童謡やアニメなど、子どもが喜ぶ動画が盛りだくさんのYouTube。英語や科学実験など、子ども向けの教育動画も多く、知育として活用している方もいることでしょう。
しかし、YouTubeの使い方を誤ってしまうと、依存症やネットによる悪影響のリスクもあります。
そこで今回は学生さんから、保育士のゆりか先生に、「子ども向け動画の活用方法」について大質問!
この記事を読むと、次の3つがわかります。
- YouTubeは子どもの発達に悪いのか
- YouTubeをうまく育児に活かす方法
- 動画鑑賞のリスクから子どもを守るための注意点
子どもが楽しく動画とお付き合いできるよう、1日に見せてよい上限時間や注意点を教えていただきました。
ゆりか先生
東京の乳児院で13年間勤め両親の転居を機に共に長野市へ移住。保育とは全く違う職業や、両親の介護も経験してきました。
みらいくに勤務し、7年目になりますが、子どもたちの成長に驚かされる毎日です。子どもの思いに寄り添い、共に一喜一憂しながらも、心穏やかな保育を目指しています。
目次
YouTubeは子どもの発達に悪い?
長野県立大学の金子です。私には8歳下の弟がいます。
私が子どもの頃は、公園など外で遊ぶことが多かったのですが、弟はYouTubeばかり見ています。このような習慣は、心身の発達に影響は出ないのでしょうか?
最近、YouTubeを見続けるお子さんが多いですよね。成長過程の子どもが液晶画面ばかり見ていると、ブルーライトによって眼精疲労や視力低下の恐れがあります。血の巡りも悪くなり、頭痛や肩こりも起こりやすいです。
ブルーライトは体内時計に影響を与えるため、夜になっても眠気を感じにくく、睡眠のサイクルが乱れてしまう可能性があります。
さらに、ずっと見続けていると脳細胞にダメージを与えたり、ストレスホルモンが出てイライラしやすくなったり、脳や精神面にもよくない影響を与えると言われています。長時間、液晶画面を見続けない方がよいでしょう。
もし、子どもがずっとYouTubeを見ているのなら、遊びに誘ってあげてください。
2~3歳の子どもであれば、鬼ごっこやけんけんぱなどの遊びもできますね。外に出たがらないのなら、積み木や新聞遊びなど、室内で楽しめる遊びもすすめてみてください。
1日にどの程度の時間なら、見ても大丈夫なのですか?
テレビやタブレットなど、液晶画面で見るものをすべてを合わせて、最大で1日2時間までです。
継続して見せる場合には、最大で30分までにしましょう。30分見せたら、途中で別の遊びを挟んだり、休憩させたりして、子どもの目を休ませるようにしてください。
料理や掃除の最中に見せていたら、いつの間にか1日中見るようになってしまいました。子どもが1日に何度も動画を見たがったら、どう対応すればよいでしょうか?
一方的に「もうおしまいだよ」と言われて楽しいことを取り上げられたら、子どもも嫌な気持ちになってぐずってしまうかもしれませんから、別の遊びに誘うのがおすすめです。
どのように遊びに誘ったらよいですか?
ぬいぐるみを出して「アンパンマンごっこをしようよ」と言ったり、塗り絵を用意して「どっちが上手にできるかな?」と言ったりするなど、子どもがイメージしやすい方法で誘うとよいでしょう。
子どもの目の前に遊ぶモノを見せて誘うことで、子どもも気持ちの切り替えがしやすくなります。
子どもは親を見て育つと言いますが、親はどのようなところに気をつけたらよいでしょうか?
子どもがいる前で、スマートフォンを使う頻度を減らすのがよいですね。
親や兄弟が使っていたら、おもしろそうだと興味が湧いて当然です。2~3歳であれば、子どもが昼寝をしている時間を狙ってスマホを使用するなどの配慮をしましょう。
スマホを長時間使う必要がある時は、周りの人と連携して子どもの面倒を見てもらえるとよいですね。
YouTubeを上手に育児に活かす方法
ワンオペ育児や一人親家庭では、育児のお助けツールにもなっているYouTube。今後、どのように付き合っていけばよいですか?
子どもが一人で勝手にYouTubeを見ることができないようにしましょう。
1つの動画が終わっても、次々に関連動画が再生され、延々に見続けることになりかねません。
親が忙しいと、子どもがおとなしくしてくれるからとついタブレットを渡したくなりますが、「親が一緒のときだけ見てもOK」など、家庭内でルールを設けるとよいでしょう。
You Tubeを見ることで、育児や教育面で何かしらのメリットはありますか?
はい、You Tubeの内容によってはもちろんメリットがあります。大きくは3つです。
1. 子どもの想像力を広げられること
例えば科学実験の動画では、好奇心を刺激しながら想像力を膨らませることができます。
また、家族や友達をテーマにした動画では、仲良くコミュニケーションをとる方法や、してはいけないことも学べます。
2. 歌や言葉を覚えられること
童謡やアニメの歌などを繰り返し見るうちに、自然と口ずさめるくらい覚えてしまうことも多いです。子どもも楽しみながら言葉を学習できます。
3. 身近なものの名前や概念が学べること
YouTubeの中には、ものの名前や色、数字、時間などについて解説してくれる動画もあります。見ているうちに、自然と言葉のボキャブラリーが増え、子どもの会話もスムーズになりますよ。
英語で解説している動画もありますので、幼いうちから子どもに英語教育をしたい方や、年の離れた兄弟がいて学ばせたい時にも使えますね。
このように、音楽や手遊びなど、子ども向けの学べる動画もいっぱいありますから、そのような内容を選んであげるとよいでしょう。みらいくでも、「子どもと一緒に遊べる手遊び」や「季節の行事が学べるペープサート」といった動画を出していますので、ぜひご活用ください!
子どもをおとなしくさせるため、普段ついYouTubeを使ってしまいますが、保育園ではどのようにしているのですか?
保育園では、遊びから食事などに子どもの気持ちを切り替えさせる時には「手遊び」をしています。
手遊びの中で少しずつこちらの声を小さくしていくと、「今は静かにする時なのだな」と理解して、子どもも静かになって集中してくれることもあるのですよ。
動画鑑賞のリスクから子どもを守るための注意点
子どもが変な動画にアクセスしないよう、規制したいです。
アプリの「YouTube kids(ユーチューブ・キッズ)」を利用しましょう。設定画面で子どもの年齢を入力し、視聴できる内容を制限・設定することができます。
特に小さな子どもの場合には「許可したコンテンツのみを表示」を選択することで、保護者が表示内容を管理できますので、おすすめです。
ただし、子どもにとってふさわしくない動画に100%アクセスしないというわけではありません。万が一ふさわしくない動画が出てきた時は「ブロック」を選択しましょう。次回以降は表示されなくなります。
YouTubeを見る時、どんなルールを作っておけばよいでしょうか?
まずは「1度に見てもよい数」を決め、子どもにその理由を一緒に伝えることが大事です。
大人でも、楽しんでいるときに理由なく「やめなさい」と言われたら嫌でしょう。子どもにも、納得できるようにルールと理由はセットで話しましょう。
その他、ゆりか先生の方で気をつけた方がよいと感じていることはありますか?
スマホに頼りすぎるのはよくはありませんが、家の中でパパ・ママはご飯の用意などやるべきことがたくさんあると思います。子どもにおとなしく待ってもらうため、YouTubeを利用する機会は多くなるかもしれません。
気をつけていただきたいのは、液晶画面を見過ぎないようにすることだけでなく、親子のコミュニケーションが減ってしまわないよう常に配慮することです。
動画を見せて終わりではなく、YouTubeの内容をその後の会話に繋げるなど、しっかり子どもとコミュニケーションをとることを心がけて欲しいと思います。
まとめ
「YouTubeを見せると子どもがおとなしくなるから」といって気軽に見せていると、視力や睡眠の質の低下など、子どもの心身の発達によくない影響を与えてしまいます。
けれど、動画によって言葉を覚えたり、知的好奇心の対象が増えたりするなどのよい側面もあります。1日に見てよい時間を決めて、上手にYouTubeを活用しましょう。
また、子どもとのコミュニケーションを大切にすることを忘れずに、子供が動画を見終わった後も、子どもと向き合う時間をしっかりとってくださいね。
\こちらの記事もおすすめです/
あなたの「おうち育児」を応援します!
↓みらいネット オンライン保育園はこちら↓
入園前のお子さんと一緒に、保育園の様子をのぞいてみませんか?子育てのお悩みに、保育士や看護師などの専門家が答えます!