0歳児の食事は悩みがいっぱい!母乳・ミルク・離乳食の心配ごとを栄養士が解決します

0歳のお子さんを持つお父さん、お母さんは初めてのことだらけで悩みも尽きないですよね。特に「0歳児の食事」について、次のような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?

  • 母乳やミルクがうまくあげられない
  • 泣いてしまって離乳食を食べてくれない
  • 離乳食を始めたら軟便になってしまった…

今回は、そんな心配ごとを解決するために、栄養士のあきこ先生にお話を伺いました。お子さんとの食事時間が楽しくなるヒントがたくさんありますので、是非最後まで読んでみてくださいね!

あきこ先生
みらいく早苗町 管理栄養士 上崎あきこ先生
管理栄養士として、病院で6年勤務ている中で、改めて子どもの頃からの食習慣の大切さに気付き、保育園栄養士の道へ。 自分が作った給食がきっかけで「食」に興味を持ち、将来栄養士になりたいという子どもが生まれればいいなと思いながら、季節感のある調理・食育など日々業務に取り組んでいます。

0~3ヶ月の食事にまつわる悩み

Manami

あきこ先生、よろしくお願いします。

0歳児の子育てをする保護者の方から食事に関する悩みをいただいています。私も現在9ヶ月の娘がいるので、色々と教えてください!

早速ですが、0〜3ヶ月のお子さんを持つ方から次のような相談をいただきました。

母乳をうまくあげられません。体重の増えるスピードが遅く心配です…

あきこ先生
あきこ先生

母乳で悩んでいるお母さんは多いですよね。体重があまり増えなかったり、うんちやおしっこの量が少なかったりする場合は、母乳の量が不足している可能性があります。

0歳児にとって母乳は食事そのものです。しっかりと飲めるように、まずは姿勢を工夫してみましょう。

例えば、乳頭と赤ちゃんの口の高さがぴったり合うように抱っこすると飲みやすくなりますよ。前かがみになると授乳中の姿勢がしんどくなってしまうので、授乳クッションや枕などを上手に使い、高さや角度を調整してみてください。

Manami

姿勢を工夫するだけでも変わるんですね!体重がどれくらい増えていたら問題ないと判断できますか?

あきこ先生
あきこ先生

お子さんごとに個人差があり増えるペースも様々ですが、目安として1日あたり25g〜30g程度のペースで増えていれば問題ありません。あくまでも目安なので、毎日体重を測定して一喜一憂する必要はないですよ。

母乳の場合、ミルクと違ってどれくらい飲めているか分からないので不安になりますよね。心配な場合は、一度小児科の先生に相談してみると良いでしょう。

母乳の出が悪く、ミルク頼みで罪悪感があります。

Manami

こちらも母乳についてのお悩みですね。私の周りでも「ミルクで育てたら愛情が足りないのでは…?」と悩んでいるお母さんがいました。栄養の観点から何かアドバイスできることはありますか?

あきこ先生
あきこ先生

未だに「母乳で育てるべき」という考えの方が多く、ミルク育児をしているお母さんは肩身が狭い思いをしているというのを聞いたことがあります。

ミルクにも赤ちゃんを育てるのに必要な栄養素が十分に入っています。最近のミルクは母乳に近い成分のものが多いんですよ。どちらを使ってもすくすく赤ちゃんは育ちますので、安心してミルクを使っていただけたらと思います。

あきこ先生
あきこ先生

もっと母乳が出るようなりたいという方は、おっぱいマッサージがおすすめです。乳腺のつまりが原因で母乳が出ない場合、マッサージをすることで母乳の出が良くなることがあります。助産師さんからマッサージの指導を受けることもできますよ。

Manami

出産直後、助産師さんから「赤ちゃんにとって初乳が大切」と教えていただいたのですが、そちらについてはいかがでしょうか?

あきこ先生
あきこ先生

確かに、新生児にとって最初の母乳である初乳は大切な栄養源です。また、免疫系の構築において非常に重要な役割を果たすので、たとえ少量であっても飲ませてあげることが大切だと言われています。

Manami

様々な事情で母乳育児が難しい…というケースもあると思います。ミルク育児にも様々なメリットがありますよね。

あきこ先生
あきこ先生

そうですね。ミルクの場合、お母さん以外の方が授乳ができたり、どれくらい飲んだかを管理しやすいといったメリットがあります。

ミルク育児だから愛情が足りないということは決してありません、お子さんとスキンシップを取りながら、今しかできない授乳時間を楽しんでくださいね。

4~6ヶ月の食事にまつわる悩み

Manami

続いては4〜6ヶ月の食事にまつわる相談です。

よく聞かれる「魔の3ヶ月」を過ぎ、親御にも少し余裕が出てくる頃かもしれませんね。そんな中、離乳食がスタートすることで新たな不安や悩みを抱えている方が多いようです。

母乳以外は受け付けてくれず、離乳食を始めるのが不安です…

あきこ先生
あきこ先生

初めての離乳食は、赤ちゃんにとって未知の体験です。嫌がったら無理に与えようとせず、母乳をあげて別のタイミングでチャレンジして問題ありません。

最初から満点を目指すと、お母さんもしんどくなってしまいます。無理強いはせず、少量ずつ与えて様子を見てあげてください。

Manami

母乳やミルクからスムーズに離乳食を始めたい場合、事前に何かできることはありますか?

あきこ先生
あきこ先生

何ものせていないスプーンを口元に当てたり、白湯を飲ませてあげることで、スプーンに慣れさせてあげておくと良いかと思います。

Manami

この時期に離乳食がしっかり食べられていないと栄養不足になることもありますか?

あきこ先生
あきこ先生

この時期の離乳食は、あくまでも食事を食べる練習なので、母乳やミルクがしっかり飲めていれば栄養不足になることはありません。

離乳食の進み具合は個人差がありますし、その日の機嫌によって全く食べてくれないということもあるでしょう。「絶対に食べさせないといけない」と気負わず、その子のペースに合わせて進めてあげてくださいね。

離乳食を始めても良いサインを知りたいです。

あきこ先生
あきこ先生

首がすわり、手で支えてあげればお座りができる5~6ヶ月前後が目安です。

大人の食事に興味を示し、赤ちゃん用スプーンを軽く口に入れても押し出す仕草がなければ、そろそろ離乳食を始めても良いサインだと思っていただいて良いでしょう。

Manami

「5ヶ月になったからすぐに始めなくちゃ…」とプレッシャーに感じる必要はないのですね。

あきこ先生は保育園で離乳食の調理もされているんですよね。離乳食の調理で気をつけているポイントはありますか?

あきこ先生
あきこ先生

最初はなめらかに裏ごしした10倍がゆから始めると良いでしょう。

この時期の赤ちゃんは舌が敏感なので、少しでも不快であれば口から吐き出してしまいます。温度も母乳と同じくらいの温度にしてあげると食べやすいですよ。

7~9ヶ月の食事にまつわる悩み

Manami

生後7〜9ヶ月頃になると、離乳食の進み具合にも個人差が出てきますよね。お父さん、お母さんから次のような相談をいただいています。

離乳食をあげたら下痢。アレルギー検査を受けたほうが良いですか…?

あきこ先生
あきこ先生

0歳児はまだ消化器官が未発達なため、離乳食を進めるペースが早いことで下痢をしてしまうことがあります。また、野菜が大きかったり、厚みがあったりするだけでも、うまく消化できずそのままの状態で出てきてしまうこともあるんですよ。

体重が順調に増え機嫌も良いようであれば、2~3日様子を見ていただいて大丈夫です。
もし、水のような下痢が続いたり、下痢の症状が長引くようであれば、小児科を受診することをおすすめします。食物アレルギー以外にも、お腹の風邪による症状など色々な要因が考えられるからです。

Manami

自己判断はせず、少しでも「おかしい」と思ったら早めに小児科を受診する必要がありますね。すぐに受診した方が良いのはどんなときですか?

あきこ先生
あきこ先生

食欲がなくぐったりしていたり、全身に発疹が出ている場合はすぐに受診が必要です。病院に行く際は、食べた物をメモして持参するとスムーズですよ。

Manami

この時期は食べられる食材が増えていきますよね。離乳食を進めるうえで気をつけるべきことはありますか?

あきこ先生
あきこ先生

新しい食材は食物アレルギーの症状が出る可能性があるので、初めて与える際は必ず1さじからにしましょう。

また、何かの症状が出た時にどの食材が原因か特定できるよう、新しい食材は1種類ずつ与えるようにしていただけたらと思います。

離乳食の時間になると泣いてしまいます…最近、食事をあげるのがしんどいです。

あきこ先生
あきこ先生

離乳食が始まっても、母乳やミルクを欲しがることがあります。赤ちゃんによっては、食事より母乳やミルクの方が好きという子もいます。どうしても泣いてしまうようであれば、食事前に母乳やミルクをあげても構いません。

眠い時やお腹が空いていない時、離乳食が固い、熱いなどの理由で泣いてしまうこともありますよ。

Manami

何が原因で泣いているかが分かれば、少し不安が解消されますね。お母さんやお父さんが離乳食を楽しむために、何かできることはありますか?

あきこ先生
あきこ先生

「一生懸命作ったのに食べてくれない…」といった悩みを多く聞きますが、手作りの離乳食にこだわる必要はないのかなと思います。時には市販のベビーフードを使っても良いんです。

離乳食を進めるうえで一番大切なのは、お子さんが「食事は楽しいな」「美味しいな」と感じてくれることです。市販のものをうまく使いながら、肩の力を抜いて少しでも離乳食の時間を楽しんでもらえたらなと思います。

10~12ヶ月の食事にまつわる悩み

Manami

生後10〜12ヶ月は、いよいよ離乳食の後期になりますね。食べられるものが増えた分、好き嫌いが出てきたり、食べ方が気になったりと、新しい悩みが出てくる時期でもあります。実際に次のような相談をいただきました。

ピーマンを食べてくれません。好き嫌いのないように育てたいのですが…

あきこ先生
あきこ先生

0歳児は大人以上に味覚が敏感です。調理方法を工夫と良いでしょう。例えば、りんごと一緒にミキサーにかけてあげたり、ミルクを加えた味付けに変えたりすることで、パクパクと食べてくれることがあります。

また、食事のときに「絵本と同じだね」「○○ちゃんもパックンできるかな?」とゲームのように声かけをして、食事が楽しい時間だと認識してもらうことも大切です。

Manami

ピーマンは苦味が強いですもんね…何かおすすめの調理法はありますか?

あきこ先生
あきこ先生

繊維にそって切ることで、ピーマンの苦味が出ずらくなります。他にも、茹でると苦味が流れ出るので、下茹でするのも苦味を和らげるのに良い方法です。甘みのあるにんじんなどと一緒に煮てあげても良いですね。

好き嫌いを克服する方法については、こちらの記事に詳しく書いてありますので、是非参考にしてみてください!

手づかみ食べのせいで、ご飯粒が床に散乱…片付けるのが大変で困っています。

あきこ先生
あきこ先生

手づかみ食べができるようになると、床に食べこぼしが転がって、掃除の手間やストレスも増えがちですよね。イライラしないために、事前に対策を講じましょう。

事前にできること

  • 受け皿のついたエプロンをつける
  • 床にレジャーシートや新聞紙を敷く
あきこ先生
あきこ先生

こうすることで、食べこぼしが散乱するのを防ぐことができますよ。

Manami

お皿を落として食べこぼしが出てしまう場合は、どうしたら良いですか?

あきこ先生
あきこ先生

吸盤付きのお皿やお食事マットを使うと良いでしょう。手づかみ食べは成長において非常に大切なステップです。食事タイムがママのストレスにならないよう、先回りしてできることをやってみてくださいね。

Manami

つかみ食べにおすすめのレシピはありますか?

あきこ先生
あきこ先生

食べこぼしを広げないということでいうと、次のような料理がおすすめです。

  • 小さく丸めたおにぎり(10g程度)
  • 蒸し野菜スティック(にんじん、大根がおすすめ)
  • 食パンスティック

その他にも、大人が食べる卵焼きやハンバーグなどをコロコロと小さく切ってあげると、つかみ食べしやすくなるのでおすすめです。

Manami

これだと食べこぼしも気にならないですね。私もやってみます!

子どもがじっと座って食べてくれません。どうしたら良いですか?

あきこ先生
あきこ先生

0歳児の場合、食事のときに気が散って動き回ろうとするのは仕方のないことです。

食事の時間にはおもちゃを片付け、テレビを切って、「いただきます」と「ごちそうさま」を習慣にしましょう。

立ち上がったり遊び始めたりしたら、「ごちそうさま」をさせて一旦食事を下げます。
こうすることで「ごちそうさま」の後には、ご飯が食べられないということをだんだん覚えていき、徐々に食事の時間を認識するようになります。

大人がそばで食べていると欲しがってしまうので、子どもの食事を下げたら大人も下げるようにすると良いですよ。

Manami

大人側もしっかりと食事の時間を意識することが大切になりますね。

あきこ先生
あきこ先生

そうですね。大人が動いてしまうと、気になって集中力が切れてしまうこともあります。

一度食事を始めたらできるだけ立ち上がる必要がないよう、準備を整えてから食べ始めることも大切です。

この時期のお子さんが集中力を保てるのは20分程度です。ダラダラと食べ続けることのないように、臨機応変に対応してあげましょう。

まとめ

いかがでしたか?母乳やミルクが中心の食事から、離乳食で10倍粥や野菜スープ、手づかみ食べと、0歳児の食事は目まぐるしく進化していきます。

成長が嬉しいものの、離乳食を始めた途端に下痢をしてしまうなど、心配も尽きませんよね。ですが、赤ちゃんがご機嫌ならアレルギー反応と不安になって病院に駆け込むより、しばらく様子を見てあげると良いでしょう。

一番大切なのは、お子さんが「食べることは楽しいこと」と感じられることです。しっかりと知識を得て、お父さんとお母さんにとってもかけがえのない時間にしていただけると嬉しいです。

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この記事を書いた人

Manami
広島県在住。0歳女の子の子育てに奮闘するママライターです。 自分が今まさに「知りたい!」と思っているテーマを、皆さんに分かりやすくお伝えします!

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