この記事では、子どもの離乳食と食事のすすめ方について、長野市保健所健康課 健康づくり担当 管理栄養士の本田真夢さんにインタビューしました。
この記事を見ると、次の6つが分かります。
- 離乳食の目安
- アレルギー食材の見極め
- 離乳食を食べない時
- 手づかみ食べの期間
- 食事に集中する方法
- 食事で大切にしたいこと
これでお子さんの食事のすすめ方について分かるはずなので、ぜひ参考にしてみてください。
管理栄養士 本田真夢さん
離乳食のすすめ方や子どもの食事、妊娠期から子育て期に生じる疑問や悩みに寄り添った支援をしている。
目次
離乳食を始める時期は?
離乳食を始める目安の時期はあるのでしょうか?
開始時期は、次のような事ができるようになることが目安になります。
・首のすわりがしっかりして寝返りができる
・安定して座れる
・スプーンなどを口に入れても押し出すことが少なくなる
・食べ物に興味を示す
これらが見られる時期は、生後5~6ヶ月程度で体重は7㎏を超えるくらいです。
ただし子どもの発育・発達状況には個人差が見られます。あくまで目安として、子どもの様子をよく見ながら、離乳食を始めてみて下さい。
成長に合わせた離乳食とは?
離乳食は成長に合わせてどのように変えていけば良いですか?
離乳食では、子どもの発育・発達の状況に合わせて食品の量や種類、形状を調節します。
・離乳食初期・・・飲み込むことや離乳食の舌触りや味に慣れる
・7~8ヶ月・・・舌で潰せる固さにする
・9~11ヶ月・・・歯茎で潰せる固さにする
・12~18ヶ月頃・・・歯茎で噛んだり前歯で噛み切る練習のため、大きめの塊にする
形ある食べ物を嚙み潰すことができるようになり、エネルギーや栄養素の大部分を母乳や育児用ミルク以外の食べ物から摂れるようになると、離乳の完了です。
それ以降は幼児食となります。
大人の食事に近づきますが、固さや味付けの調整が必要な時期ですので、発達に合わせて対応することが大切です。
アレルギー食材を見極めるには?
子供に食物アレルギーがあるかどうかも親としては心配になります。
どのように注意していけばいいでしょうか?
離乳食の時期は消化の練習の時期でもあります。
子どもは消化能力が未熟です。
十分に消化されないまま食べ物が吸収され血液の中に入ると、異物が入ってきたと認識しアレルギーの症状が出てしまいます。
また、加熱不足があるとアレルギーの症状が出やすいといわれています。しっかり加熱し食べられる月齢になったら経験させてあげて下さい。
一方で、日中のご機嫌な時にあげると消化酵素が働きやすく、もし症状が出てしまった時も病院が開いているので安心です。
食物アレルギーがあるかどうかは、医師の判断を受けてみて下さい。
お腹がいっぱいで食べないときは?
お腹がいっぱいで食べたくない時は残しても良いのでしょうか?
離乳食初期は、飲み込む練習や離乳食に慣れていく時期です。
子どもの様子を見ながら離乳食をすすめましょう。
母乳やミルクは欲しがるままに与えて、成長に必要なエネルギーや栄養素を摂れるようにしてあげてください。
離乳食後期以降では、なぜお腹がいっぱいで食べられなくなってしまうのか、その原因を考えるようにします。
お腹がすいている時にしっかり食事ができているのか、授乳や食事、生活のリズムも見てあげるようにします。
また、食事量は成長・発達の状況を見て判断するようにしてください。
手づかみ食べはいい?悪い?
手づかみ食べは子どもにとっては必要なことなのでしょうか?
食べ物の大きさ、温度を手で直接触ることで子どもは学習しています。
ですので、1人で食べるようになるためのステップとして捉えてもらうことが大切です。
1歳半くらいまでしっかり手づかみ食べをした子どもは、スプーンやフォーク、箸へのステップもスムーズにいくと言われています。
手づかみ食べは十分にさせてあげてください。
食べながら遊んでしまう時は?
食べながら遊びはじめてしまうと親は困ってしまいます。どうしたらいいでしょうか?
食べ物とおもちゃなど、物の区別がつくようになるのは10ヶ月頃が目安と言われています。
食事中に食べる量よりも遊んだり落とす量が増えるのであれば、食事の時間を終了するのも一つの選択肢だと思います。
子どもが食べながら遊んでしまうと、保護者がイライラしてしまうと思います。
ですので、汚れてもいいような環境づくりをしてみて下さい。
新聞紙やビニールシートを床に敷いておくなど、保護者が少しでも負担なく向き合ってもらうことが大切だと思います。
どうしたら食事に集中できる?
どうすれば子どもに食事に集中してもらえるのでしょうか?
離乳食を食べる子どもは、色々なことに興味関心を持っている時期です。
食事中に食べ物以外のおもちゃなどが目に入ってくると、どうしてもそちらに集中がいってしまいます。
なるべく子どもの集中が切れないような環境づくりを大切にしていきましょう。
あとは、お腹がすいていることが一番大切です。
子どものお腹がすいているタイミングを見計らって食事をすすめることをお勧めします。
食事で大切にしたいことは?
食事をすすめるうえで大切にしたいことや、ポイントはありますか?
乳幼児期の子どもの成長は個人差がとても大きいです。
定期的に子どもの身長や体重の伸びを見て確認してあげるようにしましょう。
また、離乳食開始前の子どもにとって最適な栄養源は母乳やミルクです。
離乳食の開始前に果汁やイオン飲料を与えることに、栄養学的な意味はないといわれています。
離乳食では色々な食べ物を体験することで味覚が育っていきます。
野菜などの苦手な味も繰り返し練習することで、好きな味に変わっていく場合が多いです。
色々な食べ物を体験する機会をたくさん作ってあげてください。
まとめ
ここまで、長野市保健所健康課 健康づくり担当 管理栄養士の本田真夢さんに食事のすすめ方についてのインタビューをお伝えしました。
改めてまとめると、次の通りです。
・離乳食は、生後5~6ヶ月程度を目安に始める
・食材を十分に加熱し、消化酵素が働きやすい日中の機嫌の良いときに挑戦する
・離乳食を食べない時は生活のリズムを見直し、お腹がすいている時に食事をする
・手づかみ食べで子どもは学習しているので、興味がでてきたら十分に行う
・おもちゃを見えないようにするなど食事に集中できる環境作りをする
・離乳食で色々な食べ物を体験して味覚を育てる機会をつくる
食事のすすめ方については以上になります。
子どもに成長に合わせた食事のすすめ方ができるように、参考にしてみて下さい。
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