脱水症状が心配になる暑い時期、授乳期を終えた赤ちゃんがなかなか水を飲んでくれなくてモヤモヤしていませんか?
ミルクや味のついた飲み物は飲んでくれるけれど、栄養バランスは大丈夫なのかな…と不安になりますよね。卒乳したばかりの赤ちゃんは、実は水やお茶を飲むことを苦手と感じていることもしばしば。
そこで今回は、赤ちゃんが水を飲まない理由とその時の対処法について、保育士のやよい先生に教えていただきました。
この記事では、以下の3つがわかります。
- 赤ちゃんが水を飲まない理由
- 様々な水分の取り方
- 水分を取る量やタイミングの目安
この記事を読んで対処法を知り、不安な気持ちを解消しましょう!
やよい先生
みらいくに入職して5年。2人の子育てをしながら働いています。自身の子育てに悩みは尽きませんが、かわいいみらいくの子どもたちに癒されながら、毎日愛情120%!!楽しく過ごしています。
目次
赤ちゃんや1歳児が水を飲まない・水分補給を嫌がる原因とは?
こんにちは、長野県立大学で保育を学んでいる金子です。「授乳期を終えた子どもがなかなかお水を飲んでくれない」という保護者の声をよく聞きます。子どもはなぜ、水を飲むことを嫌がるのでしょうか?
子どもが水を飲まない理由として、大きく2つ考えられます。
理由① 無味無臭に抵抗がある
子どもは本能的に甘味のあるものを好むため、母乳やミルクには抵抗がありません。
しかし反対に、味のない水や苦みのあるお茶などは飲みづらいと感じ、抵抗感を持つことが多いようです。
経験を重ねて、少しずつ慣れていくのがよいですね。
理由② 容器が苦手
コップで飲むことに慣れておらず、うまく飲めない・こぼして注意されて嫌になってしまう…などの理由から、実は容器を使うことを嫌がっている場合もあります。
子どもが拒否感を持っているにも関わらず、コップでの水分補給を続けると、飲むこと自体を嫌がるようになってしまうこともあります。
水を嫌がるときの対処法
脱水症状は避けなければなりませんし、子どもが水を嫌がるからと言って、ずっと水分を取らない状態にしておくことはできませんよね。スムーズに水分補給をしてもらうためのコツはありますか?
まず、少しずつでも水を飲むことに慣れてもらうことが大切です。水への抵抗感を減らす方法や、脱水症状が起きないようにする上手な水分の取り方をいくつかご紹介しましょう。
容器を変えてみる
容器を変えると飲みやすさや口当たりが変わるため、水を飲むきっかけになります。容器の目新しさに興味を持ってくれることもあるので、様々な方法を試してみましょう。
スプーン
子どもにとって慣れている容器を使うことで、飲みにくいという理由で嫌がることが少なくなります。
ストローマグ
スパウトマグにある程度慣れたお子さんには、ストローマグで飲んでもらうことも効果的です。ストロー飲みでは、一度に口に含む量が少量になるため、より飲み込みやすくなります。
お気に入りキャラクターの容器
お気に入りのキャラクターがあれば、そのキャラクターの容器を使ったりシールを貼ったりして、子どもに興味を持ってもらうのも一つの方法です。
容器を子どもと一緒に選ぶということも、子どもの興味や意欲を高めるのでおすすめです。
食事の水分を増やす
卒乳期に水分があまり取れていないと感じたら、ミルクを飲んでもらうのも一つの手です。
どうしても水を嫌がる場合は、離乳食や汁物・フルーツなど、食事の水分を増やすことで水分摂取ができるよう調整する方法もあります。
一口で飲み切れる分を渡す
たくさんの水を入れて渡すと、子どもにはプレッシャーとなる場合があります。嫌がってこぼすリスクも高くなり、お互いにデメリットが多いです。
一口で飲める分だけ入れて渡すことで、「これだけなら」と子どももチャレンジしやすいので、飲めた時にはたくさん褒めてあげましょう。
一回に飲む量は少なくても、これをこまめに繰り返すことで少しずつ水の味に慣れていくことができます。
一緒に飲む
子どもは何でも大人の真似をしたがるので、大人がおいしそうに飲む姿を見せることで、「やってみたい」という気持ちが芽生えることがあります。
一緒に飲んでみせることでストローやコップの練習にもなりますね。また、一緒に飲むことに加え「乾杯」を覚えることで、子どもは親と一緒に乾杯をしてお水を飲むという一連の動作を楽しみ、「もう一回!」と言って飲んでくれるようになります。
“楽しいこと”と印象付けるのはおすすめですね。
様々な方法を試しているうちに、水を飲んでくれるようになりそうですね!
赤ちゃんや1歳児に必要な水分の量は?
子どもは私たち大人に比べて代謝が良いため、脱水症状が起きやすいと聞きました。子どもに必要な水分の量の目安はありますか?
生まれたての新生児は80%が水分と言われています。小さな子どもの体は代謝が活発なので、しっかりと水分を取る必要があります。
一日に必要な水分量は、体重が10kgまでであれば体重1kgあたり1日100mlが目安です。ただ、必ずこの量でよいということではなく、発汗量や活動量・体調などによって調整する必要があります。
【1日に必要な水分量】
体重1Kgあたりの 1日に必要な水分量 (ml/Kg/日) | |
乳児 | 150 |
1歳児~幼児 | 100 |
1日に必要な水分量は、簡単な計算で求められます。下記の指揮を参考に必要な水分量を計算してみましょう!
【計算:例】体重15Kgの幼児の場合
100(ml/Kg/日)×15(Kg)=1,500(ml)
※必要な水分量は年間平均値であり、その日の気温や温度、個人の体調や生活の仕方によって、変化します。あくまでも上記の表は個人の様子(体調等)を見ながら、参考程度にご利用ください。
子どもの水分補給のタイミングは?
水分はこまめにとることが重要です。一度にたくさん飲んでも、体内に蓄えられることはなく、排泄されてしまいます。そこで、保育園では食事・お出かけ・活動や午睡の前後など、こまめに水分を取るよう促しています。汗をかく前後で水分を補うことで脱水症状を防ぐことができます。
ご家庭では、以下のようなタイミングを目安に水分を取るとよいでしょう。
- 就寝前後
- 食事
- 昼寝前後
- 外遊びの前後
- お風呂の後 など
また、いくらこちらが水分を与えたいと思っても、子ども自身が欲していなければ飲んでくれません。
体調やおしっこの色・量などに特に異常がないようであれば、無理に飲ませようとはせず、近くにマグボトルなどを置いておき、子どもが飲みたいタイミングで飲めるように環境を整えた上で見守ることも大切かもしれません。
一つ注意したいのは、ジュースによる水分補給。
水を飲まないからせめてジュースで…、という気持ちはわかりますが、飲みすぎると虫歯のリスクなど子どもの身体にも悪影響です。ジュースはおやつと同じくくりにして、たまにお楽しみで飲む程度にしたいですね。
まとめ
熱中症が心配な時期に子どもが水を飲んでくれないと、やきもきしてしまいますよね。
水が無味無臭であることや、容器に慣れていないことなど、水を飲むことが苦手な原因が具体的にわかると、様々な対処ができそうです。また、大人が水をおいしそうに飲んでいるところを見せたり、水を飲むシーンを楽しく演出してあげたりするなど、子どもが水を飲みたくなるよう工夫するのもよさそうですね。
子どもは本能的に甘い味を好むため、無味無臭の水には抵抗感を感じやすいです。工夫を凝らして、少しずつ慣らしていく過程が必要です。今回紹介した方法を試しながら、温かく見守っていきましょう。
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この記事を書いた人
長野県立大学健康発達学部こども学科1年の学生ライターです。大学では日々保育について勉強中。少しでも子育ての役に立つような情報をお届けしたいと思っています!