育ち盛りの子どものための「おやつ」。毎日どんなものをあげたらよいの?
そもそも3食ごはんを食べているのに、なぜおやつが必要なの?
おやつについて改めて考えてみると、そんな疑問が出てくるのではないかと思います。
そこで、保育を学ぶ学生が栄養士の松島先生に、保育園での「おやつ」についてインタビューしてくれました。
この記事を読むと、次の4つがわかります。
- 子どもにおやつが必要な理由
- どんなおやつをどれくらい与えるとよいか
- 子どもとおやつを手作りする時に注意すること
- 栄養士がオススメするおやつレシピ2種類
おやつについての理解を深め、おいしいおやつで子どもの成長をサポートしましょう!
松島りお
子どもの食を支えていきたいと思い栄養士を目指す。
給食や食育活動を通して食の大切さを伝えられるように日々業務に取り組んでいる。
目次
子どもの「おやつ」はなぜあるの?
こんにちは!さっそくですが、子どものおやつについて教えてください。
保育園でおやつの時間があるのはなぜですか?
こんにちは。保育園でおやつの時間がある理由ですが、下記の通り3つあります。
- 3回の食事では補いきれないエネルギー・栄養素・水分を補うため。
- 体や心を休め、リラックスした状態で友だちとコミュニケーションがとれる時間を設けることによって、社会性を育てるため。
- おやつを自分で作ってみる体験もさせ、それによって食に関する興味・関心を高めるため。
3歳未満児は午前中と午後の2回、3歳以上児は午後の時間にそれぞれおやつの時間が設けられています。
「おやつ」はどんなものをどれくらいあげればよいの?
おやつの時間は、エネルギー補給だけでなく、社会性や食への関心を育む場でもあるということがわかりました。では、実際に保育園ではどんなおやつを食べさせているのでしょうか?
保育園で提供している「おやつ」
私たちの園では、午前中のおやつにはフルーツやチーズ・せんべいなど、午後のおやつにはおにぎり・調理パンなど、手作りしたものを提供しています。
3回の食事で補いきれない栄養素を取り入れてもらう工夫をしています。体の成長に必要な鉄分やカルシウムは、特に意識しないと不足しやすい栄養素ですから、ご家庭でも意識して取り入れていくとよいでしょう。
市販の「おやつ」はOK?
市販のお菓子を与える機会もあると思いますが、未就学児までは、糖分や塩分控えめで薄味になっている幼児用お菓子を選ぶようにしましょう。
少し味の濃いものをあげる場合には、量や時間をしっかりと決めておき、子どもが濃い味に慣れすぎないように注意しましょう。
糖分や塩分は控えめにして、不足しやすい鉄分やカルシウムが多めのおやつがよいのですね。
「おやつ」を食べる時間帯は?
おやつを食べる時間帯について、気をつけることはありますか?
おやつの時間は食事の時間との間隔を2~3時間あけるようにしましょう。
おやつを食べる時間が夕飯の近くになってしまった場合には、ヨーグルトやフルーツなど、お腹にたまりづらく夕食に影響が出にくいおやつを選びましょう。
「おやつ」の量は?
おやつの量について、気をつけることはありますか?
おやつの量ですが、1~2歳は100~150kcal、3~5歳は150~200kcal程度を目安に考えるとよいと思います。
1~2歳児の例をあげると、バナナ1本もしくはりんご1/2個と牛乳コップ1杯(約100ml)程度になります。市販のお菓子のエネルギー量は種類によって違うので、袋の記載を確認した上であげてください。
しかし、気をつけていただきたいことは、子どもの成長には個人差があります。普段の様子を見ながらその子に合った量を見極めていきましょう。
子どもとおやつを手作りする時に注意することは?
なるべく手作りのおやつを食べさせたいと考えている親御さんも多いと思います。また、お子さんと一緒におやつをつくりたいというご家庭向けに実践できることはありますか?
そうですね。例えば私たちの保育園では、食育活動の一貫として、子どもたちと一緒におやつを作る活動をしています。
活動を通して、苦手な食材や料理が食べられるようになったり、農作物などを作ってくれた人に感謝する気持ちを持ったり、料理する楽しさを感じられたりするなど、様々な経験が得られるからです。
多くの保育園では、ご家庭で実践できる食育活動を行っていると思いますので、聞いてみるのもいいかもしれませんね。
おやつ作りは、子どもたちも楽しいでしょうね!
家庭で子どもと一緒におやつを作る時に、気をつけることはありますか?
ご家庭で一緒に作る際には、子どもと最低限のルールを決めておくことが大切です。菌から食材を守るために手をしっかり洗うことや、調理器具を使う時はケガのないよう注意するなど、最初にルールを決めておくとやりやすいかと思います。
あとは、先回りして大人が子どもの手伝いをしすぎないよう気をつけましょう。
小さいお子さんの場合は代わりにやってあげることも必要ですが、できるだけ子ども自身にチャレンジさせ、「できた!」という達成感を感じてもらうことが大事です。見守りながら、必要な時のみ手を貸すように心がけましょう。
栄養士がオススメするおやつレシピ2種類
私たちの保育園ではクッキー、豆腐ドーナツ、おにぎり、いももち、バナナ薄焼きなどを食育活動に取りいれています。今回はおにぎりとバナナ薄焼きのレシピを紹介します!
カルシウムおにぎり
小松菜、プロセスチーズ、しらす干し、ごまが入ることで、不足しやすいカルシウムを補うことができるおやつです。
材料
- お米 150g(1合)
- 小松菜 30g
- プロセスチーズ 30g
- しらす干し 150g
- ごま 50g
作り方
- お米を研ぎ、炊く。(余りご飯でもOK)
- 小松菜を茹で冷水で冷まし、細かく切る。(切ってから茹でてもOKです)
- プロセスチーズをさいの目切りにする。
- 炊きあがったご飯に、固く絞った2と3、しらす干し、ごまを加え混ぜ合わせる。
- 適当な大きさのおにぎりをつくって完成!
お子さんと一緒にラップを使い、様々な形のおにぎりをつくることができます。
おにぎりづくりはご飯の色を変えて行うと見た目も華やかになり、お子さんがより楽しめると思います。
バナナ薄焼き(ホットケーキ)
バナナを手で潰してみたり、材料を混ぜてみたりと様々な活動を楽しめる手作りおやつです。
材料
- バナナ 150g
- レーズン 10g
- 砂糖 30g
- 牛乳 150ml
- 小麦粉 150g
- ベーキングパウダー 5g
- 油(バターでもOK) 適宜
作り方
- バナナを潰す。
- レーズンを刻む。
- ボールに砂糖、牛乳を入れ混ぜる。
- 3のボールにふるった小麦粉、ベーキングパウダーを入れさらに混ぜる。
- 4に1と2を入れさらに混ぜる
- フライパンを熱し、油を入れ、5の生地を焼く。
- 両面焼けたら完成!
レーズンは不足しがちな鉄分を補うことができます。バナナを潰すとき、手が汚れるのが苦手なお子さんの場合はバナナを少し丈夫な袋に入れて行うと手が汚れずに楽しむことができるのでオススメです。
他にも、野菜の裏ごしやフルーツを使っても楽しめると思います。
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この記事を書いた人
長野県立大学グローバルマネジメント学科2年の学生ライターです。こどもについてもっと知っていきたいです!