子どもの夜の寝付きが悪くなる5つの原因と眠りを誘う2つの方法

「子どもが寝る前に遊び始めてしまう」

「寝かしつけるために色々試したけど中々寝てくれない」

このような寝かしつけの疑問にお答えします。

子どもの睡眠時間が短いと、成長に悪影響があるのではと不安になりますよね。

また、頑張って寝かしつけても寝てくれないと大人の時間が減ってイライラしてしまうかもしれません。

子どもが思った通りに寝てくれないとはいえ、イライラしたり、感情的になったりはしたくないものです。

そこで今回は、清泉女学院短期大学 幼児教育科 准教授の長谷川孝子先生に、寝かしつけのポイントについてお聞きしました。

この記事を読むと、次の4つがわかります。

  • 子どもの睡眠時間の目安
  • 寝付きが悪くなる主な原因5つ
  • 子どもが寝ない時に試したい2つのこと
  • 生活リズムを整えるコツ

できることから1つずつ試してみると、お子さんの寝付きが少しずつ良くなるはずです。寝かしつけの参考にしてみて下さい。

清泉女学院短期大学 幼児教育科 准教授
長谷川孝子 先生

長野県短期大学附属幼稚園にて子どもの教育・保育に携わりながら、短大の付属園として保育の実践研究ならびに教育実習指導にあたる。

同幼稚園を退職後、長野県内の保育士養成校に勤務。現在に至る。著書に『つーちゃんの連絡帳』(新読書社)他がある。

子どもは何時ごろ寝るのが良いでしょうか?

唐木
唐木

子どもは何時ごろ寝るのが良いでしょうか?

長谷川先生

理想的な睡眠時間は、3歳で11時間~13時間、6歳で10時間です。

 

6歳ごろなら「夜8時半に寝て、朝6時半に起きる」というのが目安です。

 

しかし、残念ながら、夜9時前に寝る子どもは少数派です。なぜなら、大人の生活に合わせて子どもも夜型になってしまうからです。

 

とはいえ、「寝る子は育つ」と言われるように、心と体の発達にとって睡眠はとても重要です。

睡眠には、次の2つのホルモンが関係しているからです。

 

・成長ホルモン

・メラトニン

 

まず、体や脳の調整をする「成長ホルモン」です。これは、夜10時から2時くらいに最も分泌されます。

 

次に、体内時計の調整をする「メラトニン」です。これは朝、太陽の光を浴びると約14時間後に眠くなるというホルモンです。

 

以上のホルモンの働きから、早寝早起きは子どもの成長や習慣づけに良い影響があるとわかります。

子どもの寝付きが悪い原因は何ですか?

唐木
唐木

子どもの寝付きが悪い原因は何ですか?

長谷川先生

個人の特性もありますので一概には言えませんが、一般的に次の5つの原因が考えられます。

 

1:体内時計の乱れ

2:早寝早起きが習慣化されていない

3:大人時間で生活している

4:日中に十分体を動かしていない

5:落ち着いて眠る環境ではない

 

1つ目は、体内時計の乱れです。

 

日によって睡眠時間が変わるような不規則な睡眠習慣だと、体内時計が乱れてしまい、眠れなくなります。

 

2つ目は、早寝早起きが習慣化されていないことです。

 

夜更かしをするから早起きができない。早起きしないから夜更かししてしまう。このような毎日を繰り返すると悪循環に陥ってしまいます。

 

3つ目は、大人時間で生活していることです。

 

多くの家庭で、大人の生活に子どもが合わせてしまっています。この場合、大人が意識しないと、子どもにとってふさわしい生活リズムが守れなくなってしまいます。

 

4つ目は、日中に十分体を動かしていないことです。

 

子どもは体を十分動かして、満足してバタンキューで寝るのが理想的ですが、現代はこれが難しくなっています。

 

5つ目は、落ち着いて眠る環境ではないことです。

 

部屋を暗くしたり静かにしたりするのは一見簡単そうに思えますが、実は意識しないとできません。他に家族がいると特に難しくなります。

 

子どもが眠りに入る時間帯だけでも、照明や音に配慮することが大切です。加えて、室温と寝心地も確認してみて下さい。

 

添い寝をする場合は、添い寝をする親が落ち着いてリラックスするのが大切です。

子どもがどうしても寝ない時は、どうしたらいいでしょうか?

唐木
唐木

子どもが眠くなるまで遊ばせたり、スマートフォンで動画を見せたりしてしまいます。子どもがどうしても寝ない時はどうしたらいいでしょうか?

長谷川先生

寝る直前まで遊ばせるのも、スマホで動画を見せるのも、どちらも興奮させてしまうため逆効果です。

 

自然な眠りに誘うために、次の2つを試して下さい。

 

・寝る雰囲気作りをする

・早起きから始める

 

1つ目は、「寝る雰囲気作りをする」ことです。

 

夕食後お風呂に入ってリラックスしたら、パジャマに着替えて落ち着いた雰囲気のまま過ごすのがおすすめです。

 

この時、テレビをつけたりスマホを使ったりするのは控えておきたいところです。

 

親が意識的に声のトーンを落としたり、動きを抑えたりするのも大切です。

 

寝る前に絵本を一冊読むことのを習慣にするのもいいと思います。「眠る前の儀式」のように、できるだけ毎日同じ手順で行動するのがポイントです。

 

2つ目は、「早起きから始める」ことです。

 

早寝と早起きをいきなり両方やろうと思ってもうまくいきません。初めは、何とかして早起きをさせてみて下さい。

 

早く起きて日中よく遊べば、夜は自然と早く寝やすくなります。

 

冬に早起きするのは難しいので、他の季節に取り組むのがおすすめです。早寝早起きのリズムができるまでは大変ですが、ぜひ試してみて下さい。

唐木
唐木

大人に合わせて生活していると、どうしても寝る時間が23時ごろになってしまいます。

 

早く寝かせた方が良いとは思ってはいるのですが、なかなかうまくいきません。

 

子供と大人の生活リズムのバランスの取り方の工夫や、逆にここまではきっちりしすぎなくても大丈夫というラインを知りたいです。

長谷川先生

子どもの寝かしつけは毎日のことですので、本当に大変ですよね。

 

ご質問くださった方は、バランスを取るために色々工夫されていると思います。

 

日本の子どもは世界一睡眠不足と言われています。子どもにとって睡眠は成長に不可欠ですから、夜型の生活はなんとかして変えたいものです。

 

また、子どもの頃に身についた習慣は、その後に影響を与えると言われています。 

 

ですので、習慣化できるまでバランスをウエイトをお子さんに合わせてあげると良いかもしれません。

 

睡眠も含めて子どもの生活リズムを整えるには、次の5つを意識してみて下さい。

 

・早起き

・朝ごはん

・昼ごはん

・夕ごはん

・早寝

 

お子さんを保育園に預けている場合にできるのは、昼ごはんを除いた4つになるかと思います。

 

先ほどお伝えした4つを、ほぼ毎日同じ時間にできるように意識してみて下さい。

 

次に、「ここまできっちりしなくても大丈夫」という点について解説します。

 

先ほど夜8時半から朝6時半の睡眠が理想的とお伝えしましたが、睡眠の専門家の中には「睡眠時間よりも睡眠の質の方が大切だ」という方もいます。実際に、睡眠時間が短くても眠りが深いから大丈夫という子もいます。

 

朝機嫌よく起きて昼間もイキイキと活動できていたり、健康で発育状態も良かったりと、総合的に特に問題がない場合は、必ずしも理想の睡眠リズムでなくてもいいと思います。

 

一方で、日中落ち着きがなかったり、イライラしたり、ぼんやりしたりしている場合は、生活リズムに配慮してみて下さい。

唐木
唐木

最後に、改めて寝かしつけに大切なことを教えて下さい。

長谷川先生

寝かしつけのポイントは次の3つです。

 

1:寝る子は育つ

2:眠りの習慣化

3:生活全体からリズムを整える

1つ目は「寝る子は育つ」です。

 

心と体の成長にとって、睡眠はとても重要です。しかし「日本の子どもは世界一睡眠不足」と言われるほど、睡眠不足は深刻です。

 

つい寝かすのが遅くなってしまうという方が多いですが、6歳ごろは10時間睡眠を目標にしてみて下さい。

 

2つ目は「眠りの習慣化」です。

 

習慣は繰り返すことで身に付きます。また、基本的な生活習慣は、赤ちゃんや子どもの頃に身に付きます。

 

子どもが1人で眠れるよう、一定期間しっかり手を掛けてあげて下さい。習慣化すれば、その後が楽になります。

 

3つ目は、「生活全体からリズムを整える」ことです。

 

睡眠を習慣化するといっても、それだけを見ても上手くいきません。

 

生活リズムを整えるには、朝起きた時間によって寝る時間がおおよそ決まる。

 

睡眠と食事の5つのポイントを決めると生活リズムが整いやすくなるとお伝えしました。

 

子どもは元気に遊んで、夜はバタンキューで寝るのが理想ですが、このリズムが身に付くには3歳くらいまでかかるかもしれません。

 

自分からできるようになるにはもっと時間が掛かるかもしれません。長い目で見ながら、日々の繰り返しを大切にしてみて下さい。

まとめ

ここまで、清泉女学院短期大学 幼児教育科 准教授の長谷川孝子先生にお聞きしたことをお伝えしました。

子どもの寝付きが悪くなる原因は、次の5つでした。

1. 体内時計の乱れ
2.早寝早起きが習慣化されていない
3.大人時間で生活している
4.日中に十分体を動かしていない
5.落ち着いて眠る環境ではない

そして、自然な眠りに誘う方法が次の3つでした。

1. 寝る雰囲気作りをする
2. 早起きから始める
3. 生活全体からリズムを整える

睡眠の習慣は、毎日繰り返すことで身につきます。

根気がいりますが、子どもの健やかな成長のためにも、大人のリラックスタイム確保のためにも、今回お伝えしたことを参考にしてみて下さい。

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