生きていく上で必要不可欠な「食事」。
保育園でも毎日訪れる食事の時間に、どんな食育を行うべきかお悩みの保育士さんも多いのではないでしょうか?
今回は、実際に保育園で使用している食育計画表・食育活動計画表を元に、実際に書くべきことや、1歳児におすすめの活動などを管理栄養士のえりな先生へインタビューしました!
えりな先生
市内の保育園で9年間給食に携わった後、昨年の4月からみらいく保育園に入職しました。子どもたちの食べたい気持ちを大切にする給食作りを心掛けています。
食育とは?
保育園での食育の目的を教えてください。
食育には、厚生労働省の「食育に関する指針」で定められている「目指す子どもの姿」が、以下の通り5つあります。
- お腹がすくリズムのもてる子ども
- 食べものを話題にする子ども
- 食事づくりや準備にかかわる子ども
- 食べたいものや好きなものが増える子ども
- 一緒に食べたい人がいる子ども
この5つの姿に近づけるために、食育を行います。
そのためには、特別な活動だけでなく毎日の給食の時間も大切な場として捉えています。
参考:厚生労働省「楽しく食べる子どもに~保育所における食育に関する指針」
保育園で食育を行うと、子どもにどんな影響があるのでしょうか?
食事作りに子ども自身が関わることで、食事の時間が楽しくなって、いつも食べている給食が特別なものになったり、苦手な食材でも思い切ってチャレンジしてみようかなと思ってくれたりします。
1歳児の食育では、どんなことを意識するべきですか?
1歳児は、4月当初はまだ、クラス内での月齢の差が大きいです。食材を扱う活動をするのであれば、前半は簡単な指示でできること、後半は自分で選んだり、保育士とお話ししたりしながら決めていける内容がよいと思います。
食育計画表の作り方
食育活動はどんな基準で決め、行っているのでしょうか?
食育の目的で話した5つの子どもの姿に近づくように、子どもたちがさまざまな食べ物を見る・触る・噛んで味わう経験ができるようにしています。
うちの保育園では、年間の食育計画表を担任の保育士さんが自分のクラスの発達に合わせ作ります。
それを具体的にどうやって行うかは、栄養士が考えて食育活動表に落とし込みます。
そして、毎月の食育活動日に材料や活動の準備をし、保育の時間の中で食育活動を行います
季節に合わせた食育活動の例を教えてください。
例えば、5月に行う畑作りで実った野菜を使用して、7月の“お野菜スタンプ”作りに活動を繋げます。さらに、お野菜スタンプで触ったのと同じ種類の野菜を、その日の給食で提供します。
詳しくは食育活動年間計画予定表を参考にしてください。
きっと多くの人が、幼稚園や保育園の時にさつまいもを掘った経験があると思いますが、実際は野菜が苦手な子どもが多いイメージです。
保育園では、どのように工夫しているのか教えて下さい。
先ほど紹介したお野菜スタンプの場合ですと、まず、キュウリ・おくら・チンゲンサイなどで面白いカタチのスタンプを作ります。
スタンプを押す活動をした後に、給食で同じ野菜を出し、「これはさっきの野菜と同じなんだよ」と伝えることで、子どもたちは野菜の見た目の変化や食感をより意識しながら楽しく食べることができます。
チンゲンサイなど、青物の野菜が苦手な子どもが多いですが、調理される前の形を見たり、匂いを嗅いだり、ちぎってみたりすることで、興味や親しみを持つことができ、「食べてみようかな?」という気持ちが生まれます。
料理はもちろんのこと、このように野菜を使って料理以外の創作をしたり、さつまいもを自分で育てる・掘る・焼き芋にして食べたりするということも、食育の一つです。
食材を身近に感じてもらう体験は、調理を工夫して苦手なもの食べやすくするのとはまた違ったアプローチです。
さつまいもなどは、自分が育てたという特別感が、食べる意欲に繋がるのではと考えています。
まとめ
今回は、食育計画表・食育活動計画表に書くべき内容や、1歳児におすすめの活動について、管理栄養士の北村先生に教えていただきました。
食事は、子どもの心と身体を育む大事な要素です。
保育園でもしっかりとサポートしていくため、成長や発達に合わせた食育計画表・食育活動計画表を保育士と栄養士が協力して作ることが大切です。
子どもたちに食事の楽しさを伝えるため、私たちも食育に関して理解を深めていきましょう。
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