保育士に聞く!1歳の子どものお絵かきの意味とは?関わり方のコツもご紹介

お絵かきに興味を持ち始める1歳頃。

お絵かきをするのはよいけど、ぐちゃぐちゃな絵を描くばかりで、「意味なんてないのでは?」と思っているママやパパもいるかもしれませんね。

ですが、実は子どもが描くぐちゃぐちゃ・ぐるぐるの絵の裏側には、大切な意味があります。

そこで今回は、学生ライターの金子が、お絵かきを通してわかる子どもの成長や、お絵かきへの大人の関わり方について、保育士さんにインタビューしました!

やよい先生
スクアードロン 保育指導員
やよい先生
みらいくに入職して5年。 2人の子育てをしながら働いています。自身の子育てに悩みは尽きませんが、かわいいみらいくの子どもたちに癒されながら、毎日愛情120%!!楽しく過ごしています。

1歳の子どもがお絵かきをする意味は?

金子

多くの子どもたちが大好きなお絵かきですが、特に1歳頃の子どもにとってのお絵かきは、どのような意味を持っているのでしょうか?

やよい先生
やよい先生

1歳頃の子どもたちにとって、お絵かきで遊ぶことは以下の2点の育ちにつながります。

1. 手先の感覚が育つ

私たちは絵を描く時、指や手首・肘など実に多くの動きを組み合わせながら描いています。

絵を描く遊びを繰り返し、体の動かし方を身に付けることは、身体の発達によい影響を与えます。

2. 創意工夫する力が育つ

絵を描いていると、「強く描いたら線が太くなった」「猫にも見えてきた」といった発見があります。

これらの発見から、「次はこうしてみよう」という工夫につながり、創意工夫の経験を重ねることができます。

金子

身体感覚を高めることや、創意工夫の経験はとても重要ですね。

やよい先生
やよい先生

1歳頃の子どもは、まだ「細かくものを描く」ということはできないですが、段階を経て、描けるパターンが増えていきます。

1歳頃は、まずはお絵かきをする楽しさを体験してもらうことが一番大切です。

1〜3歳でどう変わる?年齢別お絵かきの特徴

金子

子どもの年齢によって、描けるものが変わっていくのですか?

やよい先生
やよい先生

はい。お絵かきの成長には段階があります。

子どもが描いている絵を見て、「次はこれが描けるようになるかな」と予想できますよ。

以下で年齢別にご紹介していきましょう。

1歳児のお絵かきの特徴

やよい先生
やよい先生

1歳頃の子どもたちは、何かをイメージして描いているわけではありません。

絵を描くというより、手を動かすことで現れる点や線を面白がっている感覚です。

始めはトントンと点を描くことを楽しみます。次第に、ぐるぐると殴り書きのような絵に変化していきます。

先ほどもお絵かきの成長には段階があると伝えましたが、これは子どもたちの身体発達が進むことによって、変化していきます。

金子

縦線を描くには、肘と肩を同時に動かすという複雑な動きが必要なのですね。

私たち大人は無意識にやっているので気が付きませんでしたが、縦線が描けるようになるということは、子どもにとっては大きな成長の証ということですか?

やよい先生
やよい先生

はい。そのようにお絵かきを通して、お子さんの発達を知ることができます。

私は、何気ない絵も保存しておくことをおすすめしたいです。

先ほどの表のように点からぐるぐるへと描き方が変化していき、お子さんの成長を実感できると思いますよ。

2歳児のお絵かきの特徴

発達が進むと、ぐるぐるではなく、閉じたマルが描けるようになります。

これは、手の動きをしっかりと見て、始めと終わりをくっつけることができるようになるからです。

マルを組み合わせて、人の顔を描けるようにもなります。

やよい先生
やよい先生

また、2歳頃になると何を描いたのか教えてくれることもあります。

しかし、ものを参考にして描いたというよりは、後から描いたものを見て「(ブーブーに見えるなぁ、)これブーブー」と意味づけをしていることがほとんどです。

金子

始めから車を描こうと思って描くわけではないのですね。

やよい先生
やよい先生

はい。先に描きたいものを決められるようになるのは、もう少し発達が進んでからですね。

さっきは「ブーブー」と言っていたのに、後からもう一度尋ねたら「ワンワン」だった・・・ということもよくあります。

3歳児のお絵かきの特徴

やよい先生
やよい先生

3歳頃になり、さらに発達が進むと、観察する力が育ちます。

観察力が育つからこそ、例えば顔を描こうとした時、「目は2つあって、口は顔の下の方にある」など、絵に描くことができるようになります。

金子

なるほど、観察するからこそ、対象物を見てものを描くということができるようになるのですね。

1歳頃のお絵かきにおすすめの道具

金子

1歳の子どもにはどんな画材が適切なのでしょうか?おすすめの道具を教えてください。

やよい先生
やよい先生

保育園でのお絵かきと言えば、クレヨンを使うことが多いです。

以下におすすめの道具を紹介します。

もちろん、これ以外の画材でもお絵かきは十分楽しめますが、参考にしてみてください。

クレヨン

クレヨンは画材の中でも発色がよい上に、力加減の難しい幼児でも扱いやすいため、保育園でもよく取り入れています。

1歳頃の子どもは、何でも口に入れてしまいます。口に入れてしまっても安全なクレヨンも販売されているので、クレヨン選びも工夫してみてください。

大きめの紙

子どもは腕全体を大きく使って絵を描くので、A4以上の大きい紙を用意するのが望ましいです。

また、1歳頃の子どもたちはクレヨンで描くだけでなく、こすったり触ったりして遊びます。ですので、薄い紙より画用紙のようなしっかりとした紙がおすすめです。

やよい先生
やよい先生

新聞紙を下に敷いておくと、はみ出してしまっても安心ですよ。

お絵かきボード

特に1歳頃の子どもたちは、手を動かすことで線や点が現れることを楽しんでいます。

ですので、たくさん紙を使うのがもったいないと感じる方はお絵かきボードを使っても、子どもは十分楽しめます。

2歳頃からは色彩感覚も身に付ける時期になっていくので、クレヨンなども一緒に取り入れていきたいですね。

やよい先生
やよい先生

あとは、汚れてもよい服でお絵かきをすることも大切です。

お絵かきの度に汚れを落とすのが大変であれば、スモッグやエプロンを用意するのもおすすめです。

ママやパパの関わり方のポイント

金子

1歳頃の子どものお絵かきは、「楽しむことが大切」ということでした。

子どもたちが楽しいと思えるよう、ママやパパが心掛けるべきことはありますか?

やよい先生
やよい先生

ママやパパには、ぜひ子どもが自由に描く様子を見守って欲しいと思います。

具体的なポイントを3つにまとめました。

1. 無理にお絵かきをさせなくて大丈夫

「周りの子はみんなお絵かきしているのに……」と思うことがあるかもしれません。

しかし、お絵かきは何歳から始めても遅いことはありません。

もしお絵かきに興味がない様子でも、お子さんが興味を持った時に思う存分経験させるとよいと思います。

やよい先生
やよい先生

ママやパパが楽しくお絵かきする姿を見せたり、きれいな絵を描いて見せたりすると、真似っこが大好きな1歳頃の子どもは興味を持つと思います。

お子さんが点や線が描けたら褒めることも大切です。

2. たくさん褒める

1歳頃の子どもたちには、お絵かきの楽しさを感じてもらいたいものです。

ですので、ぐちゃぐちゃな絵であっても否定せず、「きれいな色だね」「たくさん描けたね」と褒めることで、自信に繋がっていきます。

3. 絵を教える必要はない

図形を練習したり、無理にたくさんの色を使わせたりして、子どもに絵を教える必要はないと考えています。

殴り書きをたくさんすることで、しっかりとした線を描くことができるようになるので、殴り書きをたっぷりさせてあげるとよいと思います。

まとめ

子どものお絵かきは、ぐちゃぐちゃな絵から始まり、点から線へ、線から丸へ成長していくとわかりました。

今までは意味がないように見えていた絵も、これを踏まえて見直すと成長を感じられるのではないでしょうか。

1歳頃の子どもたちは絵を“描く”というよりも、クレヨンの色や感触・線が現れる様子を楽しんでいます。

ママやパパは、お子さんの自由な感性による表現を見守り、たくさん褒めてあげてくださいね!

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この記事を書いた人

金子詩奈
長野県立大学健康発達学部こども学科1年の学生ライターです。大学では日々保育について勉強中。少しでも子育ての役に立つような情報をお届けしたいと思っています!

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