妊婦さんはウイルスに注意!看護師に聞く免疫力をアップさせる食べ物やアクション!!

妊娠してからというもの、感染症への不安を感じていませんか? 感染症が赤ちゃんに及ぼす影響も心配ですね。

そこで、看護師の土屋先生に「免疫力をアップさせる食べ物やアクション」を教えてもらいました。安易に薬が飲めない妊婦だからこそ、免疫力を高める方法を知って、母子ともに健康に過ごしましょう。

なつみ先生
みらいく高田
看護師 土屋なつみ
色々な年齢・性格のお子さんと関わることのできる病児保育室での仕事は、とても楽しくやりがいを感じています。 親御さんとお子さんにとって安心できる存在であることを心がけています。

免疫とは?

yamada
山田

そもそもの話ですが、免疫って何ですか?

なつみ先生
なつみ先生

免疫とは「細菌やウイルス、がん細胞など身体にとって異物と認識されるものが侵入してきたときに、それを排除しようとするシステム」のことです。

通常、細菌やウイルスが体内に侵入すると免疫細胞が働き体内から排除するのですが、何らかの原因で免疫力が低下すると異物を排除しきれず、感染症にかかりやすくなります。 

なぜ妊婦は免疫力が低下するのか?

yamada
山田

妊娠すると免疫力が下がると聞きました。なぜでしょうか?

なつみ先生
なつみ先生

母親の免疫細胞が、お腹の中にいる赤ちゃんを異物とみなして攻撃してしまわないように、体が一時的に免疫力を下げるからです。

そのため妊婦は感染症にかかりやすく、普段なら症状が出ないような弱い感染症でも、重症化してしまう可能性があるため、注意が必要です。

妊娠中の感染症について

妊娠中の感染症のリスク

yamada
山田

妊娠中に感染症にかかると、赤ちゃんにはどのような影響がありますか?

なつみ先生
なつみ先生

妊婦さんがかかってしまうと、流産・早産を招いたり、胎児の奇形や後遺障害を残したりする感染症も中にはあります。

妊婦健診では、いくつかの感染症の抗体検査を行うので、その結果をもとに自分に抗体があるかを把握して、最も身近な配偶者やパートナー、家族からの感染を防ぐことが重要です。

免疫力の低下によって感染症が発症しやすい

yamada
山田

妊婦がかかりやすい感染症はありますか?

なつみ先生
なつみ先生

妊婦だからかかりやすい感染症というものはありません。妊娠しているからかかるのではなく、免疫力が落ちているので発症しやすいということです。

免疫力をアップさせるためには?

yamada
山田

病気にかからないために、とるべきアクションを教えてください。

人混みを避ける

なつみ先生
なつみ先生

まずは人混みを避けて行動しましょう。買い物や仕事などで外出する際には、必ずマスクをつけて、混雑する時間帯を避けましょう。

感染症対策はしっかり行う

なつみ先生
なつみ先生

基本的な感染症対策として、手洗い、うがい、アルコール消毒などを徹底してください。手洗いは30秒かけて、しっかり泡立ててから洗い流しましょう。

体を冷やさない

なつみ先生
なつみ先生

体温が下がると免疫力が低下するので、暖かい恰好をする、体を温める食品を食べるなども効果的です。

yamada
山田

夏の暑い時期にはどのような格好をすれば良いですか。

なつみ先生
なつみ先生

妊婦さんが快適に感じる、過ごしやすい格好が良いと思います。しかし、夏でも冷房で冷えすぎないようにお気を付けくださいね。

適度な運動を行う

なつみ先生
なつみ先生

体を温めるためには、適度な運動もおすすめです。

ただし、激しい運動は胎児にも負担がかかるので、無理なく続けられる有酸素運動が良いでしょう。例えば散歩、ウォーキング、マタニティヨガなどがおすすめです。

なつみ先生
なつみ先生

これらの運動は安定期に入って体調が落ち着いてから行いましょう。不安があるときは医師に相談してから行うことをおすすめします。

yamada
山田

妊娠中期をすぎて、体が重く、あまり動けなくなりました。それでも免疫力を上げるために、運動をすべきですか?

なつみ先生
なつみ先生

お腹の赤ちゃんのためにも、無理はしないようにしましょう。体調と相談し、動くのがつらいときには、ゆっくりと体を休めてください。

腹式呼吸を行い、呼吸を整えて自律神経のバランスを整えることでも免疫力を高めることが期待できます。

妊婦が知っておきたい!免疫力をアップさせる食べ物

yamada
山田

免疫力を高めるために食事で工夫できることはありますか?

なつみ先生
なつみ先生

栄養バランスの取れた食事を適量食べることで、免疫力アップが期待できます。

中でも、次の栄養素は妊娠中に意識して取っていただきたいです。

1.たんぱく質

たんぱく質は、胎児の筋肉や血液を作る材料となります。成人女性は1日あたり50gが摂取推奨量ですが、妊娠中期以降は普段より意識して摂取してください。

目安として妊娠中期では+5g、妊娠後期では+25gを摂取することが推進されています。

なつみ先生
なつみ先生

たんぱく質は肉、魚、卵、大豆などに多く含まれています。

2.葉酸

葉酸はビタミンB群の一種です。特に妊娠初期に重要な、胎児の発育に欠かせない栄養素の1つになります。葉酸が不足すると、先天性の神経管閉鎖障害のリスクがあります。

葉酸は成人女性では1日あたり240μg、妊娠を希望する女性や妊婦では480μgの摂取が推進されています。

なつみ先生
なつみ先生

葉酸は、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜、枝豆や納豆、いちごなどに多く含まれています。

葉酸は水に溶けやすく熱に弱いので、食事から体に吸収される率にはばらつきがあります。
食品から摂取する際は、生で食べる、蒸すなどの調理方法がおすすめですが、必要な量をすべて食事から摂取することは難しいため、サプリなどを併用するとよいでしょう。

3.鉄分

鉄は血液中に含まれるヘモグロビンの材料です。胎児に栄養を送るために、妊娠中は血液の量が増えます。そのため必要な鉄分の量も増えるのです。

月経のある成人女性では1日あたり10~11mgが摂取推奨量とされていますが、妊娠初期では+2.5mg、妊娠中期・後期では+9.5mgの追加摂取が推進されています。

なつみ先生
なつみ先生

鉄分不足は貧血や疲れやすい体になるだけでなく、赤ちゃんに十分な酸素や栄養を届けられなくなってしまうので、積極的に摂取しましょう。

鉄分は、レバーや赤身の魚、大豆やひじきなどに多く含まれています。鉄分の吸収を助けてくれるので、ビタミンCを多く含む緑黄色野菜と一緒に食べることも大切です。

なつみ先生
なつみ先生

ただし、レバーは鉄分以外にビタミンAも多く含んでいます。ビタミンAの過剰摂取は赤ちゃんの奇形につながる可能性があるので、とりすぎには注意しましょう。

4.カルシウム

カルシウムは普段から不足しがちなミネラルの1つです。カルシウムは赤ちゃんの骨と歯を形成するために重要な栄養素となりますので、追加摂取の基準はありませんが妊娠中は意識して取り入れましょう。

なつみ先生
なつみ先生

カルシウムは、牛乳やチーズなどの乳製品、ちりめんじゃこやイワシなどの小魚に多く含まれています。また、カルシウムの吸収をサポートするビタミンDも合わせて摂ると良いでしょう。

5.食物繊維

妊娠すると、ホルモンのバランスが変化して腸の蠕動運動が抑えられたり、大きくなった胎児が腸を圧迫したりすることで便秘になる方が増えます。便秘を予防するために、食物繊維は重要です。

なつみ先生
なつみ先生

食物繊維は水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維の2つに分けられます。

つわりで食欲がないときは

yamada
山田

「妊娠初期でつわりがひどく、食べられません。免疫も弱まりそうで、不安になります。」という声も聞きます。どのように対処したらいいのでしょうか?

なつみ先生
なつみ先生

つわりがつらいときに食事を摂るのは大変だと思います。そのような時は、ご自身の食べられるものを食べられる量だけ、少しずつでもよいので口にするようにしてみましょう。
食事量が少ない時は、間食を摂ることもおすすめです。

まとめ

免疫力を高めるためには、基本的な感染症対策や、適度な運動、栄養バランスの取れた食事が重要です。しかし、体に負担をかけないことや、つわりでつらい時には自分の好きなものを食べるなど、ご自身が快適に過ごせるようにすることも、同じくらい大切です。
神経質になりすぎず、無理のない範囲で楽しみながら取り組んでみてくださいね。

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この記事を書いた人

yamada
山田怜奈
長野県立大学グローバルマネジメント学科2年の学生ライターです。こどもについてもっと知っていきたいです!

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