幼児の鼻水の原因とは?症状に合わせた家庭でできる対処法

お子さんのじゅるじゅる鼻水が長引き、不安になっていませんか?

「季節の変わり目だから?」
「それとも風邪をひき始めている?」
「ひょっとしてアレルギー!?」

と、お母さんの頭の中でいろんな疑問が目まぐるしく駆け巡っているかもしれません。
一言で「鼻水」と言っても、症状によって適切な対処法は変わります。

今回は、看護師のなつみ先生に、「幼児の鼻水の原因と対策」についてインタビューをしました。正しい対処法を知って、大事なお子さんの健康を守りましょう!

この記事を読むと、次の4つがわかります。

  • 幼児の鼻水の原因
  • 家庭でできる症状別の対処法
  • 正しい鼻のかみ方や鼻水の吸引方法のコツ
  • 鼻をかんだ後にすべきこと

子どもの鼻水で困った時、ぜひ参考にしてみてください。

みらいく高田 看護師 
なつみ先生
病児保育室「おひさま」に勤務して4年目。病気のときにも、安心して利用してもらえるように、一人ひとりによりそった保育看護を行っています。

鼻水が出る原因とは?

金子

初めまして!保育学生のしいなです。私もアレルギー性鼻炎を持っていますが、鼻をかめない赤ちゃんにとって鼻水や鼻づまりはとてもつらそうですよね。
 
Q. 子どもの鼻水が長く続いています。アレルギーを疑ったほうがよいですか?

なつみ先生

A. 鼻水が長引いても、アレルギーとは限りません。乳幼児期は風邪をひきやすい年齢です。鼻水が2~4週間続くことも珍しくありません。

とくに1~3歳の幼児は、お母さんからもらった免疫がなくなり自分自身で抗体を作っていく時期になるので、風邪をひきやすいです。この時期の子どもは、約100回風邪をひくと言われています。まずは、咳や熱など風邪の症状がないか注意深くチェックしてみてください。

なつみ先生

鼻水だけで熱や咳などの症状がなく、鼻づまりで眠れないなど辛そうな様子もなければ、少し様子を見ても構いません。パパ・ママが心配で仕方ない時や、症状が悪化した時、症状の改善が見られない時は、病院を受診してください。

一般的にアレルギーの場合は、さらっとした透明の鼻水やくしゃみ、鼻閉、目の痒みなどの症状が出ます。

アレルギーを疑う際は、鼻水が出る時期や特定の場所があるかどうか注目してください。例えば、通年出る、春先にだけ出る、外出すると出る、室内の特定の場所にいると出る、などです。鼻水がアレルギー症状であれば、アレルギーの原因を取り除くことで改善が期待できます。

なつみ先生

アレルギーの原因として多いのは、スギやひのきなどの「花粉」、ダニ、カビやほこりなどの「ハウスダスト」です。アレルギーの可能性が高い場合は、原因を探るために小児科や耳鼻科に相談しましょう。

金子

Q. 母親がアレルギー性鼻炎なのですが、子どもの鼻水が止まらないのは遺伝?と不安です。

なつみ先生

A. アレルギー性鼻炎は遺伝する可能性もありますが、必ずしも100%遺伝するというわけではありません。確かにアレルギー性鼻炎は最近増えていますが、環境の変化が大きいと考えられています。

アレルギー性鼻炎の可能性がある場合は、アレルギーの原因物質を特定する検査と、適切な治療を行いましょう。

家庭でできる症状別の対処法

金子

Q. 鼻水が続いて、子供が辛そうです。家庭で簡単にできる対処法を教えてください!

なつみ先生

A. 部屋の湿度が低いと鼻水が固まって出しにくくなるので、加湿をしましょう。入浴でも浴室内の湿気で鼻水や痰が柔らかくなり、出しやすくなります。入浴後の鼻吸いや鼻かみもしてみてください。

また、アレルギーの場合は、原因物質に触れる機会を減らしましょう。ハウスダストであれば、部屋を掃除する、布団やカバーをこまめに洗濯するなどの清潔な環境づくりが大切になります。

金子

Q. 猫を飼っています。子どもの鼻水が出ているうちは、離したほうがよいでしょうか?

なつみ先生

A. アレルギーによる鼻水の可能性も考えられるため、鼻水が長期に渡って出ているうちは離したほうがよいでしょう。必ずしも猫アレルギーによる鼻水とは限らず、猫に寄生したダニに反応した可能性もあります。

子どもと猫の距離をとるだけでなく、こまめに部屋の掃除をし、定期的に猫をペットシャンプーで洗うなどの対策も取りましょう。
もし改善しないようであれば、これからも共に暮らしていくために一度病院で相談してみてもよいかもしれません。

金子

Q. 子どもに熱はないのですが、鼻水が治るまで入浴は控えるべきでしょうか?それとも、しっかりお風呂に入れて体を温めたほうがよいですか?

なつみ先生

A. ぐったりして元気がない時は、入浴を控え、体力が消耗しないようにしましょう。

仮に熱があっても元気がある場合は、体力が消耗しない程度の短時間だけ入るのがよいでしょう。お風呂で加湿され、鼻水が柔らかくなったり、粘膜の腫れがひいて鼻水が出やすくなったりします。

アレルギーが原因の場合は、お風呂で原因物質や汗を洗い流して皮膚を清潔にすることができますので、効果的です。
入浴が難しい場合は、蒸しタオルで身体を拭いて皮膚をきれいに保ち、気分もさっぱりさせてあげましょう。

金子

Q. 外出はさせず、おうち遊びをしていたほうが治りが早いですか?

なつみ先生

A. 体温が高めだったり、風邪症状があったりしてあまり眠れていないようであれば、体力が消耗しやすいので家で過ごすのがよいでしょう。

アレルギーの原因が花粉である場合、外出することで花粉と接触する機会が増えますので、当然症状が出やすくなります。お子さんの様子を見て判断しましょう。

正しい鼻のかみ方

金子

Q.鼻水が出ても、うちの子は鼻をかめません。どうしたらよいでしょうか?

なつみ先生

A. 鼻水がかめないうちは、流れ出た鼻水をできるだけ柔らかいティッシュペーパーでこまめに拭き取ってあげて、清潔にすることを心がけましょう。

鼻水を拭いてあげるときに「おはな、フ~ンしてみよう」というふうに声がけしながら、片側の鼻腔を押さえてあげてください。鼻水をすすってしまうと、鼻の奥に鼻水が流れ込んで中耳炎の原因になることがありますので、鼻水をすすらないよう声をかけてあげてくださいね。

鼻を拭くことを嫌がる子も多いです。上手に拭けたら、たくさん褒めてあげてくださいね。
なつみ先生

「鼻から息を出して鼻をかむ」ということが幼児は難しいと思うので、少しずつ慣れさせていきます。1歳を過ぎたら、鼻をかむ練習を以下の流れではじめてみましょう。

  1. 片方の鼻をきちんと押さえて、片方ずつかむ。
  2. 鼻をかむ時には、口から息を吸う。 鼻を押し出すために、空気をたっぷり入れる。
  3. ゆっくり小刻みに、慌てず焦らさず、少しずつ確実にかむ。

鼻水の吸引方法のコツ

金子

Q. 鼻水を吸引したほうがよい時もあるとお聞きしました。何かコツはありますか?

なつみ先生

A. 子どもが鼻水のせいで母乳が飲みづらそうな時、鼻づまりで息苦しくて眠ることができない時は、鼻水の吸引をしてみましょう。一時的に、症状の改善が期待できます。

鼻水の吸引を行う際は、次の2つのポイントを意識しましょう。

①吸引器の先端(ノズル)は鼻の穴から水平方向に入れる

鼻の穴は下に向いているため、ノズルの先を上に向けてしまいがちですが、ネバネバの鼻水は鼻の穴とほぼ水平方向の一番奥、のどに近いところにたまっています。ノズルは、鼻の穴の水平方向へゆっくり入れていきましょう。

② 少しずつ角度を変えて、よく吸い取れるポイントを探す

水平方向を意識しながら少しずつ角度を変えながら吸引していると、鼻水がどんどん出てくるポイントが見つかることがあります。ポイントを見つけたら、その角度をキープして吸引を行いましょう。

鼻をかんだ後にすべきアクションとは?

金子

Q. かんだティッシュはそのままごみ箱に捨てても大丈夫ですか?

なつみ先生

A. 風邪による鼻水の場合、そのまま捨てると他の家族に風邪が移る可能性があります。蓋つきのゴミ箱にビニールをかけて、そこに捨てるのが望ましいですね。

保育園では、ごみ捨ても、自分でできることの一つとしてやってもらっています。
金子

Q. 鼻をかんだ後は、アルコール消毒をしたほうがよいですか?

なつみ先生

A. 鼻をかんだ後は、大人も子どもも手洗いをすることをおすすめします。子どもが手洗いを嫌がる場合は、アルコール消毒や除菌シートを活用して子どもの手を清潔に保ちましょう。

まとめ

ここまで、看護師のなつみ先生に「幼児の鼻水の原因と対策」についてインタビューした内容をお伝えしました。

まとめると、以下の通りです。

●1〜3歳の幼児は、自分で抗体を作るために風邪をひきやすい時期。風邪かアレルギーか、子どもの様子を注意深く観察し、必要に応じて病院に相談する。
●鼻水が出づらく辛そうな時は、部屋を加湿すること。アレルギーの可能性が高い場合は、原因物質からなるべく子どもを離すようにする。
●鼻をかむ練習は1歳頃から少しずつ始める。子どもが飲み物を飲むのが苦しかったり眠れなかったりする時は、鼻水の吸引もおすすめ。
●鼻をかんだ後のティッシュは、ビニール袋を入れたごみ箱に入れる。鼻をかんだ手は、手洗いするか消毒をして手を清潔に保つ。

お子さんの鼻水が長引くと心配になってしまうかもしれませんが、症状別に適切な対処をし、必要に応じて病院に行き相談をしてみましょう。

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この記事を書いた人

金子 詩奈
長野県立大学健康発達学部こども学科1年の学生ライターです。大学では日々保育について勉強中。少しでも子育ての役に立つような情報をお届けしたいと思っています!

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