子どもの成長に欠かせない鉄分:1歳半の食事とケアを学ぶ

1歳半の子どもは、食べられる量や好みがその日その時で変わりやすいです。親御さんにとっては、「本当に必要な栄養が足りているのかな?」と気になることが多い時期ですよね。

特に鉄分は、成長に欠かせないとわかっていても、どんな食材で補えばよいのか、どれくらい意識すれば十分なのか、判断に迷う場面もあるのではないでしょうか。

そこで今回は、日々の子育てでよく耳にする疑問について栄養士のしずか先生に伺い、実際の生活の中で取り入れやすい視点としてまとめました。
特別な料理を作らなくても、ちょっとした工夫や組み合わせで鉄分を無理なく摂る方法や、意外と見落としがちなポイントなど、「知ることで安心につながる」内容も多くあります。

忙しい毎日の中でも、親御さんが肩の力を抜きながら子どもの成長を見守っていけるヒントになれば幸いです。

みらいく穂高 管理栄養士
森しずか先生
穂高みらいく保育園に勤務して2年目。子どもの食に関わり、将来を豊かに生きるための土台づくりのお手伝いができたらと思い、この仕事を選びました。子どもたちの笑顔に癒やされながら、毎日楽しく仕事に取り組んでいます。

なぜ鉄分が必要なのか

金井

1歳半の子どもに鉄分が必要なのは、どうしてですか?

森先生

鉄は血液の中のヘモグロビンを作る材料で、体に酸素を運ぶ役割があります。

また、脳や神経の発達、筋肉を動かすエネルギーにも関わるため、歩く・走るなどの運動機能の発達にも大切な栄養素です。
成長が早いこの時期の子どもには、特にしっかり摂らせることが大切なんです。

金井
森先生

はい。乳幼児期は脳や神経が急速に発達する時期なので、鉄が不足するとその発達に影響が出やすくなります。集中力や注意力にも関わるため、この時期は特に意識して摂ることが重要です。

金井
森先生

そうなんです。そのため、早い段階から意識して鉄の補給ができるとよいですね。

食事だけで足りるのか

金井
森先生

実は、多くの子どもが鉄不足気味と言われています。
ですが、食事の中で少し意識して選ぶだけでも、鉄分は補いやすくなりますよ。

保育園でも、ほうれん草や小松菜など鉄分の多い野菜を取り入れています。家庭で取り入れやすい方法として、鉄分が添加されたヨーグルトやチーズ、おせんべいなどを上手に活用するのも一つの方法です。

鉄不足のサイン

金井
森先生

顔色が悪くなる、食欲が落ちる、疲れやすくなるといった症状がよく見られます。

また、ぼーっとして元気がない様子や、低血圧のような状態が見られることもあります。手足が冷たい場合は、体のすみずみまで血液が十分に行き届いていない可能性も考えられます。
こうした様子が続く場合は、鉄不足の可能性もあるため、食事を見直したり医療機関に相談してみるとよいでしょう。

金井
森先生

はい。鉄は脳の働きにも関わるため、不足すると集中力や注意力が低下し、ぼんやりして見えることがあります。必ずしも性格の問題ではなく、栄養状態が影響している可能性もあります。

レバーの活用はどうか

金井
森先生

はい、レバーは鉄分が豊富な食品なので、鉄補給には有効です。学校給食ではレバーの揚げ物が鉄分補給メニューとして出されることもあり、保育園でも取り入れているところがあります。

ただし、レバーは独特の風味があるため、家庭で調理する場合は細かく刻んでハンバーグに混ぜるなど、食べやすくする工夫がおすすめです。調理する場合は、しっかり火を通してくださいね。

食べムラのある子への対策

金井
森先生

無理に食べさせるのではなく、食べやすい形に工夫することが大切です。
たとえば、細かく刻んでハンバーグやミートソースに混ぜたり、卵焼きやおにぎりの具に入れたりするなど、他の食材と合わせると食べやすくなります。

鉄は多くの食品に含まれます。赤身の肉や魚、大豆製品、鉄が添加されたヨーグルトやおせんべいなど、いろいろな食品から少しずつ取り入れることもポイントです。無理をせず、食べられるものの中で鉄分を補っていくとよいですね。

なぜ1歳半は鉄不足になりやすいのか

金井
森先生

はい、なりやすいと言われています。
乳幼児期は体や脳が急速に成長するため、鉄の必要量が多い一方で、食事量がまだ少なかったり、食べむらがあったりして、十分に摂れないことがあるからです。
特に1~2歳ごろは鉄不足になりやすい時期なので、食事の中で意識して鉄を含む食品を取り入れていきましょう。

金井
森先生

はい、必要量と摂取量のギャップが生まれやすい時期なんです。

鉄強化シリアルのメリット

金井
森先生

鉄強化のシリアルなどは、鉄分を補う方法の一つとして役立つ場合があります。
ただし、取りすぎには注意が必要です。サプリメントについては、乳幼児の場合、基本的には医師の指示がある場合に限って使用するのがよいでしょう。

鉄はできるだけ食事から摂ることが基本ですが、離乳食や幼児食の中には鉄を多く含むように作られた栄養士監修の商品もあります。そうしたものを上手に取り入れるのも一つの方法ですね。

保育園の食事で鉄は足りるか

金井
森先生

保育園の給食は栄養士が献立を立てているため、バランスのよい食事になっています。
ただし、保育園の食事は1日分すべての栄養をまかなうものではなく、あくまで「1食分」としてです。

そのため、家庭での食事と合わせて栄養が整うように考えられており、子どもによっては家庭で鉄分を少し意識して補うことが重要になる場合もあります。

鉄分の吸収を高める食べ合わせ

金井
森先生

ビタミンCが一緒だと鉄の吸収率が上がります。
たとえば、ツナとトマトしらすとキャベツ卵とピーマンなどですね。

鉄を含む食材と野菜や果物を組み合わせることで、自然と吸収しやすい食事になります。バランスよくいろいろな食品を組み合わせるのがおすすめです。

鉄不足が心配になったときの行動

金井
森先生

まず生活リズムや食事を振り返り、それでも心配な場合は小児科に相談しましょう。

金井
森先生

はい、血液検査で鉄不足や貧血の状態を確認できます。
状態によっては医師の判断で鉄剤を使うこともありますが、軽度であればまず食事内容を見直しが基本になります。

ヘム鉄と非ヘム鉄の違い

金井
森先生

一般的には、肉や魚に含まれるヘム鉄の方が吸収されやすいと言われています。
野菜や豆類などに含まれる非ヘム鉄に比べて、体への吸収率が高いのが特徴です。

ただし、どちらか一方に偏るのではなく、肉や魚、野菜や豆類などをバランスよく摂ることが大切です。また、ヘム鉄は比較的吸収が安定していて、通常の食事量であれば取りすぎによる不調(むかむかするなど)は起こりにくいとされています。

まとめ

今回は、栄養士のしずか先生にお話を伺い、1歳半の鉄分は「不足しやすいのに気づきにくい」栄養素であることが分かりました。

鉄分は体の成長だけでなく、脳の発達や集中力にも関わる大切な栄養素です。そのため、この時期は日々の食事の中で意識して取り入れることが重要です。

一方で、特別な食材を用意しなくても、ビタミンCとの組み合わせや調理の工夫によって、無理なく鉄分の吸収を高めることができます。
また、保育園の食事だけでなく、家庭での食事と合わせて栄養バランスを整えていくことも大切なポイントです。

子育てでは「しっかりやらなければ」と感じることもありますが、日々の小さな工夫の積み重ねが、子どもの成長を支えていきます。
できることから無理なく取り入れながら、日々の食事づくりに役立ててみてくださいね。

金井 未知花
日本女子大学家政学部児童学科2年の学生ライターです。大学では多角的な視点から子どもの特徴を学ぶために様々な保育の講義を受けています。子育てに関わる人たちへ、分かりやすく役立つ記事で新たな発見や素敵な情報をお届けしたいです!

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