【栄養士に聞く】子どもに「よく噛む」習慣をつけさせる方法とその重要性

食べ物を「よく噛む」ことは、子どもの健康と発達において非常に重要な役割を果たします。

しかし、忙しい日常生活の中ではその大切さを忘れてしまいがちですよね。

そこで今回は、食事指導や健康相談で日々多くの親御さんをサポートしている栄養士のもなみ先生に、子どもが「よく噛む」ことの重要性とその実践方法についてインタビューを行いました。

これを機に、ご家庭での食事に「よく噛む」習慣を取り入れていきましょう。

みらいく高田 栄養士
もなみ先生
食事を通して子どもの成長に関わりたいという思いから、栄養士を目指す。児童養護施設で13年勤務し現場経験を積んだ後、みらいく高田で栄養士として勤務。産休・育休を経て自身の子どもを育てながら、保育園の子どもの嫌いな食べ物や苦手な食べ物を好きになってもらう工夫として「食育」に取り組んでいる。

「よく噛む」ことの健康効果

まず「よく噛む」ということが、健康にどう影響するのか教えていただけますか?

もなみ先生

何度も「よく噛む」と、食べ物が細かく砕かれ、胃の中で消化がしやすくなります。

また、噛むことで唾液がよく出るようになり、消化を助ける酵素がたくさん分泌されます。

その結果、食べ物の消化吸収がスムーズになり、胃腸の負担が軽減されます。

小川

消化吸収がよくなるのですね。他にはどんな効果がありますか?

もなみ先生

噛むことは脳への血流を増加させ、集中力や記憶力の向上にも繋がります。

しっかりと噛むことで脳が活性化され、学習能力の向上にも関係します。

サッカー選手がガムを噛むのも、同様の効果を狙っていると聞きますね。

小川

なるほど、脳にもよい影響があるのですね。その他についてはいかがでしょうか?

もなみ先生

噛むことで顎の筋肉が鍛えられ、顎の発達が促進されます。

これにより、正しい噛み合わせが形成されるとともに、発音がクリアになり、言葉の発達にもよい影響を与えます。

子どもが「よく噛む」ための食材選び

小川

子どもが「よく噛む」ようになるためには、どのような食材を選べばよいでしょうか?

もなみ先生

噛みごたえのある食材を選ぶように心がけましょう。

例えば、根菜類や小魚、きのこや大豆などが効果的です。

これらの食材はしっかりとした歯ごたえがあるため、自然と噛む回数が増えます。

小川

調理方法も工夫したほうがよいのでしょうか?

もなみ先生

調理方法も重要になってきます。

例えば、野菜を大きめに切ることで噛みごたえが増します。

また、野菜スティックのように生のまま食べることで、噛むことが促されます。

小川

その他の具体的なメニュー例も教えていただけますか?

もなみ先生

シラスとマヨネーズをパンに塗ってトーストしたシラストーストや、硬めに茹でたブロッコリーやカリフラワーのサラダ、ひじきや大豆の煮ものなどが挙げられます。

これらは噛みごたえがあり、子どもたちも楽しんで食べてくれます。

小川

なるほど、調理方法にも工夫を凝らすことで、子どもたちが自然とよく噛むようになるのですね。

「よく噛む」ための食事環境の整え方

小川

子どもが「よく噛む」ためには、食事環境も大事だと聞きました。具体的に、どのような環境を整えるとよいのでしょうか?

もなみ先生

まず、家族全員で食卓を囲むことが大切です。

これにより、子どもが食事に集中しやすくなります。

家族全員で食事をすることで、子どもは親の行動を観察し、学びます。

親がよく噛んで食べる姿を見せたり、「カミカミだよ~」と声掛けしたりすることで、子どもも自然とよく噛むようになります。

また、家族と食事を楽しむことができれば、リラックスした気持ちでしっかり噛んで食べることができます。

小川

家族とのコミュニケーションが大切なのですね。テレビやスマホの影響についてはどうでしょうか?

もなみ先生

テレビやスマホは食事中にはできるだけ控えましょう。

これらのデバイスは子どもの注意を食事から逸らし、「よく噛む」ことがしにくくなります。

食事中は食べることに集中できる環境を整えることが大切です。

「よく噛む」ための実践的なアドバイス

小川

「よく噛む」習慣を身につけるために、保護者が実践できる具体的な方法を教えてください。

もなみ先生

子どもが「よく噛む」ことを習慣化するためには、親子で楽しく取り組める遊びが効果的です。

例えば「お米をよく噛むと甘くなるよ~」「何回噛むと美味しくなるかな?」というような遊びはいかがでしょうか。

食べるたびに噛む回数を数えると、子どもたちも楽しんで噛むようになりますよ。

小川

それは楽しそうですね。他にも日常生活で噛む習慣を身につける方法はありますか?

もなみ先生

他には例えば、おやつに硬めの食材を取り入れることや、食事の際に噛みごたえのある食材を積極的に提供することです。

また、食事の時間を十分にとり、ゆっくり食べることを習慣づけることも効果的です。

小川

食事の時間をゆっくりとることも重要なのですね。保護者ができるサポートについても教えてください。

もなみ先生

まずは自分自身がよく噛む姿を見せることが大切です。

子どもは親の行動を見て学ぶので、親がしっかりと噛んで食べる姿を見せることで、子どもも自然とその習慣を身につけます。

また、食事中にリラックスした雰囲気を作り、食べることを楽しむことも大切です。

食事中の会話を楽しむことで、子どもたちが食事に集中しやすくなります。

小川

親自身がお手本を見せることが大切なのですね。

よくある質問

小川

保護者からよくある質問についても教えてください。子どもが噛むことを嫌がる場合、どうすればよいでしょうか?

もなみ先生

噛むことが苦手な子どもには、無理に強制せず、徐々に慣れさせるようにしましょう。

まずは噛みやすい食材から始めて、少しずつ噛むことに慣れさせましょう。

また、噛むことが楽しいと感じるように、親子で一緒に噛むゲームをするのも効果的です。

小川

幼児と小学生では、噛む力に違いがありますか?

もなみ先生

幼児と小学生では噛む力に違いがあります。

幼児はまだ顎の発達が不十分なため、柔らかい食材から始め、徐々に硬い食材に移行するとよいでしょう。

小学生になると噛む力が増し、硬めの食材も食べやすくなります。

発達段階に合わせて食材を選び、無理なく噛む習慣を身につけさせることが大切です。

小川

食事時間の目安はどれくらいですか?

もなみ先生

食事時間の目安は、20〜30分程度が理想です。

焦らず、ゆっくりと食事を楽しむことで、自然とよく噛む習慣が身につきます。

食事を急がせると、子どもは噛むことを忘れてしまいがちです。

ゆっくり食べるためのコツとしては、一口ごとにしっかりと噛むことを意識させたり、食事中にリラックスした雰囲気を作ったりすることです。

また、食事中に楽しい会話をすることで、食事の時間が楽しくなり、自然と噛む回数も増えます。

小川

ありがとうございました。ぜひこれらのアドバイスを参考にして、子どもたちが健康的に成長できるようサポートしていきたいですね。

まとめ

今回は、栄養士のもなみ先生に子どもが「よく噛む」ことの重要性について詳しくお話を伺いました。

よく噛んで食べると、消化吸収の促進、脳の発達への影響、顎の成長と発音の改善に効果的であることがわかりました。

また、「よく噛む」ことを習慣化するためには、噛みごたえのある食材を選ぶことや、調理方法、食事環境の整え方についても教えていただきました。

ぜひこの記事を参考にして、子どもと一緒に楽しく健康的な食事を楽しんでくださいね。

小川愛海
子育てに役立つ情報を取材していきます。

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