「子どもが小学生になったら、自分で料理してくれたら良いなあ…」
「子どもにやらせるとキッチンを汚されて嫌だ」
このような、子どもと一緒に料理する時の悩みにお答えします。
子どもが料理好きになって、自分でいろいろ作れるようになってくれたら嬉しいですよね。
そのためには料理を教えなくてはいけませんが、親自身が料理を苦手に思っていると、ちゃんと教えられるか不安になってしまいます。
そこで今回は、一般社団法人 日本キッチン育児協会 代表理事の大口知子さんに、子どもと一緒に料理する時のポイントについてお聞きしました。
この記事を読むと、次の6つがわかります。
- 料理を始められる年齢
- 料理の時間が掛かったり汚れたりする時の工夫
- 子どもが料理に興味を持たない時の対処法
- 子どもが途中で料理を投げ出さない方法
- 危険を伴う作業の教え方
- 親が料理が苦手でも子どもに教えられる理由
お子さんと料理を楽しむ方法が分かるはずなので、このまま続きを読んでみて下さい。
大口知子さん
職業:(一社)日本キッチン育児協会代表理事、フードコーディネーター、ライター、簡単レシピ研究家、ゆめママキッチン店長、サポママ@ながの共同代表
食を大事にすることで自分を大事にできる子どもと大人が増えると、社会がもっと明るく幸せになるに違いないという思いで仕事をしている。
目次
子どもに料理を教えるのは、何歳頃から?
料理に親しんでもらうには、何歳ごろから始めるのが良いでしょうか?
料理は2歳ごろから始められます。
始める判断の基準は、大人の言うことが分かるかどうかです。具体的には、「危ないよ」「やめてね」という注意がわかれば、料理を始めても大丈夫です。
2歳の子どもには、どんなことを手伝ってもらえますか?
まず初めに、危ないことを伝えるのがとても大切です。
キャベツやレタスといった葉物野菜をちぎる作業など、遊びの延長でできる事を手伝ってもらえます。
周りが水でびちゃびちゃになってしまっても怒らず、「ビリビリってできたね!」と声を掛け、一緒に楽しむのが大切です。
子どもに料理を手伝ってもらうには?
子どもに手伝ってもらうのは、時間が掛かったり汚れたりするので、あまり気乗りしません。どうしたらいいでしょうか?
「時間が掛かる」「危ない」「汚れる」といったことは、皆さん思うことです。私もそう思っていました。
でも、ちょっと考えてみて下さい。子どもが小学生や中学生になった時に、自分で自分の食べるものを確保できた方が、ずっと良いと思いませんか?
長い目で見て、いろいろなことにトライさせ、子どもの成長に繋げてあげて下さい。
確かに汚れるし時間も掛かりますので、フルタイムで働いているなどなかなか時間が取れない場合は、週末だけでも構いません。
お母さんのストレスにならない程度に、できる時に一緒に楽しんで下さい。
子どもに料理に興味を持ってもらうには?
子どもが興味を持ってくれなかったり、すぐに飽きたりしてしまいます。そんな時、どんな声掛けや教え方をしたらいいですか?
教えようと思うのではなく、一緒に楽しむスタンスが大事です。
子どもにも疲れている日や、興味が出ない日があります。それは大人も一緒ですよね。
なので、興味がある時もない時もどちらもあって当たり前だと気楽に構え、子どものやる気や興味を大切にして下さい。
例えば、なんとなくキッチンに近づいてきて、やりたそうだなと思ったら「一緒にやる?」と声をかけてみて下さい。
「やりたい」と言われたら一緒に楽しみ、「やりたくない」と言われたら無理に誘う必要はありません。
お子さんの気持ちに気付けるよう、保護者も常にお子さんに対して心を向けていることが大切です
料理の途中で投げ出さない方法は?
子どもが途中で「もうやだ」と投げ出してしまった時は、どうすればいいですか?
よくあるのが、お母さんが途中で手出しや口出しをしたために、子どもが自分のやりたいことを全うできず、嫌になってしまうケースです。
なので、危ないことだけ最初にしっかり教えて、あとは手出しや口出しをせずに好きなようにやらせてあげると、途中で投げ出すことが減らせるはずです。
仕上がりの形や色が悪かったり、量が多すぎたり少なすぎたりするかもしれません。
そんな時、「切り方がちょっと大きすぎる」「だしを入れすぎる」などと言いたくなってしまう気持ちはわかります。
でも、最後まで自由にやらせ、達成感を味わわせてあげるのが大切です。
それでも途中で嫌になってしまった場合は、「それはそれでよし」と考え、あとはお母さんが引き継いであげて下さい。
包丁などを使った料理は何歳くらいから?
包丁の扱いなど危険を伴う作業は何歳ごろから始められますか?その際、親はどうやってサポートしたら良いでしょうか?
2歳ごろで、「危ない」など大人の注意が理解できれば始められます。
始める前に、包丁なら「野菜やお肉を切れるけど、使い方を間違えると手も切れてしまう」と教えたり、火が熱いということを教えたりと、危険を知らせて下さい。
キッチンがIHで火の怖さを教えられない時は、カセットコンロで教えるのがおすすめです。
カセットコンロに火をつけて、手を高いところから少しずつ降ろして火に近づけます。すると熱さを感じ、「熱い」と子どもが体感できます。
「危ないから触らせない」と危険から遠ざけても、成長に繋がりません。「どうして危ないか」を体験させる方が、理解が深まります。
親が料理が苦手でも、子どもに教えても大丈夫?
料理が苦手でも、子どもに教えられますか?
料理が苦手な人の多くは「私は料理を教えられない」とおっしゃりますが、実は料理の得意不得意と教えることは関係がないのです。
私が実施したアンケートによると、意外にも、料理が苦手な人の親御さんが料理を苦手なわけではなかったのです。
同時に、料理が得意な人の親御さんが料理を得意なわけでもありませんでした。
では何が違ったかというと、料理が苦手な人は「子どもの頃に料理をする経験がなかった」「料理をやらせてもらえなかった」「キッチンに入れてもらえなかった」と、料理経験が少ない人が圧倒的に多かったのです。
このことから、料理には経験がとても重要だとわかりました。
すごく美味しい料理とか、すごく凝った料理とかでなくても構いません。自分で作って食べ、生きていく力さえ身に付けばいいのです。
小さいうちに、小さなことから経験させてあげるのが大切です。
先生からのメッセージ
最後に、保護者へのメッセージをお願いします。
料理は「完成」という結果が見えやすく、達成感もあるので、自己肯定感を育むことができます。ぜひ子どもが小さいうちからたくさん経験をさせてあげて下さい。
そのためには、お母さんの考え方を変えることが重要です。
長い目で見て「子どもが大きくなった時に料理できるようになったらいいな。それにはどうしたらいいんだろう」と考えてみて下さい。
過去には、「子どもが冷蔵庫を開けるたびにイラっとしていたけど、自分の考え方を変えたら、子どもが冷蔵庫を開けて食べ物を出して自分で食べているのを見て感動した」という方もいました。
このようにお母さんの視点や考え方が変わることで、料理の技術だけではなく親子関係もとてもよくなると思います。
子どもと一緒に料理できる期間は短いですので、「できた」という感動の共有や、「楽しい」という思い出をたくさん作って下さい。
まとめ
ここまで、一般社団法人 日本キッチン育児協会 代表理事の大口知子さんにお聞きしたことをお伝えしました。
改めてまとめると、次の通りです。
・注意の言葉がわかる2歳ごろから料理が始められる
・時間が掛かったり汚れたりしても、長い目で見て料理を経験させるのが大切
・料理を教えようと思わず、子どものやる気を尊重して一緒に楽しむ
・口出しせず、最後まで好きにやらせてあげる
・危険なことは言葉だけでなく、体験させることで理解が深まる
・親の得意不得意は関係なく、経験することで料理が好きになる
子どもと一緒に料理をする時に、ぜひ参考にしてみて下さい。
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