ファミリー・サポート・センターとは?利用方法とコツを紹介!

最近は共働きのご家庭が多く、「家で保護者が不在になりがち」「子どもが病気になっても仕事を急に休めない」と日頃から心配を抱えている保護者さんも多いと思います。

今回はそんな方々にぜひご活用いただきたい、市町村による子育て支援事業【ファミリー・サポート・センター】についてご紹介したいと思います!子育て支援に詳しい長野県立大学健康発達学部こども学科准教授の金山先生に、詳しく教えていただきました。

長野県立大学 健康発達学部
こども学科 准教授 金山美和子先生
上越教育大学大学院 学校教育研究科幼児教育専攻修了 修士(教育学)大学卒業後、新潟県内の私立幼稚園に11年間勤務。上越市女性相談員、上田女子短期大学専任講師、長野県短期大学講師を経て2018年より現職。

ファミリー・サポート・センターでできること

金子

大学で子育てについて学んでいる保育学生です。

子育て支援の授業でファミリー・サポート・センターを知り、興味を持ちました。ファミリー・サポート・センターについて詳しく教えてください!

金山先生

ファミリー・サポート・センター(通称ファミサポ)とは、育児を手伝いたいと思っている人と育児を手伝ってもらいたい人をマッチングする会員制の組織です。子育て援助活動支援事業とも言います。

例えば、以下のような時に利用することができます。

  • 保育施設や学校への送り迎えをしてほしい
  • 保育施設の時間外や、学校の放課後などに子どもを預かってほしい
  • 保護者が買い物など外出の際、子どもを預かってほしい
  • 保護者の病気や冠婚葬祭などの急用事に子どもを預かってほしい
  • 病児・病後児の預かりや早朝・夜間などの緊急時に預かってほしい(一部地域)
金山先生

実際に、「学校から習い事までの送迎」や、「両親が早朝から仕事なので、小学生の子どもが登校するまでの間だけ見てもらう」といった使い方をされている方もいます。

金子

なるほど、そんなふうに気軽に利用してよいのですね。

ファミリー・サポート・センターの利用方法

金子

ファミサポの具体的な利用方法について教えてください。

金山先生

利用手続き・時間・料金等は市区町村によって異なります。詳細は、各自治体ホームページなどをご覧ください。この記事では一般的な例をご紹介しますね。

Q1 どんな手続きが必要?

金山先生

ファミリー・サポート・センターでは、育児を手伝ってほしい人を「依頼会員」、育児を手伝いたい人を「提供会員」と言います。

依頼会員は、以下のような流れで育児をサポートしてもらうことができます。

1.  会員登録

それぞれのファミリー・サポート・センターの案内に従って会員登録をします。会員登録すれば、会員証が発行され、詳しい利用方法を確認することができます。

2.  活動の依頼

援助が必要な日時をファミリー・サポート・センターに連絡すると、アドバイザーが提供会員との仲介をしてくれます。

活動前には必ず提供会員との顔合わせがあり、「このような援助をしてほしい」、「こんな援助ができる」といったお互いの希望が合えば活動が開始されます。希望が合わない場合には、他の会員を紹介してもらうこともできます。

3.  活動後に支払い

利用料金は市町村によって異なりますが、1時間600~1000円くらいが目安です。料金は時間帯や曜日によっても変わるため、ホームページを確認してみてください。

金子

依頼会員と提供会員の間で実際に子どもを預ける前にお互いのことを知ることができたり、相談できたりするのは安心ですね。

Q2 いつ利用できる?

金山先生

平日と休日のどちらも利用でき、7時から19時まで利用できる自治体が多いです。自治体によっては病児・病後児や、夜間の預かりに対応してくれることもあります。

Q3 どんな場所で預かってくれる?

金子

提供会員は地域で育児を手伝いたい方が登録しているということですが、実際にはどんな場所で預かって下さるのでしょうか?

金山先生

預かる場所は、双方の希望によって事前に打ち合わせをします。会員どちらかの自宅や、地域の児童館や子育て支援拠点で提供会員が預かりを行う自治体もあります。

Q4 どんな人が預かってくれる?

金山先生

提供会員になるのに特別な資格は必要ありません。育児経験がある方が多い傾向ですが、育児中のママさんや育児がひと段落したベテランお母さん、シニア世代の夫婦などさまざまです。

提供会員の方は、必ず自治体主催の子どもの発達や安全などについての講習を受けており、定期的に研修も行われています。

金子

育児経験がある方だと安心して預けられそうです。また、日々のちょっとした相談もできるかもしれませんね。

金山先生

そうですね。相互援助期間が長い会員さん同士では、家族のように仲良くなることもあるようですよ。

ファミリー・サポート・センターの活用のコツ

金子

利用までの流れはわかりました!でも、初めてファミリー・サポート・センターを利用する方はまだまだ不安も多いと思います。上手な活用のコツがあれば教えてください。

早めに事前登録をしておこう!

金山先生

まずは、ファミリー・サポート・センターに事前登録しておくことをお勧めします。

実際にサポートしてもらうまでには登録や顔合わせなどいくつか手続きがあり、すぐに預けることは難しいからです。しかし、子どもの病気や冠婚葬祭などで、子どもを預けたい時というのは突然やってきます。

金山先生

事前に登録しておけば、いざというときのお守りになりますよ。

金子

登録さえしておけば安心感がありますね。この機会に一度ホームページをチェックしていただくとよいかもしれませんね。

両方の会員に登録するのもおすすめ!

金山先生

依頼会員は、同時に提供会員としても登録することができます。

両方の会員になると、子育て中のママ同士で預け合ったり、習い事の送迎をしたりと、気軽に育児を助け合える関係になることも。ファミサポを通しての活動は保険が適用されるため、お互いに安心して育児のお手伝いができます。

金山先生

また、提供会員に登録すると講習会への参加が必須です。講習会では子どもの発達や病気、安全管理についてなど専門的な知識を学ぶことができるため、子育てのヒントになることもあります。

金子

地域に育児を協力し合える仲間ができるのはありがたいですね。

ファミサポはアドバイザーが仲介してくれるので、「何度もお願いすると迷惑かな?」「お礼はどうしよう?」といった心配の必要がなく、ただの協力関係よりもお互い構えずに安心して活動できると思います。

まとめ

プライベートや仕事で忙しい保護者さんにとって、ファミリー・サポート・センターのように様々なシーンで気軽に利用できる施設があると、心配事を減らすことができて安心なのではないでしょうか。

近所に子育てを助け合える仲間ができるのも心強いと思います。

この記事を読んで気になった方は、ぜひ自治体のファミリー・サポート・センターに問い合わせてみてくださいね!

この記事を書いた人

金子 詩奈
長野県立大学健康発達学部こども学科1年の学生ライターです。大学では日々保育について勉強中。少しでも子育ての役に立つような情報をお届けしたいと思っています!

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