子どもが夢中になる“ごっこ遊び”。その姿を見て「楽しそうだな」と思う一方で、「これってどういう意味があるんだろう?」と感じたことはありませんか。
この記事では、保育を学ぶ学生が、実際に現場で子どもと向き合う保育士さんにお話を伺いながら、ごっこ遊びの背景にある子どもの発達や心の動き、そして保護者ができる関わり方についてわかりやすく紐解いていきます。
「遊びの中にある学び」を知ることで、子どもとの時間がもっと豊かに、もっと深くなっていくはずです。

ちか先生
県外の保育園で勤務した後長野に戻ってきました。みらいくに入職し4年目となります。子どもたちの「やってみたい!」という思いを大切に、なんでも一緒に取り組み、楽しみながら保育をしています!
子どもがごっこ遊びをする理由

子どもは、どうしてあんなにごっこ遊びが好きなのでしょうか?

子どもは、日々の生活の中で見たり感じたりしたことを、自分なりに理解しようとしているんです。実はごっこ遊びは、その「再現の場」。安心して試せる「自分の小さな世界」なんですよ。

つまり、遊びながら現実を整理しているということですか?

その通りです。大人の真似をすることで、自分の役割や人との関係を学び、心の中の不安や興味を形にしているのです。
ごっこ遊びは、子どもが自分の感じたことを表現し、納得するための大切な手段です。そのため、社会性・言語・感情の発達を同時に育む貴重な時間になっているんですよ。
育つ力は想像・協調・言語

ごっこ遊びは、具体的にどんな能力が育つのですか?

役割を演じることで「想像力」が広がり、相手とのやりとりを通して「言葉の使い方」や「譲り合う大切さ」、「相手を待つ力」も身につくので、協調性が育ちます。

なるほど、遊びの中で自然に覚えていくのですね。

そうです。子どもにとって遊びは“学びの場”そのものなのです。さらに、相手の気持ちを考えながら役を演じることで、思いやりや共感力も育まれます。
話せなくても伝えられる

話すことが苦手な子でも、ごっこ遊びに入れますか?

もちろんです。言葉が少なくても、身振りや表情、道具の使い方でしっかりと役割を演じていて、そこには豊かなコミュニケーションがあります。
言葉以外の表現が育つことで、言葉への興味や意欲にもつながっていきます。実際に2歳くらいの子も大人の真似をし、楽しんでいますよ。
人見知りでも遊びで心が開く

でも、人見知りの子は、そもそもごっこ遊びに入りづらいんじゃないですか?

確かに最初は距離を取ることもありますが、好きな遊びや安心できる相手がいると、少しずつ自分の世界を広げていきます。

人見知りの子を、無理に誘わない方がいいでしょうか?

はい。「遊びたい気持ち」が芽生えるタイミングを待つことが大切です。ごっこ遊びは、子どもが自分のペースで人と関わる練習にもなるんです。
保育士はそっと支える役

保育士さんは、ごっこ遊びにどう関わっているのですか?

私は、子どもが自由に発想できるように“聞き役”や“脇役”としてそっと寄り添います。必要な時だけ、物語の流れを支えるようにしています。
子どもが自分の世界を安心して広げられるように、邪魔せず、でも見守る姿勢が大切です。 基本的に保育士は道具の準備など、環境設定をすることで、子どものイメージを広げるサポートをしています。
ケンカも成長のきっかけ

ごっこ遊びの中で、ケンカになったりすることもありますか?

ありますよ。役の取り合いや、ルールの違いでぶつかることもあります。

そういう時はどうするのですか?

子ども同士がどうしたらうまくいくかを考える時間として、すぐに介入せず、見守ることを大切にしています。トラブルを通して、相手の気持ちを知ることや、自分の気持ちを伝える練習にもなるんです。
苦手な子には自然な導き

ごっこ遊び自体が苦手な子もいますか?

はい、います。そういう子は無理に誘わず、絵本や実体験から興味を引き出すようにしています。
例えば、一人でも絵本の中のキャラクターになってみるところから始めると、自然に遊びの世界に入っていけることがあります。
遊びで広がる社会の理解

ごっこ遊びの中で、実際に子どもの成長を感じる瞬間はありますか?

はい、たくさんありますよ。以前、「お医者さんごっこ」をした時、最初は子ども全員がお医者さんを演じたがり、保育士が患者さん役をしていました。でも、保育士が「頭が痛いんです」「歯が痛いんです」とリアルな演技すると、「次やりたい!」と患者役をやりたがるようになります。
子どもも「手が痛い」「足が痛い」と上手に役割を演じているのを見ると、目の前で成長を実感できます。

遊びの中で、世界の広がりを感じるんですね。

ええ、子どもは遊びながら世界を吸収しているんです。役割を通して、社会の仕組みや人との関係を自然に学んでいるんですよ。
身近な素材が創造力を育てる

ごっこ遊びに使えるおすすめの道具はありますか?

幼児になると、空き箱や布、紙コップなど、日常の中にある“何でもないもの”こそが、子どもの創造力を最大限に引き出す魔法のアイテムになります。
決まった使い方がないからこそ、子どもは自由に発想できるんです。1~2歳児くらいだと、大人が使っているものと同じものを使えることを喜ぶので、おもちゃではなく本物の調理器具・掃除機や、よりリアルなおもちゃを使うのもおすすめです。
忙しくても親が関われる遊び方

忙しい親でも、ごっこ遊びに関われますか?

もちろんです。5分でも「ちょっとだけ参加」するだけで、子どもは嬉しいものです。

たった5分でもいいのですか?

子どもは親から「あとで続きを聞かせてね」と声をかけてもらえるだけでも、「自分の世界を大切にしてもらえた」と感じます。短い時間でも、子どもにとっては大きな安心につながります。
ごっこ遊びは感情の練習場

ごっこ遊びの中で、子どもが本気で怒ったり、泣いたりすることもありますか?

ありますよ。遊びの中で感情を出すことは、子どもにとってとても自然なことです。ごっこ遊びは、感情を安全に表現し、整理する練習の場でもあるんです。

遊びの場で本気で怒ったり泣いたりすることも、心の成長にもつながるんですね。

そうです。自分の気持ちを理解し、相手の気持ちにも気づけるようになることで、人との関係も豊かになっていきます。
ごっこ遊びから広がる創作の世界

ごっこ遊びは、「物語を作る力」も育てるのではないでしょうか?

はい、つながりますよ。子どもは遊びの中で「こうだったらいいな」「次はこうしよう」と物語を展開していきます。

それって、創作力や表現力にも関係していますよね?

ええ、まさにそうです。ごっこ遊びは、子どもが自分の世界を創り出す力を育てる、創作の原点なんです。
まとめ
ごっこ遊びは、子どもが感じたことや見たことを整理し、表現するための大切な手段です。子どもは遊びの中で、社会性や言語力、感情のコントロール、創造力など、さまざまな力を自然なかたちで育んでいきます。
保育士さんとの対話を通して見えてきたのは、子どもたちが遊びながら現実世界を理解し、自分自身を育てているということ。そして、保護者がその遊びにどう関わるかが、子どもの安心感や自己肯定感にも大きく影響するということです。
忙しい毎日の中でも、ほんの少しの時間でできる関わり方があります。子どもの「遊びたい気持ち」に寄り添いながら、一緒に成長の瞬間を楽しんでみませんか。

日本女子大学家政学部児童学科2年の学生ライターです。大学では多角的な視点から子どもの特徴を学ぶために様々な保育の講義を受けています。子育てに関わる人たちへ、分かりやすく役立つ記事で新たな発見や素敵な情報をお届けしたいです!
