせてもらっています。
目次
1歳児のボール遊びのねらいとは?
こんにちは!
今回詳しくお聞きしたい「ボール遊び」ですが、1歳児とボール遊びをするのには、どのような狙いがあるのでしょうか?
1歳児とのボール遊びには、遊びを通じて、次のような能力を伸ばすねらいがあります。
- コミュニケーション能力を高める
- 反射神経を伸ばす
- 空間認知能力を伸ばす
- 距離感覚や方向感覚を伸ばす
- 想像力を高める
- 腕の運動機能・調節機能の発達を促す
ボールを使った遊びを通し、友達と同じことを共有している楽しさ、保育士と関わる楽しさを知り、コミュニケーション能力が高まります。そして腕の力がついてくる1歳半頃からは、ボールを転がしたり投げたりすることの楽しさを知っていきます。
ボールは色々な遊び方ができて、コミュニケーション能力や身体機能の発達を促すねらいがあるのですね!
1歳児が楽しめるボール遊びとは?
1歳児が楽しめるボール遊びの種類について教えてください!1歳になったばかりのお子さんでもできますか?また、ボール遊びでどんな成長が促されるのでしょうか?
1歳児にとってボール遊びは一見難しいかな?と感じるかもしれませんが、保育士や友達と関わるためのアイテムとして使うのにも有効です。
1歳児が楽しめるボール遊びをご紹介しましょう。
- ボールを床に転がして取ってきてもらう
- 大きなバランスボールなどの上に寝転がらせてゆらゆらと揺らしてあげる
- 床に足を広げて座り、ボールを転がして相手の足の間に入れるゲーム
- たくさんのボールを用意し、保育士が持つ袋の中に入れる(保育士はゆっくり逃げまわる)
- バスケットボールのように、フープの中にボールを入れる遊び
- ペットボトルを立ててボールを転がして倒すボーリングゲーム
1歳児に使うボールは柔らかなものを使いましょう。また、夢中になりすぎて子ども同士がぶつからないよう、間隔を開けるよう配慮します。
1歳児のボール遊びに使うボールの選び方
1歳児とのボール遊びで使用するボールは、どのようなものを選べばいいのでしょうか?
ポイントはボールの「大きさ」「やわらかさ」「素材」の3つです。
まずは、1歳児の手に合う大きさであることが重要です。10cmくらいの大きさであれば、1歳児でも握りやすいでしょう。ただし、小さすぎるボールは誤飲のリスクがあります。口に入らない程度の大きさであることにも注意してください。
また、1歳児でも扱いやすいように、ボールのやわらかさも重視します。スポンジ製や布製など、柔らかい感触のボールを選びましょう。手でつかみやすいオーボールや、やわらかなキャンディボール、ビーチボールなどもおすすめです。
1歳児とボール遊びをする際のポイント
1歳児とボール遊びをする際のポイントについて、教えてください。
1歳児は特に、月齢による成長の度合いが全く違いますね。1歳0ヶ月の子どもと1歳6ヶ月の子ども、1歳10ヶ月の子どもでは、できることが違ってきます。
3歳未満児の子ども達に対しては、月齢を目安にすることもそうですが、その子ども一人ひとりに対して「どんなことができているか」、「まだできていなことは何か」を常に観察し、保育士同士で情報を共有し、同じ関わり方をしてあげることで、子どもの成長を促したり援助したりしています。
ボール遊びは、1歳児の「やりたい!」「遊んでみたい!」という興味や関心を引き出しながら、目と手が連動する能力や、人との関わり・コミュニケーション能力を刺激する遊びでもあります。
1まずはコロコロとボールを転がして保育士のところへ持ってきてもらうなど、「ボールを介して関わる」ということを目的にしてもよいですよね。
月齢ごとの成長・興味・関心を観察しよう
色々な1歳児と一緒に遊んでみても、興味や関心が合わなくてなかなか一緒に遊べないことがありました。1歳児と言ってもやはり一人ひとりの成長や興味・関心は違いますね。先生方はどのようなことに着目して1歳児と関わっていますか?
1歳前半だと歩き始めたばかりの子どもが多く、自分の足で移動できる喜びでよく動き、遊びます。
保育士や友達のしていることもよく見ていて、真似しようとしたり、手先の細かな運動も徐々にできるようになるので、つまんだり、持ったり、振ったりができるようになりますね。
1歳半を過ぎると、階段を上って滑り台を滑ったり、ジャンプしたり、重さのあるものを持って投げることもできるようになります。自我が目覚めてくるので、なかなかこちらの言うことが伝わらない、言うことを聞かない時期でもあります。
「やりたい」と思う子どもの気持ちをなるべく大切にしながら、色々な経験をさせて興味の幅を広げるよう保育士は意識しています。
成長を促すために様々な遊びを取り入れていくことはもちろんですが、子どもの興味・関心・成長度合いに合っているかをよく吟味することが大切です。
また、歩けるようになっていてもまだまだ不安定な子どもも多いので、怪我には十分気をつけて安全を確認し、手をつなぐなどの補助を丁寧にしています。
子ども一人ひとりの成長に合わせた遊び方を
保育士さんたちは、目安となる月齢の成長過程を踏まえて、目の前の子ども一人ひとりの成長度合いを考えながら関わっているのですね。それを保育実習の短期間で把握するのは難しいことなので、何人かの子どもに的を絞って観察したり、先生方に質問をしたりすることも大切なのだなと感じました。
その通りですね!実習に来られる保育学生さんは子どもと関わるまたとないチャンスなので、ぜひ色々な視点で観察し疑問を持ち質問をしていただきたいと思います。
ただ、保育士であっても、子どもの成長を全て把握しているわけではありません。その保育士にしか見せない表情や態度もありますし、たまたま一瞬の貴重な姿を目撃することもあります。
子ども一人ひとりの様々な成長や個性を、担任がみんなで把握し、そこからどんな関わりが必要か、どんな遊びを通して促していくのか、いつも話し合っています。
みんなで話し合って、その子どもに合った関わり方や遊びを探っていくのですね。
【年齢別】ボール遊びのやり方
0歳児のボール遊び
0歳児からでも遊べるのですか?
0歳児クラスだと、やわらかいスポンジのボールなどを使っていますね。保育士との転がし合いやボールの感触を楽しむことがメインです。
1歳児のボール遊び
1歳になると、キャンディボールを転がしたり、ゴルフのように入れたり、バウンドするボールの動きを見たりして楽しめるようになります。
バランスボールのように乗るのも楽しみますが、転倒につながるので気をつけて見守りましょう。
ボールプールで色に興味を持って、ボールをリンゴやみかんに見立てて遊ぶこともあります。色の名前から、言葉も覚えることにもつながります。
2歳児のボール遊び
2歳になると、ボールを投げる、目標物を倒すなどができるようになります。豆まきではカラーボールを投げてみるのもよいですね。口に入らないもので、力を入れると手でしっかり掴めるサイズがおすすめです。
月齢によって、さまざまなボール遊びをしているのですね。
広い安全な場所があれば、1〜2歳はお友達同士で輪になってボールを蹴り合うなどして思いっきり遊べます。ボール遊びには広い環境が必要なので、公園など安全な場所でしてください。
ボール遊びの注意点
家庭でボール遊びをする時の注意点はありますか?
狭い部屋で一度に大きなボールを人数分以上出して遊ぶと、転倒などのケガにつながります。広さに合ったボールの量にしましょう。
まとめ
1歳児がボール遊びをすることで、どのような成長を促すことができるのか、どのような種類のボール遊びがあるのか、保育士の先生に答えていただきました。
1歳児は月齢によって成長度合いにかなりの差があることや、遊び方次第で月齢の低い子どもでもボール遊びを十分楽しめることもわかりましたね。
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この記事を書いた人
長野県立大学健康発達学部こども学科1年の学生ライターです。大学では日々保育について勉強中。少しでも子育ての役に立つような情報をお届けしたいと思っています!