砂遊びで子どもの成長を促そう!保育園での遊びかたと注意点

思いっきり遊べる外遊びは、子どもにとっては楽しいものです。なかでも砂遊びは、子どもの感性を刺激して成長を促してくれる、とっておきの遊び。砂だけでなく、おもちゃやお水を加えるなど、アイディア次第で無数の楽しみ方ができます。

ただし、砂遊びは砂の誤飲やケガへの注意も必要です。そこで今回は、保育士の松木えりこ先生に「砂遊びのねらいと遊び方、ケガの防止法」について、教えていただきました。

松木先生
夜の保育園みらいく 主任
松木えりこ先生
みらいくに勤務して4年になります。子どもや保護者そして一緒に働く仲間達のサポーターとして日々奮闘しています。
常に上機嫌でいる事をモットーに、周囲を明るく楽しく支えていきたいと思います。

砂遊びをするねらい

yamada
山田

こんにちは!保育を学んでいる学生です。早速ですが、保育園で砂遊びをするねらいを教えていただけますか?

松木先生
えりこ先生

こんにちは!子どもたちが夢中になる砂遊びですが、年齢ごとに次のようなねらいがあります。

【乳児】

  1. 砂の感触や身近な遊具を楽しむ
  2. 自然物を取り入れて遊ぶ

【幼児】

  1. 砂や泥を見立てて遊ぶ
  2. 自然物を利用して飾りつけや工夫をして楽しむ
  3. 共有物を大切にする気持ちを育む

年齢ごとのねらいを理解することで、楽しく遊ばせながら子どもの成長を促せます。

砂遊びで期待できる成長への影響

yamada
山田

砂遊びをするのは、子どもの発達に沿った成長を促すことがねらいということですね。

では、砂遊びをさせることで具体的に子どもたちの成長にどんな良い影響がありますか?

子どもの創造力や発想力を養う

松木先生
えりこ先生

砂遊びをさせると、想像力や発想力が高まります。水を注いで泥団子やトンネルをつくるうちに「どれくらい水を注いだら崩れるかな」とか「どうしたら固まるかな」などと考えて、試行錯誤をすることで学習できるのです。

たとえ失敗しても、砂を加えたり、道具を使ったりすることで直していき、自分自身で物事を変えていけるという体験から自己肯定感を高められます。失敗しても成功するまでチャレンジする忍耐力も身につけられるでしょう。

協調性やコミュニケーション力を育む

お友達と一緒にアイディアを出したり、協力して1つのものを完成させたりするなど、協調性やコミュニケーション力も育まれます。ときにはショベルやカップを子ども同士で貸し借りするなど、社交性や適応力も自然と高まります。

松木先生
えりこ先生

私も保育園の思い出というと砂遊びをしたことばかり思い出すので、子どもなりに楽しかったのでしょう。

これまで保育士をしてきた中で、子どもたちが一番集まりやすいのもお砂場という印象があります。

yamada
山田

子どもにとってお砂場は、いろんなことを体験できる場所なのですね。

松木先生
えりこ先生

そうです。子どもの個性もよくわかって、例えばきれいに砂団子を作るのは大人でも難しいですが、上手な子はつるつるのものを作ります。

yamada
山田

私も大学で光る泥団子を作る授業がありましたが、難しいのにすごいです。

松木先生
えりこ先生

ふるいにかけて砂の感触を確かめながら作るとか、お砂の山とトンネルを作って開通した時、手と手が触れた瞬間の喜びを感じるとか、貴重な体験がたくさんできますよ。

身体能力・認知能力が向上する

yamada
山田

砂遊びは、子どもの成長にとってはどんなよいことがありますか?

松木先生
えりこ先生

体を大きく使って砂を掘ったり、バケツを使って水を運んだりして、自然に運動できるので身体能力が向上します。バランス感覚を養い、筋肉量アップにもつながるでしょう。

工夫次第で砂から泥に変わるのを、手先・指先で感じることで、感覚も鋭くなります。実験のような泥遊び、砂遊びを通じて、「これをするとこうなる」などの認知能力も上がり、感性も磨かれるでしょう。

【月齢別】砂遊びのやり方

yamada
山田

次に、年齢別の砂遊びについて教えてください!

0歳児の砂遊び

まず0歳児には、大人が砂を掴んだり握ったり、シャベルやカップを使った遊びをして見せてあげましょう。興味をもったら、子どもと一緒にやります。

1歳児の砂遊び

1歳児は、シャベルを使ってお山を作ったり、反対に穴を掘ったりしましょう。また、型抜きに砂を入れて形ができるのも楽しめます。プリンの型抜きがお勧めですね。

松木先生
えりこ先生

たくさん並べた砂のプリンをいたずら好きな男の子が潰してしまうような、賑やかな場面も保育園では見られます。そういったことも、社会性を身につけるために必要な経験の一つですね。

2~3歳児の砂遊び

2~3歳児は、おままごと遊びができるようになります。型抜きしたものに葉っぱやお花で飾り付けをして、ケーキやご飯に見立てて「おいしい」「ごちそうさま」と言って遊んでいますね。

4~5歳児の砂遊び

4~5歳児は、園児とアイディアを練って新しい遊びを生み出し、お城づくりなどができます。

上手にできる方法を教え合ったり、役割分担して作り上げたりする遊びをします。協力して水を運んでくる係がいたり、砂を固める係ができたり、効率よく目標を達成するために小さなチームを作ることもあります。

yamada
山田

チームができるというのは面白いですね!

松木先生
えりこ先生

これくらいの年齢になると、ダイナミックな遊びができるようになり大人も一緒に楽しめます。たとえば、バケツに砂を詰めて大きなお城を作ったり、お山の中に遊具を詰め込んで山を高くしたりなど、子どもなりにアイデアを出してきます。

子どもが飽きない!おすすめの砂遊びアイデア

yamada
山田

子どもと遊んでいると、いつもトンネルやダムづくりといったワンパターンな砂遊びになります。何かおすすめの遊び方はありますか?

松木先生
えりこ先生

山崩しゲームをしてはいかがでしょうか?

砂山のてっぺんに棒を立てて、棒を倒さないように少しずつ砂を取っていく遊びです。想像力や認知機能もアップできます。

貝殻やスーパーボールを入れる宝探しゲームも、砂遊びで人気の遊びの1つです。子どもたちは「自分がお宝を探し出すのだ」と張り切り、見つけたときには達成感が得られます。

最初の子はどっさり取りますが、だんだんちょっとずつ崩していくようになるなど、駆け引きがあるので、論理的に物事を考えるきっかけになります。

行事に取り入れる砂遊び

松木先生
えりこ先生

「山崩しゲーム」や「宝探しゲーム」は、行事に取り入れても楽しいかもしれません。

yamada
山田

どのような行事に取り入れられそうですか?

松木先生
えりこ先生

ハロウィンの時に砂場の中に自分たちで作った段ボール製のお菓子を隠して、子どもたちに探してもらったりしました。宝探しゲームとして、行事の目玉イベントの1つになりました。

夏におすすめの水遊び+砂遊び

yamada
山田

夏におすすめの水を交えた砂遊びを教えてください!ダムの放流はやったことがあるのですが…。

松木先生
えりこ先生

トンネルに水を通す遊びがおすすめです。

お山を掘り、シャベルなどでお山を固めて、真ん中だけ中身をくりぬくことで、トンネルができます。ペットボトルやジョウロで少しずつ中に水を流していくのは、子どもたちもワクワク想像力が高まります。

水路を長く掘ってから、水を流していく遊びも、一気に水が流れていくので、子どもたちに人気です。

砂遊びで活用できるおすすめ道具

yamada
山田

砂遊びに合うおすすめの道具は何ですか?

松木先生
えりこ先生

まずオーソドックスなのは、シャベルやスコップ、ジョウロやバケツ、ふるいや型抜きです。

先ほどお伝えしたような、プリンの容器などを用意しておくと、型抜きで遊ぶことができます。ふるいを用意しておくと、砂をサラサラにできて、違った触感を楽しめます。

松木先生
えりこ先生

砂遊びをすると必ず服が汚れます。保護者には事前に、汚れてもよい服を着せてくるように伝え、予備の服を用意してもらうように頼みましょう。

yamada
山田

小さい子にもスコップを持たせますか?

松木先生
えりこ先生

0歳から持たせます。お友達がやっているのを見てやりたがれば、やらせてあげましょう。

まだ力が弱いので、保育士が手を添えます。口に砂を入れがちなので、そばにいて目を離さないようにしてお遊びを見守ります。

砂遊びの注意点

月齢に応じたの注意点

yamada
山田

子どもたちが、砂遊び中に砂を舐めないか心配です。何歳からなら安全に遊べますか?

松木先生
えりこ先生

0歳児でも砂を触ったり、掴んだりなどはできます。

しかし0歳児や1歳児は、好奇心から舐めてしまうこともあります。目を離さないようにしながら、遊ばせる工夫が必要です。

安全に遊べるようになるのは、だいたい3歳児(年少さん)以上からになります。でも、砂の上をハイハイするだけでも0歳児は楽しいと思いますよ。

yamada
山田

3歳以上なら大丈夫なのですね。

松木先生
えりこ先生

口に入れるようなことは、この年齢になるとなくなりますね。砂を投げてケンカをする可能性はあるので、変わらず目を離さないことは必要です。

ケガを防ぐための注意点

yamada
山田

遊んでいる最中、子どものケガを防ぐための方法を教えてください。

松木先生
えりこ先生

夢中になって砂場の上を駈け出したり、熱中して近くにあるバケツで転んだりなど、ケガのリスクは何歳になってもあります。

砂遊びをする前に、「砂の上はやわらかいから走ると危ないよ。ゆっくり歩いてね」など具体的に注意喚起することで事故を防げます。

また、遊ぶ前のお約束をしておくと、子どもたちも約束したことが心の中に残っているので、危険を防ぐためには有効です。

yamada
山田

お約束はいつするのがよいですか?

松木先生
えりこ先生

支度をする前に「今日は○○公園で砂遊びをするよ。走らないよ。お砂投げないよ」などと約束するのがよいでしょう。

また、危険防止で大切なのは砂場の事前点検です。猫のフンや、石やガラスの破片など危ないものがないか、砂が固まっていないか、事前に砂を掘って柔らかくすることなどを保育士が行っています。

yamada
山田

点検はいつするのですか?

松木先生
えりこ先生

朝来る前や、一足先に保育者が公園に行って行います。

yamada
山田

猫のフンの予防はどうしていますか?

松木先生
えりこ先生

自分の園に砂場があればお砂場カバーをかけておけばよいのですが、砂場のない保育園も増えているので、公園の砂場を借りる場合は事前に保育士が1~2人で行って公園の遊具の点検をします。

例えば、ハチやベンチの下にガラスの割れたものがないか。遊具のタイヤが割れて手を切りそうな箇所がないか。感染症予防として遊具を次亜塩素酸で消毒するといったこともしています。

砂や石を投げないための注意点

yamada
山田

わんぱくな子が石や砂を投げないか心配です。どう予防したらよいですか?

松木先生
えりこ先生

砂場で遊ぶ前に「人に向かって、石や砂を投げない」とお約束をしましょう。

「あたったら痛いこと」「ケガをしてしまうこと」を子どもでもわかるように説明します。しっかり目を見て、真剣に伝えることが大事です。

砂遊びの服装の注意点

パーカーなどは、遊具に引っかかって首が閉まる恐れがあります。紐がついている点も危ないです。
安全の観点から、砂遊びに限らず保育園では避けていただくようにお願いしまします。

保育園ではチーム体制で砂遊びをサポート

yamada
山田

子どもを見ながら、一方で公園をチェックするのは大変ですね。

松木先生
えりこ先生

チームで保育をしているので、事務員の方にも協力してもらっていますが、年々やることは増えていますね。プール遊びもチームで見ていて、安全に行うために人手がかかるのは事実です。

yamada
山田

人手も必要ですし、体力がないといけませんね。元気いっぱいで笑顔で働けるよう、私も頑張ります。

まとめ

川や山、お城やごっこ遊び、宝探しなど、道具を交えてバリエーション豊かに砂遊びをすることで、子どもの感性は磨かれていきます。砂遊びの際に事前に子どもと「約束」をし、ケガやケンカに注意しつつ、年齢に合った砂遊びを通して子どもの成長を促しましょう!

この記事を書いた人

yamada
山田怜奈
長野県立大学グローバルマネジメント学科2年の学生ライターです。こどもについてもっと知っていきたいです!

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