小児科医に聞く!子どもの予防接種・任意接種を受けた方が良い理由とは

生後何ヶ月から予防接種を受けさせると良いのか、どんな種類の予防接種を受けさせると良いのか専門的な事は良く分かりませんよね。

とはいえ、病気を予防したり、仮に病気を発症しても重症化したりすることを防げる予防接種は重要です。

そこでこの記事では、特定医療法人新生病院 院長の石井栄三郎先生に予防接種の疑問についてインタビューしました。

この記事を見ると、次の6つが分かります。

  • 予防接種の現状
  • 予防接種を生後2ヶ月から始める理由
  • 複数接種について
  • 任意接種は受けるべきか
  • 予防接種を受け損ねてしまった時の対応
  • アレルギーや副反応について

子どもの予防接種に関する疑問を解決できるはずですので、ぜひ参考にしてみてください。

特定医療法人新生病院 院長
石井栄三郎先生

長野県内の様々な医療機関で小児科医療に携わり、現在は外来診療と、難病の子どもを対象に訪問診療を行う。

小児科医のミッションは「子どもの健やかな成長と発達を支援し、立派な成人になるまで見守っていくこと」を信条に、情熱と愛情を持って診療にあたっている。

予防接種の現状は?

唐木
唐木

私にも1歳の子どもがいて、今予防接種をたくさん受けている時期です。

 

私が子どもの頃よりも、予防接種の種類や数が増えていませんか?

石井先生

ここ5~6年くらいで、すごく増えました。

 

それまでは日本で行われる予防接種は、世界レベルで見るとかなり少ない方でしたが、今は世界に追いついてきています。

 

昔は小児細菌性髄膜炎を起こすと、治療しても2~3割が後遺症を残すような重い病気でした。

 

2013年4月からワクチン定期接種化が始まり、その後髄膜炎はほとんど見られなくなりました。

 

それだけワクチンの効果が大きいということだと思います。

予防接種はなぜ生後2ヶ月から始めるのでしょうか?

唐木
唐木

赤ちゃんの予防接種が生後2ヶ月から始まるのはどうしてですか?

石井先生

生後1ヶ月の新生児期は、体調がまだ不安定だからです。

 

2ヶ月くらいになると、体重も増え体調的にも安定し、予防接種に耐えられる体になっています。

 

しかし、免疫力には弱いので、予防接種は何回か打たないと効果が出てきません。

 

具体的には、生後6ヶ月くらいまでに免疫をつけることが大切です。

 

体調が少し安定してきた2ヶ月から予防接種を始めて、大体1ヶ月に1回打つペースで3回程続けていきましょう。

 

すると、6ヶ月くらいまでに初期免疫がある程度つくことで、赤ちゃんの感染症に対する抵抗力が増えるということです。

同時に複数接種するのは、本当に大丈夫でしょうか?

唐木
唐木

一度に複数の注射を受けることもあると思います。

 

小さな体にこんなにたくさんの注射を打って大丈夫なのかと心配になってしまいますが、大丈夫でしょうか?

石井先生

今のワクチンは非常に安全性が高いです。

 

予防接種は、1回に1番多い多いときは4つ、左に2つ右に2つという形で上腕に打つことがあります。

 

複数接種をしたからといって、副作用が強く出るということはありませんでの安心してください。

定期接種と任意接種、任意接種は受けるべきでしょうか?

唐木
唐木

予防接種は、定期接種と任意接種の2種類があると思うのですが、任意接種は受けた方が良いのでしょうか?

石井先生

任意接種と定期接種は、お金の負担が異なります。

 

定期接種・・・市区町村などの各自治体によって公費で実施(一部で自己負担)

任意接種・・・希望者が自己負担で実施

 

任意接種というのは、国の審議会でその効果と副作用の兼ね合いを検証しているところです。

 

ですので、検証された後はいずれ定期接種になると思います。

 

任意接種の一つに、おたふくかぜがあります。

 

おたふく風邪にかかることでとても問題になっているのが、耳が聞え難くなる難聴です。

 

発病しなければ防ぐことができるので、いずれ定期接種化されるでしょう。

 

しかし、定期接種化されるまで待つよりも、少々お金を払ってでも任意接種をした方がメリットが大きいと思います。

 

ですので、任意接種を受けることをお勧めします。

予防接種を受け損ねてしまったらどうすればいいでしょうか?

唐木
唐木

子どもの体調などで、予定通り予防接種を受け損ねてしまった場合はどうしたらいいですか?

石井先生

必ず予防接種は受けた方がいいので、はじめに予約したところで改めてスケジュールを組みなおして頂いてみて下さい。

 

接種月齢期間が決まっている定期接種を期限内に打てなかった場合は、自己負担が発生してしまいます。

 

しかし、受けられなくなるわけではありません。

 

子どもの体のことを考えると、少々遅れてしまってもしっかりと受けてもらった方が良いと思います。

副反応が出た場合はどうしたらいいでしょうか?

唐木
唐木

予防接種の後に副反応が出た場合は、どうしたらいいでしょうか。

石井先生

予防接種を受けた後の最初の30分は、医療機関を離れずに様子を見てください。

 

急に血圧が下がったり、アレルギー反応によるアナフィラキシーを起こしたりすることもあります。

 

場合によっては非常に危険は状態になることもあるので注意が必要です。

 

予防接種を受けた後、すぐに対応すればまず心配はありませんので安心してください。

 

また、注射を打った翌日までに少し熱が出ることがあります。

 

38度くらいの熱がある場合、顔色が良くて食欲もあるようでしたら、2~3日で熱が下がることがほとんどですので心配しなくても大丈夫です。

 

ただ、機嫌が悪くて泣き叫ぶような感じがあるなど、いつもと違う様子の場合は、必ず医療機関を受診するようにしてください。

 

さらに、打った場所が腫れることがあります。

 

腫れの大きさが500円玉くらいであれば、自然に2~3日で良くなるので心配はないと思います。

 

中には命に関わるような怖い副反応が起きる可能性もゼロではありません。

 

注射をしてから1~2週間くらいは特に注意して、いつもと違う様子が見られる場合はすぐに医療機関に相談してください。

 

放って置いても良いのか、それとも怖い副反応なのかを、早めに医師に判断してもらうことが大切だと思います。

アレルギーがある場合は?

唐木
唐木

子どもにアレルギーがある場合は、予防接種はどのようにしたらいいでしょうか?

石井先生

一般的なアレルギー(アトピーや喘息・鼻炎など)であれば、体調が良い場合には受けることが可能です。

 

しかし、注射する物質の中に入っているものに対するアレルギーであれば打つことが出来ません。

 

注射を打つ前に、問診で医療者にその旨を伝えてください。

 

インフルエンザのワクチンは、鳥の卵を使って作るものなので、昔は卵アレルギーの人は注意した方が良いと言われていました。

 

今は精製技術が進歩してほとんどアレルギー反応を起こすような物質は残ってないと考えられています。

 

体調などに注意しながら予防接種をいただくことが大切です。

まとめ

ここまで、特定医療法人新生病院 院長の石井栄三郎先生に予防接種の疑問についてのインタビューをお伝えしました。

改めてまとめると、次の通りです。

・日本の予防接種は年々増加している
・予防接種に耐えられる体になった生後2ヶ月くらいから接種を始める
・複数接種をすることで副作用が強く出るわけではない
・任意接種は自己負担でも接種するメリットが大きい
・予防接種は接種の予定が遅れても必ず受ける
・アトピーや喘息、鼻炎などの一般的なアレルギーの場合は接種可能
・副反応に対応するために、接種後30分は医療機関を離れない

予防接種の疑問については以上になります。予防接種を受ける際の参考にしてみて下さい。

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