赤ちゃんの指しゃぶりは、誰もが一度は目にする愛らしい行動の一つです。新生児期には自然な成長過程の一つですが、成長とともに「いつまで続けていいの?」と悩まれる親御さんも多いのではないでしょうか?
特に3歳を過ぎても指しゃぶりが続く場合、歯並びや言語発達への影響が心配されることもあります。
そこで本記事では、保育士さんへのインタビューをもとに、指しゃぶりの意味や成長への影響、そしてやめさせるタイミングと具体的な方法をご紹介します!
無理なく対応するコツを知って、安心して子どもの成長を見守りましょう。

みき先生
保育士になり7年目。長野市と白馬村で約6年間保育士をした後みらいくに入職。子どもたち一人一人の個性を大切に、温かい保育を心がけています。
目次
新生児が指しゃぶりをする理由

そもそも新生児の指しゃぶりは、どんな理由で始まるのでしょうか?

指しゃぶりは、赤ちゃんの本能的な行動です。
新生児期の子どもには「吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)」といって、口に触れたものを吸おうとする本能があるのですが、これは母乳やミルクを飲むために必要な機能でもあります。

なるほど、最初は本能的な動きなんですね。その後はどう変化していきますか?

生後数か月ごろになると、指しゃぶりは赤ちゃんにとって「安心するための行動」になります。
お腹がいっぱいになっても、眠る前や不安を感じた時に指をしゃぶることが多いです。
これは、赤ちゃんが自分で気持ちを落ち着けようとしている証です。

ストレス解消やリラックスのためなんですね。
親としてはやめさせた方がよいのかなと思うこともあると思いますが、どう対応すればよいですか?

新生児から2歳ごろまでは、無理にやめさせようとしなくて大丈夫です。
この時期の指しゃぶりは成長過程の一部なので、温かく見守ってください。
ただし、長時間続くようなら、「抱っこする時間を増やす」「おもちゃを与える」などの対応で、赤ちゃんの安心感をサポートしてあげるのもよいですね。

親が安心感をもって見守る姿勢が大事なんですね。
指しゃぶりが成長に与える影響

指しゃぶりは赤ちゃんにとって自然な行動ということでしたが、成長するにつれて何か影響が出ることもあるのでしょうか?

はい。特に3歳以降になっても指しゃぶりが癖として続く場合、成長に影響を与えることがあります。
具体的には、歯並びや言葉の発達が影響を受ける可能性があります。

歯並びへの影響というのは、どのようなものですか?

指をしゃぶり続けることで、前歯が前に出てしまったり、上下の歯がしっかり噛み合わない「開咬(かいこう)」という状態になってしまったりすることがあります。
歯並びの乱れが原因で、噛み合わせが悪くなり、将来的に食事や発音にも影響することがあります。

言葉の発達にも影響があるんですか?

そうですね。指をしゃぶり続けていると、舌の動きが制限されることがあります。
それによって発音がはっきりしないことや、特定の音が出しにくいといった問題が生じる場合があります。
また、指しゃぶりの時間が長いと口を動かす機会が減り、発語のタイミングが遅れることも考えられます。

歯並びや言葉以外にも、心の面で影響が出ることはありますか?

指しゃぶりが続いている子どもは、ストレスや寂しさを抱えている場合があるかもしれません。
例えば、家族の環境の変化や保育園への入園など、生活の変化に敏感な子どもに多いです。
その場合、指しゃぶりは子どもにとって「安心を求める手段」になっていることもあります。

成長に合わせて適切に対応する必要がありそうですね。親としてはどのタイミングで対応すればよいのでしょうか?

3歳になる前ごろから指しゃぶりの頻度を減らすことを意識するとよいですね。
歯並びや発音に影響が出始める前に、少しずつやめられるようにサポートすることが大切です。
その際は、叱るのではなく、代わりの安心材料を提供してあげることを心がけてください。

親子で無理なく取り組める方法が必要ですね。
指しゃぶりをやめさせるための具体的な方法

指しゃぶりをやめさせるためには、具体的にどのような方法が効果的でしょうか?

大切なのは、子どもに負担をかけずに自然な形で指しゃぶりを減らしていくことです。
いくつかの方法を試してみて、子どもに合うものを見つけてください。
① 代替アイテムを活用する
指しゃぶりが癖になっている場合は、代わりとなる安心材料を提供するのがおすすめです。
たとえば、お気に入りのぬいぐるみやタオルを持たせることで、指しゃぶりの代わりに安心感を得られるようになります。

夜寝る時に使える「おやすみグッズ」を一緒に選ぶのも効果的です。
② 環境の見直し
指しゃぶりは、ストレスや寂しさを感じている時に増えることがあります。
家族とのスキンシップを増やしたり、子どもがリラックスできる環境を整えたりすることで、自然と頻度が減る場合があります。

また、生活リズムを整えることも重要です。
十分な睡眠をとり、ストレスの少ない環境を作ることで指しゃぶりの癖が軽減されることがあります。
③ 行動を褒めて強化する

子どもが指しゃぶりをしなかった時や、少しの間でもやめられた時は、たくさん褒めてあげてください。
「えらいね」「お兄さんみたいだね」といったポジティブな声かけをすると、子どもも自信を持ちやすくなります。
また、何か小さなご褒美を用意するのもよいですね。
④ 指しゃぶり専用のグッズを活用する
市販の「指しゃぶり防止グッズ」を活用するのも一つの手です。たとえば、苦味成分の塗り薬などがあります。

ただし、これを使う場合は、子どもがストレスを感じないように、理由をしっかり説明して納得してもらうことが重要です。
⑤ 専門家に相談する

歯並びへの影響が心配な場合や、指しゃぶりを完全にやめられない場合は、歯科医師や保育士に相談してください。
特に3歳以降の歯並びで、将来歯科矯正が必要になるケースもあるため、早めの相談が安心につながります。
指しゃぶりは一気にやめるのではなく、徐々に頻度を減らしていくことが成功のポイントです。
子ども自身が「やめても大丈夫」と感じられるよう、焦らず温かく見守りながら取り組んでくださいね。

子どもの気持ちに寄り添いながら、無理のないペースで進めるのが一番ですね。
まとめ
指しゃぶりは赤ちゃんにとって自然な行動であり、成長の一環として見守るべきもの。しかし、3歳を過ぎても続けている場合は、歯並びや言葉の発達に影響を与える可能性があるため、親として適切な対応が必要です。
本記事で紹介した保育士さんのアドバイスをもとに、無理にやめさせるのではなく、代わりとなる安心材料を与えたり、生活環境を見直したりすることで、徐々に指しゃぶりを減らしていきましょう。親が焦らず温かく見守ることで、子どもは自信を持って成長していけます。
もし対応に迷った時は、歯科医師や保育士などの専門家に相談するのも一つの手です。
この記事を通じて、少しでも悩みが軽くなり、親子で笑顔を増やしていくきっかけになれば幸いです!

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