朝ごはんは一日の活力であり、保育園の給食までの時間を元気よく過ごすための大切なエネルギー源です。
朝、保育園に登園してきてもぼんやりしている子どもや、「朝ごはんを食べていない」と言う子どもがいますが、保育園の主たる活動は午前中に行われるものが多いです。保育をする立場としては、朝ごはんは必ず食べてきてほしいですよね。
今回は大事な朝ごはんを食べない子どもがいる理由やその対策について、学生が栄養士の松島先生にインタビューしました。この記事を読むと、次の3つのことがわかります。
- 子どもの朝ごはんの重要性
- 朝ごはんを習慣化させる方法
- 朝ごはん継続するために気をつけること
1歳くらいから意識した方が良い食習慣や、朝ごはんを食べない子どもがいる理由やその対策を理解して、今後の子育てに生かしましょう!
松島りお
子どもの食を支えていきたいと思い栄養士を目指しました。給食や食育活動を通して食の大切さを伝えられるように
日々業務に取り組んでいます。
目次
子どもの朝ごはんはどうして大事なの?
こんにちは。「子どもの朝ごはんは大事」ということはよく耳にしますが、改めて子どもの朝ごはんはどうして大事なのかを教えてください。
朝ごはんを食べないと脳や体の動きが鈍くなる
簡単に言うと、朝ごはんを食べないと脳や体の働きが鈍くなってしまうからです。
脳を働かせるエネルギーは糖質(ブドウ糖)ですが、前日に夕食で食べた糖質はほとんどが睡眠中に消費されてしまうため、朝目が覚めた時には低エネルギー状態になっています。そのため、朝ごはんを食べないと子どもはエネルギーの維持ができなくなってしまうのです。
そうすると活発に遊ぶことが難しくなり、ぼんやりとしている様子が多く見られるようになります。また、体温も上がらないため、集中力や記憶力も低下し、集中して物事に取り組めなくなることもあると思います。
きちんと朝ごはんを食べれば、エネルギーや栄養素を摂取することはもちろんのこと、体温も上がりますし、活発に集中して遊ぶことができるのですよ。
朝ごはんを食べるか食べないかで、午前中の活動の仕方が変わるのですね。
朝ごはんを食べられないのはなぜ?
なかなか朝ごはんを食べない子どももいると聞いたのですが…、なぜ朝ごはんを食べられないのでしょうか?
朝ごはんを食べられない理由には、生活リズムの乱れが関係していると考えられます。
子どもの食事の時間や寝る時間が毎日バラバラだと、生活リズムが乱れ、体や心の不調につながります。自律神経のバランスを整えるには、生活リズムを整えることが一番です。そこで大切になってくるのが「早寝・早起き・朝ごはん」の習慣なのです。
1日は24時間ですが、人間の体内時計は25時間周期となっており、少しズレがあります。そのズレを修正する働きがあるのが「朝ごはん」です。
朝ごはんを食べることで体内時計がリセットされ、夜には自然と眠くなります。そうなれば、朝早く起きることができ、朝ごはんを食べる時間が生まれます。反対に、夜更かしばかりしていると、朝起きられず、朝ごはんを食べる時間もなくなり、体内時計もリセットされず、夜もなかなか眠くならないという悪循環に陥ってしまいます。
朝ごはんは年齢関係なく大切なことなので、しっかりと食べられる1歳ごろから意識したいですね。
なるほど、朝ごはんを食べる前の生活習慣そのものが重要なのですね。
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朝ごはんにおすすめの献立は?
朝ごはんの大切さはよくわかったのですが、実際にどのようなものを食べるとよいのでしょうか?
朝ごはんに限ったことではないですが、和食の「一汁三菜」を意識すると栄養バランスのとれた献立になりやすいと言われています。
「一汁三菜」とは和食献立の基本とされているもので、主食(お米など)に加えて、汁物とおかず(大・中・小の3種類)を組み合わせた献立のことを言います。これを意識して準備すると、とてもバランスのとれた朝食になります。
朝ごはんを習慣化させるコツ
栄養バランスのとれた朝ごはんを習慣化させるためのコツはありますか?
そうですね、朝ごはんは継続して食べることが大切なので、できる範囲で少しずつステップアップしていければ良いかなと思います。
朝ごはんを食べる習慣がないご家庭や、忙しくてどうしても朝ごはんを用意することができない日は、代わりにカロリーのある飲み物を飲むようにしましょう。できれば温かい飲み物が望ましいので、牛乳を温めたホットミルクなどがおすすめです。
今回は、朝ご飯を主観化するための4つのステップを紹介します。ご家庭の状況に合わせながら少しずつ実践してみてください。
ステップ① 初めは「飲み物」から
朝食を食べる習慣がなければ、朝ごはんの代わりに飲み物を飲みましょう。
ご家庭によっては朝ごはんを用意する時間がない場合もあるでしょう。そのような場合は飲み物だけでも飲む習慣をつけましょう。できれば「ホットミルク」や「みそ汁」、「スープ」などの温かい飲み物がおすすめです。
ステップ② 主食を取り入れよう
主食とはお米、パン、麺類など糖質を多く含んでいるものです。
先ほども言った通り、朝ごはんにエネルギー補給は欠かせません。また、少しずつ朝に固形物を食べる習慣をつけるようにしていきしょう。
ステップ③ 主菜を取り入れよう
主菜とは魚、肉、卵、豆類などのたんぱく質を多く含んでいる料理のことです。
子どもの成長の中で大切な役割を持っている栄養素のひとつなので不足しないよう、朝ごはんに取り入れていきたいですね。
ステップ④ 野菜や果物を使ったおかずを取り入れよう
最後に野菜や果物を使った、サラダや和え物などを取り入れ、ビタミンやミネラルなどを補給できるようにしていきましょう。
このようにステップアップすることで、子どもが朝ごはんを嫌がらなくなっていくのではないでしょうか。
「一汁三菜」を全て手作りするのは大変なため、主菜を納豆にしてみたり、サラダは昨日の余ったもの使うなど、前日の余りやインスタントなどを使うといった工夫ができると、朝ごはんの準備にかかる負担が少なくなります。
朝ごはんを食べるために気をつけることは?
少しずつステップアップしていけば、無理なく朝ごはんを食べる習慣を作れそうですね。他に何か気をつけることはありますか?
先ほども言ったように「生活リズム」を整えていくことが大切です。朝ごはんの30分から1時間ほど前に起きていると、体も目覚める時間があるので食欲がわき、意欲的に朝ごはんを食べられるようになります。
さらに朝ごはんをしっかり食べるために、夕食は就寝する2時間前までに済ませましょう。そうすることで、起床してしばらくするときちんとお腹が空く状態になり、さらに意欲的に食べられるようになるでしょう。
まとめ
子どもが朝の時間を活動的に過ごすためには、朝ごはんがとても大事であることがわかりました。
また、朝ごはんをしっかり食べられるようになるためには、前日の夕食の時間や就寝時間、起床時間のサイクルを規則正しく整えていくことが必要です。
「普段朝ごはんを食べる習慣がなかったから、急に変えるのは大変そう…」と心配な親御さんには、朝ごはんのステップアップ方法をお伝えしてみてはいかがでしょうか。
生活リズムを整え、栄養満点の朝ごはんを食べて、子どもたちが毎日元気に過ごせるとよいですね。
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この記事を書いた人
長野県立大学グローバルマネジメント学科2年の学生ライターです。こどもについてもっと知っていきたいです!