保育士さんに聞く!子どもが嘘をつく時、親はどう接すればよい?

“子どもが嘘をついている”と感じた時、親としてどう対応すればよいのか迷ってしまうことはありませんか?

純粋だと思っていた子どもが、自分を偽ろうとしている…。その事実に、戸惑ってしまうのも無理はありません。

しかし、子どもが嘘をつくことは成長過程の一つですので、それ自体は必ずしも悪いことではありません。むしろ、子どもが社会性を学び、コミュニケーション能力を育てている証拠とも言えるのです。

そこで今回は、子どもが嘘をつく心理的背景や、嘘をつかれた時の具体的な対応策について、保育士の小平先生にインタビューしました!

どうすれば子どもが真実を話しやすい環境を作れるのかを知り、これをきっかけにさらに相互理解を深めていきましょう。

穂高みらいく保育園 副主任
小平まほ先生
いろいろな保育園で経験を積み、みらいくに入職。子どもたちとたくさん興味や不思議さを見つけ、一緒にいろんなことに視野を広げ、たのしい保育園生活を送りたいと思います。

子どもが嘘をつくようになるのはなぜ?

yamada
山田

学生ライターの山田です!今日はよろしくお願いします。

さっそくですが、子どもが嘘をつくようになることについて、心配する親御さんが多いかと思います。そもそも、子どもはなぜ嘘をつくようになるのでしょうか?

まほ先生

まず、「子どもが嘘をつくこと」それ自体は、心配することはないですよ。子どもが嘘をつくようになることは実は成長過程の一つで、発達段階によって表れ方も異なります。子どもが嘘をつく理由について、詳しく見ていきましょう。

理由①豊かな想像力によるもの

まほ先生

例えば、3歳くらいまでの子どもが「嘘」をつくとき、それは大人が思うような意図的な嘘とは違います。

その時期の子どもが持つ豊かな想像力によって、現実と想像の境界があいまいになることがあり、それが大人から見ると「嘘をついた」ように感じられてしまうこともあるのです。

理由②怒られるのを避ける・欲しいものを手に入れるため

yamada
山田

では、もっと年齢が上の子どもが嘘をつく場合は、どのような理由からでしょうか?

まほ先生

年齢が上がると、子どもは自分の行動が他人の感情にどう影響するのかを理解し始めます。だからこそ、怒られるのを避けるため、または欲しいモノを手に入れるため、嘘をつくことがあります。

yamada
山田

思い返してみると、私も壁に落書きをした時、怒られたくなくて嘘をついたことがありました。年齢が上の子どもが嘘をつくのは、さまざまな状況を理解するようになってきた証なのですね。

 嘘をつく子どもへの適切な対応とは?

yamada
山田

では、子どもが嘘をついた時、親はどのような対応をすべきなのでしょうか?

まほ先生

まずは、ついた嘘について子どもと冷静に話すことです。

その際、怒ったり怒鳴ったりするのではなく、子どもが何のために嘘をついたのか、その背後にある動機や感情を理解しようとすることが大切です。

例えば、子どもがお皿を割ったことを隠した場合、その背後には「割ったことがばれなければ怒られないと思った」、「自分が悪いと思われたくなかった」、「うっかりした自分を責めたくなかった」など、さまざまな感情や動機があると考えられます。

まほ先生

それらを理解することで、親として適切な対応をとることができます。

子どもが正直に話せる雰囲気作りをしよう

yamada
山田

ついた嘘について子どもと冷静に話し合う時、子どもに正直に話してもらうためにはどうしたらよいか、具体的なアドバイスがあれば教えてください。

まほ先生

家では、子どもが自分の思いや感情を話しやすい雰囲気作りを意識するとよいでしょう。

親が子どもの話をゆっくり聞くという姿勢を見せることが大事です。そして、嘘をついた場合と本当のことを話した場合の違いを教えるためには、子どもにしっかりと態度で示すことを心がけるとよいでしょう。

まほ先生

例えば、次のようなケースを考えてみましょう。

  • 子どもがお菓子をこっそり食べてしまった
  • それを隠すために嘘をついている

その時、親は「お菓子がなくなっていること」を見つけ、子どもに「お菓子を食べた?」と聞いたとします。そして、子どもが「食べてないよ」と嘘をついたとします。

まほ先生

ここで大切なのは、「嘘をついたこと」と「お菓子をこっそり食べたこと」を切り離して、別の問題として扱うことです。

子どもがお菓子を黙って食べてしまったら、お腹が膨らんでその後のご飯が食べられなくなるなどの問題が出てきます。そういった問題を具体的に説明して、「今回それはいけない行為だった」と伝えます。

また、嘘をついたことについては、「お菓子がなくなっていて、○○ちゃんがお腹がすいて食べたのかなと思ったんだ。嘘をつかれると、お母さん悲しいよ。次からは、本当のことを話してほしいな」というように、伝えましょう。

まほ先生

このように、感情的に怒るのではなく「嘘をつくことがどうしてよくないのか」を丁寧に説明します。

また、子どもが「嘘をついてしまった」と正直に告白した時は、その行動をほめてあげましょう。

「正直に話してくれてありがとう。それが一番だよ」と言うように、真実を話すことの価値を伝えるのです。それによって、子どもも次回からは嘘をつかずに、正直に話した方がいいのだと理解しやすいでしょう。

まほ先生

子どもが本当のことを話してくれたのに怒ったり怒鳴ったりすると、次からまた嘘をついて隠すようになりますので、冷静に話し合えるとよいですね。

yamada
山田

家事・育児や仕事で忙しくて余裕がない時、感情を抑えるのは難しいこともありますよね。

まほ先生

確かに、難しいですよね。ですが、感情的になると悪循環になってしまいます。親御さんたちは本当に毎日大変だと思いますが、子どものためにも、日頃から余裕を持てるような環境にしておけるとよいですね。

嘘をつく子どもへの理解と指導のバランス

yamada
山田

別の例でお聞きしたいのですが、例えば、部屋が散らかっているのを子どもが犬のせいにした時はどうすればよいですか?

まほ先生

まず、子どもの気持ちを理解するよう努めましょう。もしかして部屋を片付ける気分じゃなかったのかな?など。でも、それを犬のせいにするのはよくないですよね。

その子には、「○○くんが今、片付けたくない気持ちなのはわかるよ。でも、犬のせいにするのはダメだよ。○○くんの代わりに犬が叱られてしまうかもしれないし、嘘をついたことがばれれば、これからみんなが○○くんのことを信じてくれなくなるよ。次回からは、本当のことを話そうね。片付けが大変なら、一緒にやろうね」と伝えるのがよいと思います。

yamada
山田

なるほど、嘘をついた理由に共感を示すとともに、その行為がどうしてよくないのかを伝えるのですね。

まほ先生

そうです。子どもが嘘をつかないようにするためには、親が理解し、共感を示し、指導することが大切なのです。

子育て中の親御さんへのメッセージ

yamada
山田

嘘をつかれると親御さんも悲しいですよね。そんな時、親は自分の気持の整理をどうすればよいのでしょうか?私なら、悲しくて子どものことを怒ってしまいそうです。

まほ先生

それは自然な感情ですよ。子どもが嘘をつくと、親としては信頼が傷ついて悲しくなるし、怒りを感じることもありますね。でも大切なのは、その感情を整理し、子どもたちに適切に伝えることです。

感情的になって怒ってしまった場合でも、その後抱きしめて「怒ってしまってごめんね」と伝えるのもよいでしょう。子どもも感情的に話すことはよくないこと、そうしてしまった場合はきちんと謝った方がよいということも、親の行動から学べるでしょう。

まほ先生

なぜ怒ってしまったかを正直に子どもに伝えて、フォローした後になぜ嘘がよくないのかを説明することで、子どもも理解できるようになると思います。

なぜ怒ってしまったかを正直に子どもに伝えて、フォローした後になぜ嘘がよくないのかを説明することで、子どもも理解できるようになると思います。

子育ては簡単なことではありませんが、お互いに理解し、支え合うことで、より良い関係を築いていけると思います。

まとめ

今回は保育士の小平先生に、子どもが嘘をつく心理的背景や、具体的な対応策について教えていただきました。
子どもが嘘をつくようになるのは成長の証であり、親としてはその理由を理解し、適切に対応することが大切です。

子どもが嘘をついた時に、怒るのではなく、親御さんが理解を示して冷静に指導することで、それがどんな結果をもたらすかを子ども自身に気づかせ、子どもが親に正直に話をする手助けになります。

初めて子どもが嘘をついた時、ショックで感情的になってしまうかもしれません。しかし、子どものために一旦落ち着いてコミュニケーションをとり、相互理解を深め、より良い関係を作っていくことを心がけましょう。

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この記事を書いた人

yamada
山田怜奈
長野県立大学グローバルマネジメント学科2年の学生ライターです。こどもについてもっと知っていきたいです!

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