「2歳の子どもが、周りの子どもたちより太っているように感じる…」
「太り過ぎだと周りから指摘されたけど、どうして良いか分からない…」
このような悩みを持った保護者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、栄養士のあきこ先生に2歳児で太り過ぎになる原因や、太り過ぎを防ぐための対処法についてインタビューしました。
この記事を読むと、以下の3つが分かります。
- 子どもが太り過ぎていないかのチェック方法(カウプ指数)
- 病気になるリスクから守るには?
- 食べ過ぎを防ぐためにできること
子どもの食生活の改善には、保護者の生活習慣の改善や意識改革も必要です。この記事を読んで、ぜひ参考にしてみてくださいね!
管理栄養士として、病院で6年勤務ている中で、改めて子どもの頃からの食習慣の大切さに気付き、保育園栄養士の道へ。 自分が作った給食がきっかけで「食」に興味を持ち、将来栄養士になりたいという子どもが生まれればいいなと思いながら、季節感のある調理・食育など日々業務に取り組んでいます。
目次
2歳児の子どもが太り過ぎていないかのチェック方法(カウプ指数)
あきこ先生、よろしくお願いします。
2歳児のお子さんの場合、太り過ぎかどうかはどのように判断すれば良いのでしょうか?
見た目だけでは判断が難しいので、「カウプ指数」を基に判断します。
カウプ指数
体重(kg) ÷ { 身長(cm) × 身長(cm) } × 10000
カウプ指数は、BMI(Body Madd Index)とも呼ばれる体格評価の目安に使用される数値です。
満2歳の場合、カウプ指数が17以上だと太り気味と判断することができるでしょう。
数値で判断できると分かりやすいですね。母子手帳の中などに「成長曲線」が掲載されていますが、こちらも参考になりますか?
参考になると思います。ただし、1点だけ覚えておいていただきたいのが、成長曲線の濃い色の帯から外れているからといって、問題があるというわけではないことです。
成長曲線は、お子さんの身長や体重の変動を把握するためのものです。月齢や年齢ごとにグラフに記録しておくことで、急激な体重の変化などに気づくことができます。
太り過ぎかどうか判断に迷った場合、誰に相談するのが良いでしょうか?
保育園に通っているお子さんであれば、園の保育士や栄養士に一度相談してみると良いと思います。どうしても不安な場合や相談できる人が周りにいない場合は、小児科の先生に相談してみてください。
2歳児の子どもが太り過ぎてしまう原因
2歳児のお子さんが太り過ぎてしまう原因としては、何が考えられますか?
様々な要因が考えられますが、主な原因は次の3つです。
太り過ぎの原因①:ジュースの飲み過ぎやお菓子の食べ過ぎ
1つ目の原因は、ジュースの飲み過ぎやお菓子の食べ過ぎです。時間や量を決めずにだらだらと口にしているケースが多く見られます。
ジュースやお菓子には大量の砂糖が含まれているので、2歳児のお子さんに進んで与えるべきではありません。
おやつは「まだ胃が小さい子どもが、必要な栄養素を小刻みに摂取するため」のものとと考えてください。
おやつ=ジュースやお菓子といったイメージをお持ちの親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、日常的に与えるのではなく、「楽しみ」や「ご褒美」として時間や量を決めて与えるのが良いと思います。
2歳児の子どもにおすすめのおやつはありますか?
旬の果物や小さめのおにぎりがおすすめです。また、不足しがちなカルシウムを補うために、チーズやヨーグルトなどにしてあげても良いですね!
「おやつは不足しがちな栄養素を補うもの」と認識していただけると、何をあげれば良いか考えやすくなるのではないでしょうか。
太り過ぎの原因②:不規則な生活
2つ目の原因は、不規則な生活です。
寝るのが遅くて朝起きられず、朝ご飯が食べられない場合や、夜ご飯の時間が遅い、寝る直前まで何か食べているなどが挙げられます。
これは、お父さんやお母さんの生活習慣による影響が大きい部分ですので、まずは大人から生活習慣を見直す必要があるでしょう。
太り過ぎの原因③:運動不足
3つ目の原因は、運動不足です。雨の日などでも、室内でも身体を動かせるよう工夫することが大切です。
保育園でも、毎日みんなで朝の体操を行っています。最近ではYouTubeで子ども向け体操の動画を見ることもできますので、お父さんとお母さんも一緒になって楽しんでみてはいかがですか?
2歳児の子どもが太り過ぎている場合のリスク
2歳児で太り過ぎだと、どのようなリスクが考えられますか?
肥満の子どもは、約70%が成人肥満に移行すると考えられています。また、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病につながる恐れもあるため、注意が必要です。
子どもの頃の良くない食習慣が、将来病気になるリスクを高めてしまうんですね…
そうですね。一番大切なのは、子どもの頃に正しい食習慣を身につけることです。悪い食習慣を続けていると、正しい「食」を選べない大人になってしまいます。お子さんだけでなく、家族みんなで健康的な生活をしようという意識を持つことが大切ですね。
2歳児の子どもが太り過ぎるのを防ぐ対処法
2歳児の子どもが太り過ぎるのを防ぐために、どんなことに気をつけたら良いでしょうか?
太り過ぎを防ぐには、次の5つのポイントを意識することが大切です。それぞれ詳しく説明していきますね!
対処法1:家族みんなが規則正しい生活を心がける
周りから太り過ぎを指摘された場合、「早くなんとかしなくては…」と焦ってしまう保護者の方も多いかもしれません。
ですが、突然食事量を減らしたり、食べることを制限したりすると、子どもにとってストレスになってしまいます。
どうしてもおかわりを欲しがる場合は、いつもよりおかわりの量を減らす、ごはんではなく汁物や野菜にしてあげるなど工夫してみると良いですよ。
「これでおしまいって言ったでしょ?」、「食べ過ぎ!」などと怒ってばかりいると、親も子どももしんどくなってしまいますよね。
食生活の改善は根気がいるものですが、無理せず少しずつ改善していくことが大切です。
不規則な生活は保護者自身もしっかりと見直し、規則正しい生活を心がけてくださいね。
対処法2:ジュースをお茶や水に変える
普段飲んでいるジュースをお茶や水にすることも、太り過ぎを防ぐために効果的です。
目に入るところにジュースを置いていると飲みたがってしまうので、思い切って買わないようにしてみると良いでしょう。
他の家族用にあるのであれば、冷蔵庫の見えないところに入れるなど、とにかく見せないことが大切です。お子さんには、「ジュースは誕生日やご褒美など特別なときだけに飲むものだよ」と教えてあげると良いと思います。
対処法3:間食の量を決める
3つ目は、間食の量を決めることです。お皿に取り分けたり、小袋のものを渡して、「今日のおやつはこれだけ。これ以上はないよ」と伝えてあげましょう。
見える場所にあると欲しがってしまうので隠しておき、出すときも見えないようにするなど工夫が必要です。最初は泣いて欲しがってしまうと思いますが、「夕ご飯まで待ってね」と伝えて遊びに誘うなど、食べることから気をそらすと良いでしょう。
間食の内容は、お菓子ではなくふかし芋や小さいおにぎりなどにすると良いですね。
間食の量の目安はどれくらいですか?
1日に必要なエネルギーの10%〜15%が目安となりますので、100〜150キロカロリーを目安にしていただけたらと思います。
市販のお菓子の場合、袋の裏面に栄養成分表示がありますので、摂取カロリーの参考にしてみてくださいね。
対処法4:噛みごたえのあるメニューを取り入れる
太り過ぎの子どもによく見られるのが、よく噛まずに飲み込んでしまうケースです。
「よく噛んで食べようね」と声かけをして噛む意識を持たせてあげるだけでなく、噛みごたえのあるメニューを取り入れるのも良いでしょう。
保育園では「かみかみメニュー」として次のようなメニューを用意しています。どれもしっかり噛まないと食べづらいメニューなので、しっかりと噛んで食べてくれますよ。
- ごぼうサラダ
- 切り干し大根のサラダ
- 干し芋
また、3歳ごろまでは満腹中枢が未発達のため、満腹になった感覚が分からないまま食べ続けてしまうお子さんもいます。「お腹いっぱいになったね」と声かけをして、お腹がいっぱいになっている状態を認識させてあげることも大切ですね。
対処法5:積極的に身体を動かす
最後は、積極的に身体を動かすようにすることです。
おすすめなのは外遊びですが、室内でもトランポリンなど身体を動かせるものを用意してみたり、親子でできるふれあい遊びをしてみたりすると良いでしょう。
共働きの場合、ご家庭で毎日行うことは難しいかもしれませんが、時には「この時間までは全力で一緒に遊ぶ!」という時間を作ってみるのもおすすめですよ。
子どもが「身体を動かして遊ぶことって楽しい!」と思うようになると、自分から積極的に身体を動かして遊んでくれるようになります。
まとめ
いかがでしたか?
今回のインタビューで、2歳児の子どもが太り過ぎるのを防ぐためにできることとして、以下のことが分かりました。
- 家族みんなで規則正しい生活を送る
- 間食の量と時間を決め、甘いお菓子やジュースは避ける
- しっかり噛んで食べるメニューを取り入れる
- 積極的に身体を動かして遊ぶ
子どもの頃の食習慣が、大人になってからの病気に繋がる可能性もあります。お子さんが太り過ぎてしまう原因は、お父さん、お母さんの食習慣が大きく影響していることを認識し、毎日の生活を見直すことから始めてみてくださいね。
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この記事を書いた人
広島県在住。0歳女の子の子育てに奮闘するママライターです。 自分が今まさに「知りたい!」と思っているテーマを、皆さんに分かりやすくお伝えします!