「歯磨き習慣は小さい頃から身につけておいた方がいい!」とは聞くけれど、いつから歯磨きをスタートしたらいいのか、悩みませんか?
子どもの頃から歯磨き習慣を身につけて、大人になっても健康な歯を維持していてもらいたいですよね。
今回は、歯磨きのスタート時期や、歯磨き方法、嫌がる子どもへの歯磨きの仕方などについて、中野市の医療法人延徳歯科医院の小児歯科医・仲川なぎさ先生にお話を伺いました。
新潟大学を卒業後、予防歯科の第一人者である山形県日吉歯科診療所の熊谷 崇先生のもと、予防的な小児歯科診療を学ぶ。その後、2011年に出身地である長野県中野市にて、同じく日吉歯科診療所で成人診療を学んだ夫と共に、延徳歯科医院を開院。地域に根ざしたホームドクターとして、患者さんの一生を予防歯科を通じてサポートできるよう、体制を整えている。
この記事を読むと、次の3つが分かります。
- 歯磨きのスタート時期
- 子どもの歯磨きの頻度
- 歯の成長時期に気をつけたい歯の磨き方
- 嫌がる子どもへの歯磨きの仕方
目次
歯磨きのスタート時期はいつ?
赤ちゃんの歯磨きっていつ始めたらいいのかわからなくて。適切なスタート時期について教えてください。
1本でも歯が生えたら、歯磨きのトレーニングを始めましょう。月齢で、平均6ヶ月ごろから、下の前歯から生えるお子さんが多いです。
歯が生える前に、子どもの口内ケアでなにか対応した方がいいことはありますか?
ケアについては、歯が生えてからで良いと思いますが、、歯が生えていきなり歯ブラシを口に入ってくることに抵抗感のある子もいるでしょう。ですので、歯が生える前でも普段から口の周りを触ってあげることは、歯磨きの導入に有効かと思います。
どれくらいの頻度で歯を磨けばいい?
実際に、どれくらいの頻度で歯磨きをすればいいのでしょうか?
歯磨きの大きな目的は、フッ素の作用なので、1日2回以上の使用が効果的です。そのうち1回は、お家の方からの仕上げ磨きをしてくださいね。
仕上げ磨きはどのタイミングで行うのが適切ですか?
夜寝る前が1番良いですが、眠くて嫌になってしまうようであれば、日中の機嫌の良い時でいいと思います。
また、その時に使用するフッ素の効果が最も大切なので、ぜひ使っていきましょう。
子ども用のフッ素のジェルやスプレーはドラッグストアでも販売していますよね。
はい。スプレータイプは使いやすくていいですね。どのタイミングでも大丈夫なので、お子さんの機嫌のいい時に吹き付けてあげてください。
【月齢別】歯の成長時期に適した歯磨きアイテムと歯磨き方法
実際に子どもの歯の成長時期によっておすすめのアイテムや歯磨きで気をつけたいポイントを教えてください。
歯磨きにおいて大切なのは、虫歯になりやすい部分を知ってもらうことです。
乳歯のむし歯になりやすいのは、上の前歯の歯と歯の間、奥歯の溝と歯と歯の間です。
その時に生えてきたばかりの歯が虫歯になりやすいんですか?
確かに、生えたての歯は柔らかく、唾液やフッ素にさらされて強くなっていきます。唾液に多くさらされている下の前歯は最も虫歯になりやすい場所。それよりも、奥歯や上の前歯などの、虫歯になりやすい場所が仕上げ磨きの重要なポイントになってきます。
なるほど、ありがとうございます。
歯磨きの際におすすめなアイテムについても教えてください。
おすすめのアイテムは以下の2つです。
- フッ素
- フロス
フロスは大人が使うイメージがあります!
歯ブラシのスタートと一緒にフロスも始めてみるのがおすすめです。
歯ブラシよりもフロスの方が好きだというお子さんもいらっしゃるので、「ある程度の年齢になってからでいいかな」とは思わなくてもOK。
むしろ、奥歯など虫歯になりやすい場所は、歯ブラシだけだと汚れを落としきれません。どんなに歯ブラシで歯を磨いても、汚れの4割くらいは残ってしまうと言われています。
ですので、フロスと歯ブラシを併用してケアしていただくことが理想的ですね。
なるほど!積極的にフロスを使ったほうがいいのですね。でも、フロスっていろんな形状がありますよね。おすすめはありますか?
お父さん、お母さんが扱いやすいものが一番いいと思います。
まずは、おうちの方が自分の歯で試してみて、力加減を理解してからお子さんに使ってみるのがよいでしょう。Y字の柄のついたものは、比較的使いやすいかもしれませんし、テープタイプのものは経済的です。
歯磨きを嫌がる子どもへの歯磨き3つのコツ
我が家にも1歳児がいるのですが、口を開けてくれなかったり、歯ブラシを噛んだりと歯磨きを嫌がることが多くて……。歯磨き嫌いな子どもへの歯磨きのコツを教えてください!
歯磨き嫌いになってしまう原因としては、痛かったり怖い思いをしたことがあったのかもしれませんね。本来、歯磨き自体は、サッパリとして気持ちのいいことだったはずです。
お家の方が真剣になるあまり、強いブラッシングになったり、押さえつけると、嫌な経験になりやすいかもしれません。
そうですよね……。我が家でも思い当たるふしがあります……。
お子さんの歯磨きは慣れるまで、なかなか難しいですよね。
対策は2つあります。
- 歯を磨く姿勢を意識すること
- 痛みを感じないようブラッシングすること
まずは、歯を磨く姿勢を意識することについて。
仰向けに寝っ転がることに抵抗のあるお子さんもいるでしょうから、お子さんを座らせて、親が背中側に回り込み、上を向いて口を開けてもらうようにしてみましょう。
その際に、対面にならないように気をつけてください。対面での歯磨きですと、ブラシが喉を突いてしまう可能性があり大変危険です。
そして、痛みを感じないようブラッシングをすることについて。
上唇をめくったところにある小帯というひだを指で覆うように保護すると、痛みを感じにくいでしょう。注意して磨いてみてください。
わかりました!その2点に注意して歯磨きしてみます。
ぜひ、試してみてください!そうはいっても、一度経験した歯磨きへの苦手意識を払拭するのはなかなか難しい部分もありますよね。
ですので、むし歯になりやすい場所を知り、フッ素の力を借りながら手早く行いましょう。汚れを100%落とすことはできませんので、それ以外のむし歯菌の感染や、食習慣など総合的に意識してもらうことが大切です。
ありがとうございます。最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
ぜひ、お子さんに歯が一本でも生えたら、歯科医院に通い始めてみてください。
今の歯科医院は、むし歯の治療をするところだけでなく、予防をするところです。泣いたり、暴れてしまうかも、と遠慮しなくて大丈夫ですよ。
ご家庭での負担を減らせるように、歯科医院を上手に利用していってくださいね。
まとめ
今回は、中野市の医療法人延徳歯科医院の小児歯科医・仲川なぎさ先生に聞いた、子どもの歯磨きのスタート時期と方法、歯磨きのコツについてお伝えしました。
改めてまとめると、次の通りです。
- 歯磨きのスタート時期は、歯の生え始める6ヶ月ごろからのスタートが好ましい。
- 歯磨きの頻度は、1日2回以上。そのうち1回は仕上げ磨きを。
- 仕上げ磨きのタイミングは夜がベストだけど、子どもの機嫌のいい時でOK。
- 歯ブラシと併用してフロスとフッ素を使用すると虫歯予防により効果的。
嫌がる子どもの歯磨きには、歯を磨く姿勢を意識し、手早く痛みを感じさせないブラッシングを心がける。
いつ、どのように始めたらいいのかわからない子どもの歯磨き。適切なタイミングで、適切な方法を身につけたいですね。もしもわからないことがあったら、歯科医院に足を運ぶことも大切。
子どもが丈夫な歯を保ち続けられるよう、心がけましょうね。
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この記事を書いた人
1990年長野県佐久市出身。
2017年よりフリーライターとして活動開始。どこでも地元メディア「ジモコロ」などウェブメディアを中心に執筆を行う。
2018年4月に「シンカイ」の店長になり、佐久市から長野市に引っ越す。2020年に出産し子育て中。