子どもの急な発熱、心配になりますよね。
特に、まだ1人目のお子さんを育てている場合は、熱が出て辛そうにしている姿を見ると不安でいっぱいになるかもしれません。
高熱があるわけではないけど元気がなかったり、あまりご飯を食べなかったりすると病院に連れて行った方が良いのか迷う場合もあるはずです。
そこでこの記事では、特定医療法人新生病院 院長の石井栄三郎先生に急な発熱対処法についてインタビューしました。
この記事を見ると、次の6つが分かります。
- 子どもの発熱の目安
- 気をつけるべき発熱
- 夜間や休日の医療機関の受診
- 発熱を伴う子どもの病気
- 発熱時の家での手当や解熱剤の使用
- 熱性けいれんの対応
急な発熱対処法を知ることが出来るはずでなので、ぜひ参考にしてみてください。
石井栄三郎先生
長野県内の様々な医療機関で小児科医療に携わり、現在は外来診療と、難病の子どもを対象に訪問診療を行う。
小児科医のミッションは「子どもの健やかな成長と発達を支援し、立派な成人になるまで見守っていくこと」を信条に、情熱と愛情を持って診療にあたっている。
目次
子どもの発熱の目安は?
子どもの発熱の目安はあるのでしょうか?
一般的に37度5分以上が発熱、38度以上が高熱といわれています。
しかし、子どもは平熱も高いので、体温の高さだけで状態が良くないと判断するのは難しいと思います。
37度5分を超えていても、元気に遊んでいることもよくありますよね。
遊んだ後やご飯を食べたりしても熱は下がります。
ですので、静かにしているときにどれくらいの熱があるかで、判断してもらうことも大切です。
気をつけたい発熱は?
特に気をつけなければいけない発熱とは、どんな場合でしょうか?
顔色や機嫌も良く、話しかけるとニコニコしてくれるような状況でしたら、熱が高くてもそんなに心配ありません。
しかし、次のような場合は、怖い病気による症状の可能性もありますので注意が必要です。
・なんとなくぐったりしている
・呼びかけても反応が悪い
・いつもと違う感じを受ける
子どもの状態をよく見て、変化に気づけるように気をつけて下さい。
発熱が夜間や休日の場合、受診の判断は?
熱が出たのが夜間や休日だった場合、病院に連れて行く判断というのはどのようにしたら良いのでしょうか?
生後3ヶ月未満の赤ちゃんが38度以上の熱が急に出た場合、非常に怖い敗血症や髄膜炎を起こしている可能性があります。
ですので、救急病院に行く事をお勧めします。
また、次の場合に当てはまり心配なようでしたら、病院を受診して下さい。
・ぐったりしている
・意識がもうろうとしている
・吐いてしまう
・息が苦しそう
発熱を伴う子どもの病気は?
発熱を伴う子どもの病気とは、主にどんなものがあるのでしょうか?
外から入ってきたウイルスや細菌による感染症ほとんどです。
ウイルスや細菌は熱に弱いので、熱で増殖力が抑えられるということがあります。
つまり、発熱するのは、熱で増殖力が抑えようとする体の免疫反応の一種ということです。
一方で、「うつ熱」という状態の場合も発熱の原因になります。
熱中症など外気温の上昇による場合や、布団のかけ過ぎなどで、体に熱が溜まってしまう場合に発熱しますので注意してください。
発熱時、家での手当は?
熱が出たときに、家ではどんな手当てが出来るでしょうか?
熱が出ても、重症感がないようでしたら家で手当てすることもできます。次のような場合です。
・ゆっくり横に寝かせてあげる
・水分をしっかり摂らせる
・頭を冷やす
ただし、次のような場合は、少し熱を下げるために解熱剤を使ってあげると良いと思います。
・熱が上がってきてぐずって夜寝れない
・ご飯が食べられない
・水分もが摂れない
熱が長続きせずに下がって元気になるようだったら心配ないと思います。
解熱剤の使いどきは?
病院で処方してもらった解熱剤を使うタイミングの目安はありますか?
使用するタイミングは、38度5分以上あった場合が目安になります。
解熱剤の効果持続時間は、だいたい5~6時間程なので、それくらいするとまた熱が上がってしまいます。
子どもによっては、熱が上がったり下がったりして余計に疲れてしまい、嫌な思いをすることもあります。
ですので、高い熱のまま落ち着いているのなら解熱剤は使わず、そのまま様子を見るという選択も大切です。
熱はウイルスや細菌をやっつける働きもあるので、無理に熱を下げるとかえって風邪の治りが悪くなるとも言われています。
解熱剤を使ったからといって、風邪が治るわけではありませんので注意してください。
熱性けいれんを起こした場合は?
子どもが熱性けいれんを起こした場合、親もかなり焦ってしまうと思うのですがどうしたら良いのでしょうか?
熱性けいれんを起こした子は、変な方向を見て、青い顔をし、口から泡を吹くなどの症状がみられます。
このような状況を初めて見ると、親はとてもショックを受けると思います。
どの親もこの子は死んでしまうのではないかと、すごく心配になると思います。
ただ、熱性けいれんは、まだ熱を感知する脳の成熟が十分でない為に起こると言われています。
ですので、すごく心配する必要はありません。
けいれんを起こしたら、次の手順で対応してみて下さい。
1.まず平らな床に寝かせる
2.周りに危ないものが無いか確認する
3.吐いてしまう子もいるので、横に向けさせる
4.しばらくけいれんがおさまるのを待つ
数分以内でけいれんが治まって意識が戻るようであれば心配はありませんので、その場合は経過観察で良いです。
ただし、初めてけいれんを起こした場合、他にも病気が隠されている場合がありますので十分な注意が必要です。
早めに医療機関を受診することをお勧めします。
また、5分以上けいれんが続く場合は、救急車を呼んで下さい。
5分以上けいれんが続く場合、ずっとけいれんが続いてしまう痙攣重積状態になりやすいと言われています。
長く続くけいれんの場合は、初めてでも初めてでなくても、救急車を呼んで医療機関を受診してください。
まとめ
ここまで、特定医療法人新生病院 院長の石井栄三郎先生に急な発熱対処法についてのインタビューをお伝えしました。
改めてまとめると、次の通りです。
・子どもの発熱の目安は、一般的に37度5分以上
・発熱をして、いつもの状態と違う様子の場合は注意する
・生後3ヶ月未満の赤ちゃんが38度以上の熱が急に出た場合、救急病院を受診する
・発熱を伴う子どもの病気の多くは、ウイルスや細菌による感染症
・解熱剤は38度5分以上あった場合を目安に子どもの状態をみて使用する
・熱性けいれんを起こしたら、床に横向きに寝かせけいれんが収まるのを待つ。必要に応じて医療機関を受診する。
急な発熱対処法については以上になります。
急な発熱へ対応できるように参考にしてみて下さい。
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