子どものイヤイヤ期は、想像を絶するほど大変ですよね。
何に対してもイヤイヤ言って泣いたり、ご飯や寝る時に泣いて拒否したり、子どもが可愛くてもストレスが溜まる一方かもしれません。
イヤイヤ期がいつまで続くのか?できれば、イヤイヤ期が早く終わって欲しいと思う方もいるはずです。
そこでここでは、子どものイヤイヤ期の乗り越え方について、長野県立大学 健康発達学部 こども学科 准教授の金山美和子先生にお聞きしました。
このまま続きを読み進めると、次の3つが分かります。
- イヤイヤ期が始まる年齢
- 公共の場での子どもへの接し方
- 保護者の感情のコントロールのコツ
お子さんのイヤイヤ期の対処方法が分かるはずなので、このまま続きを読んでみて下さい。
こども学科 准教授
金山美和子先生
上越教育大学大学院 学校教育研究科幼児教育専攻修了 修士(教育学)大学卒業後、新潟県内の私立幼稚園に11年間勤務。
上越市女性相談員、上田女子短期大学専任講師、長野県短期大学講師を経て2018年より現職。
目次
イヤイヤ期いつから?どうして始まるのでしょうか?
子どものイヤイヤ期は、いつからどうして始まるんでしょうか?
イヤイヤ期は、1歳半を過ぎてから個人差もありますが、だいたい3歳を過ぎるくらいまでの間に訪れるものと言われています。
言葉や身体、心が成長発達していく過程で、どの子にも現れる時期ともいえます。成長発達しているからこそ訪れるもの、という風に考えて頂けると良いと思います。
その子なりにやってみたいことがあったり、やりたいことが増えてくる事を「自我の芽生え」とも言います。
しかしまだ身体機能が発達していないために、やってみたいことがあるのに上手くできない事も多く、やりたい欲求と上手くできないことのせめぎ合いで、イヤイヤスイッチが入ってしまうようです。
最近の脳科学の研究で、抑制機能を司る前頭前野というところの発達が、子どもの頃は十分ではないことが分かっています。
そのため、この時期の子どもはまだ上手く我慢ができないんですね。
親御さんの育て方が悪いのではなく、脳の機能の関係で我慢が難しい時期ということが分かっています。
「帰りたくない」と言われたときは?
親がそろそろ帰ろうかと言っても、子供はまだ帰りたくないと言ったり、なかなか時間通りにいかないことも多いのですが、そういう場合はどうしたら良いでしょうか?
そのような時は、子どもに満足したなという気持ちを与えること、見通しを持たせること、子どもに選ばせることが有効ではないかと思います。
子どもがやりたいと思ったことや、一生懸命取り組んでいることを邪魔しないというのは、子育ての中ではすごく大事なことなんです。
でも、どうしても帰らなければいけないような時には、親が早めに見通しを持って、子どもが気分を切り替えられるような選択肢を作ってあげると、割とすんなり帰れるようになるかなと思います。
公共の場で静かにできないときは?
公共の場で静かにできない時は、周りの目線も気になってしまいます。
公共の場で静かにできないというのは、イヤイヤ期だけでなくて、小さい頃だけでなく、子ども全体で言えることでもあります。
退屈しないですむように、子どもが楽しく時間を過ごせるような道具を持ち歩くのも一つの手です。
また、少しずつお手本になるようなことや態度を伝えて、自分がどう過ごせば良いかを身につけさせると良いかなと思います。
子どもが我慢できていたり、良い態度の時には、騒ぎ出す前に「〇〇ちゃんとても素敵に待っていられるね、大きくなったんだね」と認めてあげてみて下さい。
すると、子どもも、もう少し頑張ろうかなという気持ちになってくれるので、そういうのも大切にできると良いかなと思います。
お菓子やおもちゃで、子どもの機嫌をとるのは良い?悪い?
子どもが泣いたり怒ったりしている時に、機嫌がよくなるようにお菓子やおもちゃを与える事は悪くないですか?
お菓子やおもちゃは、イヤイヤスイッチがなるべく入らないように、気分を切り替えるとか、気持ちを落ち着かせる最終手段として取っておいてもらえると良いと思います。
駄々をこねたからすぐにあげるのは、お菓子をもらうために駄々をこねるようになるのではと親も気になりますよね。
いつも食べているような体に良いおやつを「じゃあおやつ食べる?ちょっとお水を飲む?外で風にあたってこようか?どれがいい?」みたいに、子どもに選んでもらうなど、気分を変えるための手段として使うと考えていただけると良いと思います。
保護者の感情のコントロールについて
子どもに何を言ってもイヤイヤと泣かれたり、親自身も自分の気持ちをコントロールするのが難しいなと感じます。
子どもと2人きりでずっとイヤイヤと言われると、気持ちが爆発しそうになりますね。
つい声を荒げて「あとで言うんじゃなかった」「こんなに叱るんじゃなかった」と思う親の声はよく聞きます。
対処法として、危険がなければ、とりあえず泣きたいだけ泣かせておくのも一つの手です。
なだめたり、なぐさめようと声をかけ続けると、だんだん親もヒートアップしてしまうので、距離を置いてみて下さい。
その間に、親はトイレにこもって好きな歌を1回歌って出るとか、顔を洗ってさっぱりしたりして気分を変えることも1つの手段です。
あとは、子育て仲間をつくってみて下さい。
支援センターや子育て広場などに行ってみると色んな親子がいるので、他の親たちと話をするだけでも、すごく気持ちが軽くなるはずです。
イヤイヤ期はそんなに長い期間ではないと思うのですが、真っ最中にいると出口が見えない辛さがあると思います。対処法を色々自分なりに考えてみてもらえたらいいかなと思います。
先生から保護者さんへのメッセージ
まさに今イヤイヤ期の子どもと向き合っているお母さんや、これからイヤイヤ期を迎えるお母さんに向けて、一言お願いできますでしょうか?
イヤイヤ期は、今の子どもたちに特別あることではありません。人間の成長発達の中で、誰もが通る道なんですね。
なので「辛いのは、あなただけではありません。同じように悩む方がいますよ」と伝えたいです。
イヤイヤ期は、厄介で子どもの扱いに困る時期と思われることもありますが、目標に向かって頑張る力や人と関わる力、自分の感情をコントロールする力など、非認知能力が育つ大切な時期です。
日頃から子どもが夢中になっていることに、存分に向き合わせてあげる時間をたっぷり作ることや、そういう機会をたくさん作ってあげてみて下さい。
また、我慢ができた時に「よかった」と、子どもと一緒に喜んだり、認めてあげたりすることをたくさんして頂いて、子どもの成長を楽しんで頂ければと思います。
そして、子どもが大きくなった時に「あなたのイヤイヤ期は、こうだったのよ」と言ってあげようと思いながら、頑張っていただけると良いかなと思います。
イヤイヤ期を乗り越えたら、お母さん自身も大きく成長できそうな気がします。
まとめ
ここまで、子どものイヤイヤ期の乗り越え方について、長野県立大学 健康発達学部 こども学科 准教授の金山美和子先生にお聞きしました。
子どもと2人きりで何でも間でもイヤイヤ言われると、ストレスが溜まって気持ちが爆発しそうになるかもしれません。
そんな時は、ここでお伝えしたことを試してみて下さい。
また、親御さん自身が、子どものイヤイヤ期への対処方法を見つけてみることも大切です。
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